基礎問題集
数学3 極限「数列・極限」の問題54 解説
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解説
方針・初手
まず、漸化式
$$ a_{n+1}=\frac{1}{2}(a_n^2+b) $$
が区間 $[0,1]$ を保つことを示す。
次に、$c=1-\sqrt{1-b}$ が
$$ c^2+b=2c $$
を満たすことに着目して、$a_{n+1}-c$ を因数分解する。
最後に、その式から $|a_n-c|$ が等比的に $0$ に近づくことを示せばよい。
解法1
まず
$$ c=1-\sqrt{1-b} $$
より、$0\le b<1$ だから $0\le \sqrt{1-b}\le 1$ であり、
$$ 0\le c<1 $$
が成り立つ。
また
$$ 1-c=\sqrt{1-b} $$
であるから、両辺を2乗して
$$ (1-c)^2=1-b $$
すなわち
$$ 1-2c+c^2=1-b $$
となる。よって
$$ c^2+b=2c $$
を得る。
(1) $0\le a_n\le 1$ を示す
数学的帰納法で示す。
初項については、条件より
$$ 0\le a_1=a\le 1 $$
である。
次に、ある $n$ で
$$ 0\le a_n\le 1 $$
と仮定する。このとき
$$ 0\le a_n^2\le 1 $$
であり、さらに $0\le b<1$ だから
$$ 0\le a_n^2+b<2 $$
となる。したがって
$$ 0\le a_{n+1}=\frac{1}{2}(a_n^2+b)<1 $$
である。特に
$$ 0\le a_{n+1}\le 1 $$
が成り立つ。
以上より、すべての自然数 $n$ に対して
$$ 0\le a_n\le 1 $$
である。
(2) $a_{n+1}-c=\dfrac{1}{2}(a_n+c)(a_n-c)$ を示す
漸化式より
$$ a_{n+1}-c=\frac{1}{2}(a_n^2+b)-c $$
である。ここで先に示した
$$ c^2+b=2c $$
を用いると
$$ b-2c=-c^2 $$
だから、
$$ a_{n+1}-c =\frac{1}{2}(a_n^2+b-2c) =\frac{1}{2}(a_n^2-c^2) $$
となる。よって
$$ a_{n+1}-c=\frac{1}{2}(a_n+c)(a_n-c) $$
が成り立つ。
(3) $\lim\limits_{n\to\infty}a_n=c$ を示す
(2) より
$$ a_{n+1}-c=\frac{1}{2}(a_n+c)(a_n-c) $$
であるから、絶対値をとると
$$ |a_{n+1}-c| =\frac{1}{2}(a_n+c)|a_n-c| $$
となる。
ここで (1) と $0\le c<1$ より
$$ 0\le a_n\le 1 $$
だから
$$ 0\le \frac{a_n+c}{2}\le \frac{1+c}{2}<1 $$
である。したがって
$$ |a_{n+1}-c| \le \frac{1+c}{2}|a_n-c| $$
を得る。
これを繰り返すと
$$ |a_n-c| \le \left(\frac{1+c}{2}\right)^{n-1}|a_1-c| $$
となる。
ところが
$$ 0\le \frac{1+c}{2}<1 $$
であるから、
$$ \left(\frac{1+c}{2}\right)^{n-1}\to 0 \qquad (n\to\infty) $$
である。よって
$$ |a_n-c|\to 0 $$
すなわち
$$ a_n\to c $$
である。
したがって
$$ \lim_{n\to\infty}a_n=c $$
が成り立つ。
解説
この問題の要点は、不動点に注目することである。極限値 $L$ が存在するとすれば
$$ L=\frac{1}{2}(L^2+b) $$
を満たすはずであり、これは
$$ L^2-2L+b=0 $$
と変形できる。その解の一つが
$$ c=1-\sqrt{1-b} $$
である。
(2) の式変形は、この不動点 $c$ を用いて $a_{n+1}-c$ を因数分解したものであり、(3) ではそれが縮小写像の形
$$ |a_{n+1}-c|\le r|a_n-c| \qquad \left(0\le r<1\right) $$
になっていることを見抜くのが重要である。
答え
**(1)**
すべての自然数 $n$ に対して
$$ 0\le a_n\le 1 $$
である。
**(2)**
$$ a_{n+1}-c=\frac{1}{2}(a_n+c)(a_n-c) $$
が成り立つ。
**(3)**
$$ \lim_{n\to\infty}a_n=c=1-\sqrt{1-b} $$
である。