基礎問題集
数学3 極限「数列・極限」の問題49 解説
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解説
方針・初手
漸化式を
$$ a_{n+1}=f(a_n),\qquad f(x)=\frac{1}{4-x^2} $$
とみる。
まず $[0,1)$ が $f$ によって保たれることを示す。次に,不動点条件 $f(\alpha)=\alpha$ が
$$ \alpha^3-4\alpha+1=0 $$
と同値であることに着目し,この方程式が $(0,1)$ にただ 1 つの解をもつことを示す。最後に $f'(x)$ を $[0,1]$ 上で評価して縮小写像型の不等式を得れば,$a_n$ がその不動点 $\alpha$ に収束することが従う。
解法1
(1) すべての自然数 $n$ に対し,$0\leqq a_n<1$ が成り立つことを示す。
数学的帰納法を用いる。
まず,
$$ a_1=0 $$
であるから,確かに $0\leqq a_1<1$ である。
次に,ある自然数 $n$ について
$$ 0\leqq a_n<1 $$
が成り立つと仮定する。このとき
$$ 0\leqq a_n^2<1 $$
より,
$$ 3<4-a_n^2\leqq 4 $$
である。したがって
$$ 0<\frac{1}{4-a_n^2}<\frac{1}{3}<1 $$
となるから,
$$ 0\leqq a_{n+1}=\frac{1}{4-a_n^2}<1 $$
が成り立つ。
よって帰納法により,すべての自然数 $n$ に対して
$$ 0\leqq a_n<1 $$
である。
(2) 3次方程式
$$ x^3-4x+1=0 $$
が $0<x<1$ においてただ 1 つの解 $\alpha$ をもつことを示す。
関数
$$ g(x)=x^3-4x+1 $$
を考える。すると
$$ g(0)=1>0,\qquad g(1)=1-4+1=-2<0 $$
であるから,中間値の定理により,区間 $(0,1)$ に少なくとも 1 つ解をもつ。
次に導関数を調べると,
$$ g'(x)=3x^2-4 $$
である。$0<x<1$ では $3x^2<3$ だから,
$$ g'(x)=3x^2-4<0 $$
となる。したがって $g(x)$ は $(0,1)$ で単調減少である。
よって $(0,1)$ に解は高々 1 つしか存在しない。以上より,$0<x<1$ にただ 1 つの解 $\alpha$ が存在する。
(3) この $\alpha$ に対し,
$$ |a_{n+1}-\alpha|\leqq \beta |a_n-\alpha| $$
を満たす $0<\beta<1$ を 1 つ求める。
(2) の $\alpha$ は
$$ \alpha^3-4\alpha+1=0 $$
を満たすので,
$$ \alpha(4-\alpha^2)=1 $$
すなわち
$$ \alpha=\frac{1}{4-\alpha^2}=f(\alpha) $$
である。
したがって
$$ a_{n+1}-\alpha=f(a_n)-f(\alpha) $$
である。
ここで (1) より $0\leqq a_n<1$ であり,また (2) より $0<\alpha<1$ であるから,$a_n$ と $\alpha$ の間の値 $\xi$ は $0\leqq \xi \leqq 1$ を満たす。平均値の定理により,
$$ |f(a_n)-f(\alpha)|=|f'(\xi)|,|a_n-\alpha| $$
となる。
$f'(x)$ を計算すると,
$$ f'(x)=\frac{2x}{(4-x^2)^2} $$
である。$0\leqq x\leqq 1$ では $2x\leqq 2$ かつ $4-x^2\geqq 3$ であるから,
$$ 0\leqq f'(x)=\frac{2x}{(4-x^2)^2}\leqq \frac{2}{3^2}=\frac{2}{9} $$
が成り立つ。よって
$$ |a_{n+1}-\alpha| =|f(a_n)-f(\alpha)| \leqq \frac{2}{9}|a_n-\alpha| $$
となる。
したがって,
$$ \beta=\frac{2}{9} $$
とすればよい。
**(4)**
$\displaystyle \lim_{n\to\infty}a_n=\alpha$ を示す。
(3) で得た不等式を繰り返し用いると,
$$ |a_n-\alpha| \leqq \beta |a_{n-1}-\alpha| \leqq \beta^2 |a_{n-2}-\alpha| \leqq \cdots \leqq \beta^{n-1}|a_1-\alpha| $$
となる。
ここで $0<\beta<1$ であるから,
$$ \beta^{n-1}\to 0\qquad (n\to\infty) $$
である。したがって
$$ 0\leqq |a_n-\alpha|\leqq \beta^{n-1}|a_1-\alpha|\to 0 $$
より,
$$ a_n\to \alpha \qquad (n\to\infty) $$
が従う。
解説
この問題の中心は,漸化式を単なる数列の計算として扱うのではなく,
$$ a_{n+1}=f(a_n),\qquad f(x)=\frac{1}{4-x^2} $$
という反復としてみることである。
まず (1) で数列が常に区間 $[0,1)$ に入ることを押さえると,以後は $f$ をその区間上で調べればよい。(2) では,不動点 $f(x)=x$ が 3 次方程式に一致することを使う。さらに (3) では導関数 $f'(x)$ を区間 $[0,1]$ で一様に評価することで,$f$ がこの区間で縮小的に働くことが分かる。これにより,反復列 $a_n$ が不動点 $\alpha$ に引き寄せられることが (4) で厳密に示される。
答え
**(1)**
すべての自然数 $n$ に対して
$$ 0\leqq a_n<1 $$
が成り立つ。
**(2)**
方程式
$$ x^3-4x+1=0 $$
は $0<x<1$ にただ 1 つの解 $\alpha$ をもつ。
**(3)**
例えば
$$ \beta=\frac{2}{9} $$
とすれば,
$$ |a_{n+1}-\alpha|\leqq \frac{2}{9}|a_n-\alpha| $$
がすべての自然数 $n$ に対して成り立つ。
**(4)**
$$ \lim_{n\to\infty}a_n=\alpha $$
である。