基礎問題集
数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題25 解説
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解説
方針・初手
接線の方程式は、$y=\log x$ の微分係数を用いて求める。
面積は、接線が曲線 $y=\log x$ の上側にあることを確認したうえで、$x=1$ から $x=e$ まで「接線の高さ $-$ 曲線の高さ」を積分すればよい。
解法1
$y=\log x$ とおくと、
$$ y'=\frac{1}{x}
$$
である。点 $(t,\log t)$ における接線 $\ell$ の傾きは $\frac{1}{t}$ であるから、接線 $\ell$ の方程式は
$$ y-\log t=\frac{1}{t}(x-t)
$$
すなわち
$$ \ell:\ y=\frac{x}{t}+\log t-1
$$
である。
次に、$1\leqq t\leqq e$ とする。接線と曲線の上下関係を確認するため、
$$ h(x)=\left(\frac{x}{t}+\log t-1\right)-\log x
$$
とおく。すると
$$ h'(x)=\frac{1}{t}-\frac{1}{x}=\frac{x-t}{tx}
$$
である。
したがって、$h(x)$ は $0<x<t$ で減少し、$x>t$ で増加する。また、
$$ h(t)=\frac{t}{t}+\log t-1-\log t=0
$$
であるから、すべての $x>0$ に対して $h(x)\geqq 0$ である。よって、接線 $\ell$ は曲線 $y=\log x$ の上側にある。
したがって、求める面積 $S(t)$ は
$$ S(t)=\int_1^e \left\{\frac{x}{t}+\log t-1-\log x\right\},dx
$$
である。各項を計算すると、
$$ \int_1^e \frac{x}{t},dx=\frac{e^2-1}{2t}
$$
また、
$$ \int_1^e(\log t-1),dx=(e-1)(\log t-1)
$$
さらに、
$$ \begin{aligned} \int_1^e \log x,dx &= \left[x\log x-x\right]_1^e \\ (e-e)-(-1) \\ 1 \end{aligned} $$
である。よって
$$ \begin{aligned} S(t) &=\frac{e^2-1}{2t}+(e-1)(\log t-1)-1\\ &=\frac{e^2-1}{2t}+(e-1)\log t-e \end{aligned}
$$
を得る。
最後に、$1\leqq t\leqq e$ における $S(t)$ の最小値を求める。
$$ \begin{aligned} S'(t) &= -\frac{e^2-1}{2t^2}+\frac{e-1}{t} \end{aligned} $$
である。これを整理すると、
$$ \begin{aligned} S'(t) &= \frac{e-1}{t}-\frac{(e-1)(e+1)}{2t^2}\\ &= \frac{(e-1){2t-(e+1)}}{2t^2} \end{aligned}
$$
となる。
$1\leqq t\leqq e$ において、$e-1>0,\ t^2>0$ であるから、$S'(t)$ の符号は $2t-(e+1)$ の符号で決まる。したがって、
$$ S'(t)=0
$$
となるのは
$$ t=\frac{e+1}{2}
$$
のときである。
また、
$$ 1<\frac{e+1}{2}<e
$$
であるから、この値は範囲内にある。$S'(t)$ は
$$ 1\leqq t<\frac{e+1}{2}
$$
で負、
$$ \frac{e+1}{2}<t\leqq e
$$
で正である。よって、$S(t)$ は $t=\frac{e+1}{2}$ で最小となる。
その最小値は
$$ \begin{aligned} S\left(\frac{e+1}{2}\right) &= \frac{e^2-1}{2\cdot \frac{e+1}{2}} +(e-1)\log\frac{e+1}{2} -e\\ &= \frac{e^2-1}{e+1} +(e-1)\log\frac{e+1}{2} -e\\ &= (e-1)+(e-1)\log\frac{e+1}{2}-e\\ &= (e-1)\log\frac{e+1}{2}-1 \end{aligned}
$$
である。
解説
この問題では、$y=\log x$ が上に凸ではなく下に凸、すなわち $y''=-\frac{1}{x^2}<0$ であることから、接線が曲線の上側にくることが重要である。
ただし、面積を計算するときに上下関係を曖昧にすると符号を誤る。そこで、接線と曲線の差
$$ h(x)=\left(\frac{x}{t}+\log t-1\right)-\log x
$$
を作り、$h(x)\geqq 0$ を確認してから積分するのが安全である。
最小値については、面積 $S(t)$ を明示的に求めたあと、通常の微分による増減判定で処理すればよい。端点 $t=1,e$ だけを見るのではなく、内部の臨界点 $t=\frac{e+1}{2}$ を確認する必要がある。
答え
**(1)**
$$ \ell:\ y=\frac{x}{t}+\log t-1
$$
**(2)**
$$ S(t)=\frac{e^2-1}{2t}+(e-1)\log t-e
$$
**(3)**
$$ t=\frac{e+1}{2}
$$
のとき最小となり、最小値は
$$ (e-1)\log\frac{e+1}{2}-1
$$