基礎問題集
数学3 極限「はさみうち」の問題2 解説
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解説
方針・初手
和 $S_n=\sum_{k=1}^n k^7$ は,高次のべきの和であるから,単調増加関数 $f(x)=x^7$ の定積分ではさみうつと評価しやすい。
また,$T_n=\sum_{k=1}^n k^3$ は公式
$$ T_n=\left(\frac{n(n+1)}{2}\right)^2 $$
が使えるので,これと (1) の評価を組み合わせれば極限が分かる。
解法1
**(1)**
関数 $f(x)=x^7$ は $x\geqq 0$ で単調増加する。
したがって,各整数 $k=1,2,\dots,n$ に対して,区間 $[k-1,k]$ では $x\leqq k$ であるから
$$ x^7\leqq k^7 $$
であり,しかも等号は区間全体では成り立たないので
$$ \int_{k-1}^{k} x^7,dx<k^7 $$
となる。
同様に,区間 $[k,k+1]$ では $x\geqq k$ であるから
$$ k^7\leqq x^7 $$
であり,やはり区間全体では等号は成り立たないので
$$ k^7<\int_k^{k+1} x^7,dx $$
となる。
以上を $k=1,2,\dots,n$ について足し合わせると,
$$ \sum_{k=1}^n \int_{k-1}^{k} x^7,dx < \sum_{k=1}^n k^7 < \sum_{k=1}^n \int_k^{k+1} x^7,dx $$
すなわち
$$ \int_0^n x^7,dx < S_n < \int_1^{n+1} x^7,dx $$
を得る。
これを計算すると,
$$ \frac{n^8}{8} < S_n < \frac{(n+1)^8-1}{8} $$
となり,示された。
**(2)**
まず,
$$ T_n=\sum_{k=1}^n k^3=\left(\frac{n(n+1)}{2}\right)^2 $$
である。
一方,(1) より
$$ S_n>\frac{n^8}{8} $$
であるから,
$$ \begin{aligned} \frac{S_n}{T_n} &> \frac{n^8/8}{\left(\frac{n(n+1)}{2}\right)^2}\\ &= \frac{n^8}{8}\cdot \frac{4}{n^2(n+1)^2}\\ &= \frac{n^6}{2(n+1)^2} \end{aligned} $$
ここで
$$ \begin{aligned} \frac{n^6}{2(n+1)^2} &= \frac{n^4}{2\left(1+\frac{1}{n}\right)^2} \to \infty \qquad (n\to\infty) \end{aligned} $$
であるから,はさみうちではなく下からの評価だけで十分に
$$ \frac{S_n}{T_n}\to\infty $$
と分かる。
解説
この問題の要点は,和をそのまま計算しようとしないことである。
$S_n$ の厳密な公式を求めるのは重いが,$x^7$ が単調増加であることを使えば,長方形の面積と定積分の比較によって簡潔に評価できる。これが (1) の本質である。
(2) では,$S_n$ の増え方が $n^8$ 程度,$T_n$ の増え方が $n^4$ 程度であることを見抜けばよい。したがって比は $n^4$ 程度で発散し,極限は $\infty$ になる。
答え
**(1)**
$$ \frac{n^8}{8}<S_n<\frac{(n+1)^8-1}{8} $$
**(2)**
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{S_n}{T_n}=\infty $$