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数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題27 解説
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解説
方針・初手
共有点で共通の接線をもつので、その点の $x$ 座標を $t$ とおくと、関数値と微分係数がともに一致する。まず接線条件から $t$ を求め、その後に $a$ を決定する。
面積は、$f(x)$ の $x$ 軸との交点と $g(x)$ の $x$ 軸との交点を確認し、区間ごとに上下関係を分けて積分する。
解法1
共有点 $P$ の $x$ 座標を $t$ とおく。$g(x)=\sqrt{x-1}$ より、共有点では $t\geqq 1$ である。
まず導関数は
$$ f'(x)=\frac{1}{x},\qquad g'(x)=\frac{1}{2\sqrt{x-1}}
$$
である。点 $P$ で共通の接線をもつから、傾きが等しく、
$$ \frac{1}{t}=\frac{1}{2\sqrt{t-1}}
$$
が成り立つ。よって
$$ t=2\sqrt{t-1}
$$
であり、両辺は正なので平方して
$$ t^2=4(t-1)
$$
となる。したがって
$$ t^2-4t+4=0
$$
より
$$ (t-2)^2=0
$$
であるから、
$$ t=2
$$
である。
このとき
$$ g(2)=\sqrt{2-1}=1
$$
である。共有点であるから $f(2)=g(2)$ より
$$ a+\log 2=1
$$
となる。したがって
$$ a=1-\log 2
$$
である。条件 $a>0$ についても、$\log 2<1$ なので満たしている。
よって点 $P$ の座標は
$$ P=(2,1)
$$
である。
また、接線の傾きは
$$ f'(2)=\frac{1}{2}
$$
であるから、点 $(2,1)$ を通る接線 $l$ は
$$ y-1=\frac{1}{2}(x-2)
$$
すなわち
$$ y=\frac{x}{2}
$$
である。
次に、共有点が $P$ 以外に存在しないことを示す。
$a=1-\log 2$ であるから、$x\geqq 1$ において
$$ h(x)=f(x)-g(x)=1-\log 2+\log x-\sqrt{x-1}
$$
とおく。$h(2)=0$ である。
$x>1$ において
$$ h'(x)=\frac{1}{x}-\frac{1}{2\sqrt{x-1}}
$$
である。これを変形すると
$$ h'(x)=\frac{2\sqrt{x-1}-x}{2x\sqrt{x-1}}
$$
となる。ここで $u=\sqrt{x-1}$ とおくと $x=u^2+1$ なので、分子は
$$ 2u-(u^2+1)=-(u-1)^2
$$
である。したがって
$$ h'(x)= -\frac{(\sqrt{x-1}-1)^2}{2x\sqrt{x-1}}\leqq 0
$$
であり、等号は $x=2$ のときに限る。
よって $h(x)$ は $x\geqq 1$ で単調に減少し、$h(2)=0$ であるから、
$$ 1\leqq x<2 \text{ では } h(x)>0,\qquad x>2 \text{ では } h(x)<0
$$
となる。したがって $h(x)=0$ となるのは $x=2$ のみであり、2曲線は点 $P$ 以外の共有点をもたない。
最後に、2曲線と $x$ 軸で囲まれた部分の面積を求める。
まず $f(x)$ と $x$ 軸の交点は
$$ 1-\log 2+\log x=0
$$
より
$$ \log x=\log 2-1
$$
であるから、
$$ x=\frac{2}{e}
$$
である。
また、$g(x)$ と $x$ 軸の交点は
$$ \sqrt{x-1}=0
$$
より
$$ x=1
$$
である。
囲まれる部分は、$x=\dfrac{2}{e}$ から $x=1$ までは $f(x)$ と $x$ 軸の間、$x=1$ から $x=2$ までは $f(x)$ と $g(x)$ の間である。したがって面積 $S$ は
$$ S=\int_{2/e}^{1} f(x),dx+\int_{1}^{2}{f(x)-g(x)},dx
$$
である。これはまとめて
$$ S=\int_{2/e}^{2} f(x),dx-\int_{1}^{2} g(x),dx
$$
と書ける。
まず
$$ \int f(x),dx=\int (1-\log 2+\log x),dx
$$
であるから、
$$ \int f(x),dx=x(1-\log 2)+x\log x-x=x\log\frac{x}{2}
$$
である。よって
$$ \begin{aligned} \int_{2/e}^{2} f(x),dx &= \left[x\log\frac{x}{2}\right]_{2/e}^{2} \end{aligned} $$
である。これを計算すると
$$ \begin{aligned} \left[x\log\frac{x}{2}\right]_{2/e}^{2} &= 2\log 1-\frac{2}{e}\log\frac{1}{e} \\ 0-\frac{2}{e}(-1) \\ \frac{2}{e} \end{aligned} $$
である。
また
$$ \begin{aligned} \int_{1}^{2} g(x),dx &= \int_{1}^{2}\sqrt{x-1},dx \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} \int_{1}^{2}\sqrt{x-1},dx &= \left[\frac{2}{3}(x-1)^{3/2}\right]_{1}^{2} \\ \frac{2}{3} \end{aligned} $$
である。
したがって求める面積は
$$ S=\frac{2}{e}-\frac{2}{3}
$$
である。
解説
共通接線をもつという条件は、共有点での関数値の一致と微分係数の一致を意味する。今回は微分係数の一致だけで共有点の $x$ 座標が一意に決まり、その後で $a$ が決まる。
共有点が他にないことを示すには、差
$$ h(x)=f(x)-g(x)
$$
を考えるのが自然である。導関数が
$$ h'(x)= -\frac{(\sqrt{x-1}-1)^2}{2x\sqrt{x-1}}
$$
と平方の形で表されるため、単調性から零点の一意性が分かる。
面積では、$f(x)$ と $x$ 軸の交点が $x=\dfrac{2}{e}$、$g(x)$ と $x$ 軸の交点が $x=1$ であることに注意する。囲まれた部分は一つの積分だけでは表しにくいが、
$$ \int_{2/e}^{2} f(x),dx-\int_{1}^{2} g(x),dx
$$
と見れば計算が簡潔になる。
答え
**(1)**
$$ a=1-\log 2
$$
$$ P=(2,1)
$$
$$ l:\ y=\frac{x}{2}
$$
**(2)**
2曲線の差
$$ h(x)=1-\log 2+\log x-\sqrt{x-1}
$$
について、$x>1$ で
$$ h'(x)= -\frac{(\sqrt{x-1}-1)^2}{2x\sqrt{x-1}}\leqq 0
$$
であり、$h(2)=0$ である。よって共有点は $x=2$、すなわち点 $P$ のみである。
**(3)**
$$ \frac{2}{e}-\frac{2}{3}
$$