基礎問題集
数学3 極限「はさみうち」の問題3 解説
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解説
方針・初手
(1) は、$y=\dfrac{1}{x}$ が単調減少することを用いて、各区間 $[k,k+1]$ での定積分を上下からはさめばよい。
(2) は、床関数 $[x]$ に対する基本不等式
$$ x-1<[x]\leqq x $$
を $\dfrac{n}{k}$ に適用して総和を評価し、(1) で得た調和級数と $\log n$ の比較を使えば極限が出る。
解法1
**(1)**
関数 $f(x)=\dfrac{1}{x}$ は $x>0$ で単調減少である。
したがって、各整数 $k=1,2,\dots,n-1$ に対して、区間 $[k,k+1]$ 上では
$$ \frac{1}{k+1}<\frac{1}{x}<\frac{1}{k} $$
が成り立つ。
これを $x=k$ から $x=k+1$ まで積分すると、
$$ \frac{1}{k+1}<\int_k^{k+1}\frac{1}{x},dx<\frac{1}{k} $$
を得る。
これを $k=1,2,\dots,n-1$ について足し合わせると、
$$ \sum_{k=1}^{n-1}\frac{1}{k+1} < \int_1^n\frac{1}{x},dx < \sum_{k=1}^{n-1}\frac{1}{k} $$
となる。
ここで
$$ \int_1^n\frac{1}{x},dx=\log n $$
であるから、
$$ \frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+\cdots+\frac{1}{n} < \log n < 1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\cdots+\frac{1}{n-1} $$
が示された。
**(2)**
$$ a_n=\sum_{k=1}^n\left[\frac{n}{k}\right] $$
とおく。
床関数の性質より、任意の実数 $x$ に対して
$$ x-1<[x]\leqq x $$
である。これを $x=\dfrac{n}{k}$ に適用すると、
$$ \frac{n}{k}-1<\left[\frac{n}{k}\right]\leqq \frac{n}{k} $$
となる。
これを $k=1,2,\dots,n$ について足し合わせると、
$$ \sum_{k=1}^n\left(\frac{n}{k}-1\right) < a_n \leqq \sum_{k=1}^n\frac{n}{k} $$
すなわち、
$$ n\sum_{k=1}^n\frac{1}{k}-n < a_n \leqq n\sum_{k=1}^n\frac{1}{k} $$
を得る。
ここで
$$ H_n=\sum_{k=1}^n\frac{1}{k} $$
とおけば、
$$ nH_n-n<a_n\leqq nH_n $$
である。$n\geqq 2$ なので $\log n>0$ であり、$n\log n$ で割ることができるから、
$$ \frac{H_n}{\log n}-\frac{1}{\log n} < \frac{a_n}{n\log n} \leqq \frac{H_n}{\log n} $$
となる。
ここで (1) の結果を用いる。
まず、
$$ \frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\cdots+\frac{1}{n}<\log n $$
より、
$$ H_n=1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\cdots+\frac{1}{n}<1+\log n $$
である。したがって、
$$ \frac{H_n}{\log n}<1+\frac{1}{\log n} $$
を得る。
また、
$$ \log n<1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\cdots+\frac{1}{n-1}<H_n $$
であるから、
$$ 1<\frac{H_n}{\log n} $$
となる。
以上より、
$$ 1-\frac{1}{\log n} < \frac{a_n}{n\log n} < 1+\frac{1}{\log n} $$
が成り立つ。
$n\to\infty$ のとき $\dfrac{1}{\log n}\to 0$ であるから、はさみうちの原理により
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{a_n}{n\log n}=1 $$
である。
解説
(1) の本質は、$\dfrac{1}{x}$ が減少関数であるため、各区間 $[k,k+1]$ で長方形の面積と積分値を比較できる点にある。これは調和級数と対数の関係を示す典型手法である。
(2) では、床関数をそのまま扱おうとすると複雑になるが、$[x]$ を $x$ と $x-1$ ではさむと総和全体がすぐ評価できる。そこで現れる $\sum \dfrac{1}{k}$ が (1) によって $\log n$ と同程度であると分かるので、極限が決まるのである。
答え
**(1)**
$$ \frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\frac{1}{4}+\cdots+\frac{1}{n} < \log n < 1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\cdots+\frac{1}{n-1} $$
**(2)**
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{a_n}{n\log n}=1 $$