基礎問題集
数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題20 解説
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解説
方針・初手
$f(x)=x(1-x)e^{-x}$ は、符号・増減・凹凸を調べれば概形が決まる。
接線が原点を通る条件は、接点を $x=a$ とおくと、接線の方程式に $(0,0)$ を代入して
$$ f(a)=a f'(a)
$$
と表せる。この条件から接点を求め、最後に曲線と直線で囲まれる部分を積分で求める。
解法1
まず
$$ f(x)=x(1-x)e^{-x}
$$
であるから、零点は
$$ x=0,\quad x=1
$$
である。
微分すると
$$ \begin{aligned} f'(x) &=(x-x^2)'e^{-x}+(x-x^2)(e^{-x})'\\ &=(1-2x)e^{-x}-(x-x^2)e^{-x}\\ &=(x^2-3x+1)e^{-x} \end{aligned}
$$
となる。
$e^{-x}>0$ であるから、$f'(x)$ の符号は $x^2-3x+1$ の符号で決まる。
$$ x^2-3x+1=0
$$
の解は
$$ x=\frac{3-\sqrt5}{2},\quad \frac{3+\sqrt5}{2}
$$
である。よって、増減は
$$ \begin{cases} \text{増加} & \left(-\infty,\dfrac{3-\sqrt5}{2}\right),\\ \text{減少} & \left(\dfrac{3-\sqrt5}{2},\dfrac{3+\sqrt5}{2}\right),\\ \text{増加} & \left(\dfrac{3+\sqrt5}{2},\infty\right) \end{cases}
$$
となる。
次に凹凸を調べる。再び微分すると
$$ \begin{aligned} f''(x) &={(x^2-3x+1)e^{-x}}'\\ &=(2x-3)e^{-x}-(x^2-3x+1)e^{-x}\\ &=(-x^2+5x-4)e^{-x}\\ &=-(x-1)(x-4)e^{-x} \end{aligned}
$$
である。
$e^{-x}>0$ より、$f''(x)$ の符号は $-(x-1)(x-4)$ の符号で決まる。したがって
$$ \begin{cases} f''(x)<0 & (x<1),\\ f''(x)>0 & (1<x<4),\\ f''(x)<0 & (x>4) \end{cases}
$$
である。
よって、$C$ は
$$ (-\infty,1),\ (4,\infty)
$$
で上に凸、
$$ (1,4)
$$
で下に凸である。また、変曲点は
$$ (1,0),\quad \left(4,-12e^{-4}\right)
$$
である。
ここで、$x\to \infty$ のとき $f(x)\to 0$ を用いてよいので、右側では $x$ 軸に下から近づく。また、$x\to -\infty$ のときは $x(1-x)\to -\infty$ かつ $e^{-x}\to \infty$ であるから、$f(x)\to -\infty$ である。
以上より、$C$ は原点と $(1,0)$ を通り、$0<x<1$ で $x$ 軸の上側、$x<0$ および $x>1$ で $x$ 軸の下側にある。さらに
$$ x=\frac{3-\sqrt5}{2}
$$
で極大、
$$ x=\frac{3+\sqrt5}{2}
$$
で極小をとる。
次に、原点を通り、原点以外の点で $C$ に接する直線を求める。接点の $x$ 座標を $a$ とすると、$a\neq 0$ であり、接線は
$$ y=f(a)+f'(a)(x-a)
$$
である。
この直線が原点を通るから、
$$ 0=f(a)-a f'(a)
$$
すなわち
$$ f(a)=a f'(a)
$$
である。
ここに
$$ f(a)=a(1-a)e^{-a},\quad f'(a)=(a^2-3a+1)e^{-a}
$$
を代入する。$a\neq 0$ かつ $e^{-a}>0$ なので、
$$ a(1-a)e^{-a}=a(a^2-3a+1)e^{-a}
$$
より
$$ 1-a=a^2-3a+1
$$
となる。したがって
