基礎問題集
数学3 極限「はさみうち」の問題9 解説
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解説
方針・初手
(1) は,それぞれの差を関数としておき,微分して単調性を調べれば示せる。
(2) は
$$ y=\frac{1}{\log(1+x)}-\frac{1}{x} $$
を関数とみて単調性と極限を調べる。特に (1) の右側の不等式は $y$ の減少性に,左側の不等式は $x\to 0^+$ での極限にそのまま使える。
解法1
**(1)**
まず
$$ f(x)=\log(1+x)-x+\frac{x^2}{2} $$
とおくと,
$$ f'(x)=\frac{1}{1+x}-1+x =\frac{1-(1+x)+x(1+x)}{1+x} =\frac{x^2}{1+x}>0 \qquad (x>0) $$
である。しかも $f(0)=0$ であるから,$x>0$ で $f(x)>0$ となる。したがって
$$ x-\frac{x^2}{2}<\log(1+x) $$
が成り立つ。
次に
$$ g(x)=\frac{x}{\sqrt{1+x}}-\log(1+x) $$
とおくと,
$$ g'(x)=\frac{x+2}{2(1+x)^{3/2}}-\frac{1}{1+x} =\frac{x+2-2\sqrt{1+x}}{2(1+x)^{3/2}} =\frac{(\sqrt{1+x}-1)^2}{2(1+x)^{3/2}}>0 \qquad (x>0) $$
である。しかも $g(0)=0$ であるから,$x>0$ で $g(x)>0$ となる。よって
$$ \log(1+x)<\frac{x}{\sqrt{1+x}} $$
が成り立つ。
以上より,
$$ x-\frac{x^2}{2}<\log(1+x)<\frac{x}{\sqrt{1+x}} \qquad (x>0) $$
である。
**(2)**
$$ y=\frac{1}{\log(1+x)}-\frac{1}{x} $$
とおく。
まず (1) の右側の不等式より
$$ \log(1+x)<x $$
であるから,
$$ \frac{1}{\log(1+x)}>\frac{1}{x} $$
となり,
$$ y>0 $$
である。
次に単調性を調べる。微分すると
$$ y'=-\frac{1}{(1+x)(\log(1+x))^2}+\frac{1}{x^2} $$
である。
ここで (1) の右側の不等式
$$ \log(1+x)<\frac{x}{\sqrt{1+x}} $$
を二乗すると
$$ (\log(1+x))^2<\frac{x^2}{1+x} $$
となるので,
$$ \frac{1}{(1+x)(\log(1+x))^2}>\frac{1}{x^2} $$
である。したがって
$$ y'=\frac{1}{x^2}-\frac{1}{(1+x)(\log(1+x))^2}<0 $$
となり,$y$ は $x>0$ で単調減少である。
つぎに両端での極限を調べる。
まず $x\to 0^+$ のとき,(1) より
$$ x-\frac{x^2}{2}<\log(1+x)<\frac{x}{\sqrt{1+x}} \qquad (0<x<2) $$
であるから,逆数をとって
$$ \frac{\sqrt{1+x}}{x}<\frac{1}{\log(1+x)}<\frac{1}{x\left(1-\frac{x}{2}\right)} $$
となる。ここから $\frac{1}{x}$ を引くと
$$ \frac{\sqrt{1+x}-1}{x}<y<\frac{1}{x\left(1-\frac{x}{2}\right)}-\frac{1}{x}. $$
左辺は
$$ \frac{\sqrt{1+x}-1}{x} =\frac{1}{\sqrt{1+x}+1}, $$
右辺は
$$ \frac{1}{x\left(1-\frac{x}{2}\right)}-\frac{1}{x} =\frac{1}{2-x} $$
であるから,
$$ \frac{1}{\sqrt{1+x}+1}<y<\frac{1}{2-x}. $$
$x\to 0^+$ とすると両端はいずれも $\frac12$ に収束するので,
$$ \lim_{x\to 0^+}y=\frac12 $$
である。
また $x\to \infty$ のときは,$y>0$ かつ
$$ y=\frac{1}{\log(1+x)}-\frac{1}{x}<\frac{1}{\log(1+x)} $$
であり,$\log(1+x)\to\infty$ だから
$$ \lim_{x\to\infty}y=0 $$
である。
以上より,$y$ は $x>0$ で単調減少し,
$$ \lim_{x\to 0^+}y=\frac12,\qquad \lim_{x\to\infty}y=0 $$
であるから,$y$ のとりうる値の範囲は
$$ 0<y<\frac12 $$
である。
解説
この問題の要点は,不等式そのものを直接いじるよりも,差を関数としておいて微分することである。
(1) の右側の不等式は,(2) で導関数の符号を決めるために重要である。実際,
$$ \log(1+x)<\frac{x}{\sqrt{1+x}} $$
から
$$ (1+x)(\log(1+x))^2<x^2 $$
が出て,これがそのまま $y'<0$ を与える。
また (1) の左側の不等式は,$x\to 0^+$ のときの $\log(1+x)$ の近似として働き,$y\to \frac12$ をはさみうちで処理できる。(1) で得た評価を (2) に再利用するのがこの問題の狙いである。
答え
**(1)**
$$ x-\frac{x^2}{2}<\log(1+x)<\frac{x}{\sqrt{1+x}} \qquad (x>0) $$
**(2)**
$$ 0<y<\frac12 $$
すなわち,
$$ y=\frac{1}{\log(1+x)}-\frac{1}{x} \qquad (x>0) $$
のとりうる値の範囲は
$$ \left(0,\frac12\right) $$
である。