基礎問題集
数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題22 解説
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解説
方針・初手
共通の接線をもつ点 $P$ の $x$ 座標を $t$ とするので、点 $P$ は両曲線上にあり、さらにその点での微分係数が等しい。したがって、まず
$$ t^n=a\log t,\qquad nt^{n-1}=\frac{a}{t}
$$
を立てる。
面積は、$t>1$ が分かってから、$S_1$ は $0\le x\le t$、$S_2$ は $1\le x\le t$ の定積分として求める。最後の極限では、与えられた不等式を $x=\dfrac1n$ に適用する。
解法1
点 $P$ の $x$ 座標を $t$ とする。曲線 $y=x^n$ と曲線 $y=a\log x$ が点 $P$ で交わるので、
$$ t^n=a\log t
$$
である。また、両曲線が点 $P$ で共通の接線をもつから、微分係数も等しい。
$$ nt^{n-1}=\frac{a}{t}
$$
したがって、
$$ a=nt^n
$$
である。これを $t^n=a\log t$ に代入すると、
$$ t^n=nt^n\log t
$$
となる。$t>0$ より $t^n>0$ だから、
$$ 1=n\log t
$$
すなわち
$$ \log t=\frac1n
$$
である。よって、
$$ t=e^{1/n}
$$
であり、
$$ a=nt^n=n\left(e^{1/n}\right)^n=ne
$$
を得る。
次に面積を求める。まず、
$$ S_1=\int_0^t x^n,dx=\left[\frac{x^{n+1}}{n+1}\right]_0^t=\frac{t^{n+1}}{n+1}
$$
である。
一方、$t=e^{1/n}>1$ であり、$a\log x$ は $x=1$ で $x$ 軸と交わる。したがって、
$$ S_2=\int_1^t a\log x,dx
$$
である。部分積分、または $\int \log x,dx=x\log x-x$ より、
$$ S_2=a\left[x\log x-x\right]_1^t
$$
となるから、
$$ S_2=a(t\log t-t+1)
$$
である。ここで $a=nt^n,\ \log t=\dfrac1n$ を用いると、
$$ S_2=nt^n\left(\frac{t}{n}-t+1\right)
$$
である。よって、
$$ \begin{aligned} \frac{S_2}{S_1} &= \frac{nt^n\left(\frac{t}{n}-t+1\right)}{\frac{t^{n+1}}{n+1}} \end{aligned} $$
となる。整理すると、
$$ \begin{aligned} \frac{S_2}{S_1} &= (n+1)\left(1-n+\frac{n}{t}\right) \end{aligned} $$
であり、$t=e^{1/n}$ だから、
$$ \begin{aligned} \frac{S_2}{S_1} &= (n+1)\left(ne^{-1/n}-n+1\right) \end{aligned} $$
である。
次に、$x\geqq 0$ における不等式を示す。
**(a)**
$$ e^{-x}+x-1\leqq \frac{x^2}{2}
$$
を示す。関数
$$ f(x)=\frac{x^2}{2}-e^{-x}-x+1
$$
を考える。このとき、
$$ f(0)=0
$$
であり、
$$ f'(x)=x+e^{-x}-1
$$
である。さらに、
$$ f''(x)=1-e^{-x}
$$
である。$x\geqq 0$ では $e^{-x}\leqq 1$ だから、
$$ f''(x)\geqq 0
$$
である。よって $f'(x)$ は $x\geqq 0$ で単調増加する。しかも
$$ f'(0)=0
$$
だから、
$$ f'(x)\geqq 0
$$
である。したがって $f(x)$ も $x\geqq 0$ で単調増加し、$f(0)=0$ より
$$ f(x)\geqq 0
$$
である。ゆえに、
$$ e^{-x}+x-1\leqq \frac{x^2}{2}
$$
が成り立つ。
**(b)**
$$ \frac{x^2}{2}-\frac{x^3}{6}\leqq e^{-x}+x-1
$$
を示す。関数
$$ g(x)=e^{-x}+x-1-\frac{x^2}{2}+\frac{x^3}{6}
$$
を考える。このとき、
$$ g(0)=0
$$
である。また、
$$ g'(x)=-e^{-x}+1-x+\frac{x^2}{2}
$$
$$ g''(x)=e^{-x}-1+x
$$
$$ g'''(x)=-e^{-x}+1
$$
である。$x\geqq 0$ では $e^{-x}\leqq 1$ より、
$$ g'''(x)\geqq 0
$$
である。したがって $g''(x)$ は $x\geqq 0$ で単調増加する。さらに
$$ g''(0)=0
$$
だから、
$$ g''(x)\geqq 0
$$
である。よって $g'(x)$ は $x\geqq 0$ で単調増加する。しかも
$$ g'(0)=0
$$
だから、
$$ g'(x)\geqq 0
$$
である。したがって $g(x)$ は $x\geqq 0$ で単調増加し、$g(0)=0$ より
$$ g(x)\geqq 0
$$
である。ゆえに、
$$ \frac{x^2}{2}-\frac{x^3}{6}\leqq e^{-x}+x-1
$$
が成り立つ。
以上より、
$$ \frac{x^2}{2}-\frac{x^3}{6}\leqq e^{-x}+x-1\leqq \frac{x^2}{2}
$$
が成り立つ。
最後に、極限を求める。先に得た
$$ \begin{aligned} \frac{S_2}{S_1} &= (n+1)\left(ne^{-1/n}-n+1\right) \end{aligned} $$
を変形する。
$$ \begin{aligned} \frac{S_2}{S_1} &= n(n+1)\left(e^{-1/n}+\frac1n-1\right) \end{aligned} $$
ここで、(3) の不等式に $x=\dfrac1n$ を代入すると、
$$ \frac{1}{2n^2}-\frac{1}{6n^3} \leqq e^{-1/n}+\frac1n-1 \leqq \frac{1}{2n^2}
$$
である。各辺に正の数 $n(n+1)$ を掛けると、
$$ \frac{n+1}{2n}-\frac{n+1}{6n^2} \leqq \frac{S_2}{S_1} \leqq \frac{n+1}{2n}
$$
となる。ここで、
$$ \lim_{n\to\infty}\left(\frac{n+1}{2n}-\frac{n+1}{6n^2}\right)=\frac12
$$
かつ
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{n+1}{2n}=\frac12
$$
である。はさみうちの原理より、
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{S_2}{S_1}=\frac12
$$
である。
解説
共通接線の問題では、「同じ点を通る」だけでなく「その点での傾きが等しい」ことを式にするのが初手である。今回なら、値の一致
$$ t^n=a\log t
$$
と、微分係数の一致
$$ nt^{n-1}=\frac{a}{t}
$$
を同時に使う。
また、$S_2$ の積分範囲に注意する必要がある。$a\log x$ は $x=1$ で $x$ 軸と交わり、$t=e^{1/n}>1$ であるから、$S_2$ は $0$ から $t$ ではなく、$1$ から $t$ までの面積である。
極限では、単に指数関数の展開を使うのではなく、(3) で示した不等式を $x=\dfrac1n$ に代入して評価するのが問題の流れに沿った処理である。
答え
**(1)**
$$ t=e^{1/n},\qquad a=ne
$$
**(2)**
$$ \begin{aligned} \frac{S_2}{S_1} &= (n+1)\left(ne^{-1/n}-n+1\right) \end{aligned} $$
**(3)**
$x\geqq 0$ において、
$$ \frac{x^2}{2}-\frac{x^3}{6}\leqq e^{-x}+x-1\leqq \frac{x^2}{2}
$$
が成り立つ。
**(4)**
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{S_2}{S_1}=\frac12
$$