基礎問題集
数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題9 解説
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解説
方針・初手
共有点の $x$ 座標を $t$ とおき、まず「点が共通である条件」と「接線の傾きが等しい条件」を立てる。
双曲線 $xy=1$ は $y=\dfrac{1}{x}$ と見ればよい。曲線 $y=ax(1-x)^{2n}$ との共有点で接線が一致するためには、同じ $x=t$ において関数値と微分係数がともに一致すればよい。
解法1
共有点の $x$ 座標を $t$ とする。双曲線は $y=\dfrac{1}{x}$ であるから、$t\neq 0$ であり、共有点である条件は
$$ at(1-t)^{2n}=\frac{1}{t}
$$
である。したがって
$$ a(1-t)^{2n}=\frac{1}{t^2}
$$
を得る。
次に、接線の傾きが等しい条件を考える。双曲線 $y=\dfrac{1}{x}$ の微分係数は
$$ -\frac{1}{x^2}
$$
である。
一方、
$$ y=ax(1-x)^{2n}
$$
を微分すると、
$$ \begin{aligned} y' &=a(1-x)^{2n}+ax\cdot 2n(1-x)^{2n-1}(-1)\\ &=a(1-x)^{2n-1}{(1-x)-2nx}\\ &=a(1-x)^{2n-1}{1-(2n+1)x} \end{aligned}
$$
となる。
よって、$x=t$ において傾きが等しい条件は
$$ a(1-t)^{2n-1}{1-(2n+1)t}=-\frac{1}{t^2}
$$
である。
ここで、共有点の条件
$$ a(1-t)^{2n}=\frac{1}{t^2}
$$
を用いる。ただし $t=1$ なら左辺の曲線の値は $0$ となり、双曲線上の点にはならないので、$t\neq 1$ である。したがって割り算してよい。
$$ \frac{1-(2n+1)t}{1-t}=-1
$$
これを解くと、
$$ 1-(2n+1)t=-1+t
$$
より、
$$ 2=(2n+2)t
$$
したがって
$$ t=\frac{1}{n+1}
$$
である。
これを共有点の条件
$$ a(1-t)^{2n}=\frac{1}{t^2}
$$
に代入する。
$$ 1-t=1-\frac{1}{n+1}=\frac{n}{n+1}
$$
また、
$$ \frac{1}{t^2}=(n+1)^2
$$
であるから、
$$ a\left(\frac{n}{n+1}\right)^{2n}=(n+1)^2
$$
よって
$$ a=(n+1)^2\left(\frac{n+1}{n}\right)^{2n}
$$
すなわち
$$ a=(n+1)^2\left(1+\frac{1}{n}\right)^{2n}
$$
である。
次に面積 $S_n$ を求める。$a>0$ であり、曲線 $y=ax(1-x)^{2n}$ は $x=0,1$ で $x$ 軸と交わる。$0\leq x\leq 1$ では $x\geq 0$ かつ $(1-x)^{2n}\geq 0$ であるから、曲線は $x$ 軸の上側にある。
したがって、求める面積は
$$ S_n=\int_0^1 ax(1-x)^{2n},dx
$$
である。
ここで
$$ \int_0^1 x(1-x)^{2n},dx
$$
を計算する。$u=1-x$ とおくと、$x=1-u$ であり、
$$ \begin{aligned} \int_0^1 x(1-x)^{2n},dx &=\int_0^1 (1-u)u^{2n},du\\ &=\int_0^1 u^{2n},du-\int_0^1 u^{2n+1},du\\ &=\frac{1}{2n+1}-\frac{1}{2n+2}\\ &=\frac{1}{(2n+1)(2n+2)} \end{aligned}
$$
となる。
よって
$$ S_n=\frac{a}{(2n+1)(2n+2)}
$$
である。先ほど求めた $a$ を代入すると、
$$ S_n=\frac{(n+1)^2\left(1+\frac{1}{n}\right)^{2n}}{(2n+1)(2n+2)}
$$
である。
ここで $2n+2=2(n+1)$ だから、
$$ S_n=\frac{n+1}{2(2n+1)}\left(1+\frac{1}{n}\right)^{2n}
$$
と変形できる。
したがって、
$$ \begin{aligned} \lim_{n\to\infty}S_n &= \lim_{n\to\infty} \frac{n+1}{2(2n+1)} \left(1+\frac{1}{n}\right)^{2n} \end{aligned} $$
である。
まず、
$$ \begin{aligned} \lim_{n\to\infty}\frac{n+1}{2(2n+1)} &= \frac{1}{4} \end{aligned} $$
また、問題文で与えられた
$$ \lim_{n\to\infty}\left(1+\frac{1}{n}\right)^n=e
$$
より、
$$ \lim_{n\to\infty}\left(1+\frac{1}{n}\right)^{2n}=e^2
$$
である。
ゆえに
$$ \lim_{n\to\infty}S_n=\frac{e^2}{4}
$$
となる。
解説
この問題の中心は、共有点における接線の一致を「関数値の一致」と「微分係数の一致」に分けて処理することである。
共有点の $x$ 座標を $t$ とおくと、関数値の一致から
$$ a(1-t)^{2n}=\frac{1}{t^2}
$$
が得られる。これを傾きの一致条件に代入して $a$ を消去すると、$t$ が先に決まる。この順序で進めると計算がかなり簡単になる。
面積の計算では、曲線と $x$ 軸で囲まれる部分が $0\leq x\leq 1$ にあることを確認してから積分する必要がある。積分自体は
$$ \int_0^1 x(1-x)^{2n},dx
$$
の形で、置換 $u=1-x$ により基本的なべき関数の積分に帰着できる。
答え
**(1)**
$$ a=(n+1)^2\left(1+\frac{1}{n}\right)^{2n}
$$
**(2)**
$$ S_n=\frac{n+1}{2(2n+1)}\left(1+\frac{1}{n}\right)^{2n}
$$
したがって、
$$ \lim_{n\to\infty}S_n=\frac{e^2}{4}
$$