$$ a^2-2a=0
$$
であり、
$$ a=0,\quad 2
$$
を得る。$a\neq 0$ だから
$$ a=2
$$
である。
接点は
$$ \left(2,f(2)\right)=\left(2,-2e^{-2}\right)
$$
であり、接線の傾きは
$$ f'(2)=(4-6+1)e^{-2}=-e^{-2}
$$
である。よって接線 $l$ は
$$ y+2e^{-2}=-e^{-2}(x-2)
$$
すなわち
$$ l:y=-e^{-2}x
$$
である。
次に、$C$ と $l$ の交点を調べる。
$$ x(1-x)e^{-x}=-xe^{-2}
$$
より
$$ x{(1-x)e^{-x}+e^{-2}}=0
$$
である。したがって $x=0$ は交点である。
$x\neq 0$ のとき、
$$ (1-x)e^{-x}+e^{-2}=0
$$
すなわち
$$ (x-1)e^{-x}=e^{-2}
$$
である。$t=x-1$ とおくと
$$ te^{-t}=e^{-1}
$$
となる。関数 $te^{-t}$ は $t>0$ で $t=1$ のとき最大値 $e^{-1}$ をとるので、この方程式の解は
$$ t=1
$$
のみである。よって
$$ x=2
$$
である。
したがって、$C$ と $l$ は $x=0$ と $x=2$ で接し、囲まれる部分は $0\leqq x\leqq 2$ にある。
この区間で曲線 $C$ は直線 $l$ の上側にあるので、求める面積を $S$ とすると
$$ S=\int_0^2{f(x)-(-e^{-2}x)},dx
$$
である。すなわち
$$ S=\int_0^2\left\{x(1-x)e^{-x}+xe^{-2}\right\},dx
$$
である。
まず
$$ \int (x-x^2)e^{-x},dx=(x^2+x+1)e^{-x}
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} \int_0^2 x(1-x)e^{-x},dx &= \left[(x^2+x+1)e^{-x}\right]_0^2 \\ 7e^{-2}-1 \end{aligned} $$
である。また、
$$ \begin{aligned} \int_0^2 xe^{-2},dx &= e^{-2}\left[\frac{x^2}{2}\right]_0^2 \\ 2e^{-2} \end{aligned} $$
である。
したがって
$$ S=(7e^{-2}-1)+2e^{-2}=9e^{-2}-1
$$
である。
解説
この問題の前半は、増減と凹凸を正確に調べる標準問題である。特に $e^{-x}>0$ なので、$f'(x)$ や $f''(x)$ の符号は多項式部分だけで決まる。
後半の接線条件では、接点を $a$ とおき、原点を通る条件を
$$ f(a)=a f'(a)
$$
に変換するのが要点である。これにより接点が $a=2$ と一意に決まる。
面積計算では、曲線と接線の交点が $x=0,2$ のみであることを確認してから積分する必要がある。接しているからといって、囲まれる範囲を確認せずに積分すると、区間の取り違えが起こりやすい。
答え
**(1)**
$C$ は $x=0,1$ で $x$ 軸と交わる。
増減は
$$ \begin{cases} \text{増加} & \left(-\infty,\dfrac{3-\sqrt5}{2}\right),\\ \text{減少} & \left(\dfrac{3-\sqrt5}{2},\dfrac{3+\sqrt5}{2}\right),\\ \text{増加} & \left(\dfrac{3+\sqrt5}{2},\infty\right) \end{cases}
$$
である。
凹凸は
$$ \begin{cases} \text{上に凸} & (-\infty,1),\ (4,\infty),\\ \text{下に凸} & (1,4) \end{cases}
$$
であり、変曲点は
$$ (1,0),\quad \left(4,-12e^{-4}\right)
$$
である。
**(2)**
接線は
$$ l:y=-e^{-2}x
$$
である。
$C$ と $l$ で囲まれる図形の面積は
$$ 9e^{-2}-1
$$
である。