基礎問題集
数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題28 解説
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解説
方針・初手
$S_1(u)$ と $S_2(u)$ はどちらも曲線 $y=\log x$ と直線で囲まれる面積である。まず接線と弦の方程式を求め、$\log x$ の凹性から上下関係を確認して積分する。
その後、得られた $S(u)$ を微分して、変曲点と極大値を調べる。
解法1
曲線 $C:y=\log x$ 上の点 $P(u,\log u)$ における接線の傾きは
$$ \frac{1}{u}
$$
であるから、接線の方程式は
$$ y-\log u=\frac{1}{u}(x-u)
$$
すなわち
$$ y=\frac{x}{u}+\log u-1
$$
である。
$\log x$ は上に凸であるから、接線は曲線 $C$ の上側にある。したがって
$$ S_1(u)=\int_1^u\left(\frac{x}{u}+\log u-1-\log x\right),dx
$$
である。
これを計算すると、
$$ \begin{aligned} S_1(u) &=\int_1^u\left(\frac{x}{u}+\log u-1-\log x\right),dx \\ &=\left[\frac{x^2}{2u}+x(\log u-1)-x\log x+x\right]_1^u \\ &=\frac{u^2-1}{2u}-\log u \end{aligned}
$$
となる。
次に、点 $A(1,0)$ と点 $P(u,\log u)$ を結ぶ直線の方程式は
$$ y=\frac{\log u}{u-1}(x-1)
$$
である。$\log x$ は上に凸であるから、曲線 $C$ は弦 $AP$ の上側にある。よって
$$ S_2(u)=\int_1^u\left(\log x-\frac{\log u}{u-1}(x-1)\right),dx
$$
である。
これを計算すると、
$$ \begin{aligned} S_2(u) &=\int_1^u\left(\log x-\frac{\log u}{u-1}(x-1)\right),dx \\ &=\left[x\log x-x\right]_1^u-\frac{\log u}{u-1}\left[\frac{(x-1)^2}{2}\right]_1^u \\ &=u\log u-u+1-\frac{u-1}{2}\log u \\ &=\frac{u+1}{2}\log u-u+1 \end{aligned}
$$
したがって、
$$ \begin{aligned} S(u) &=S_1(u)-S_2(u) \\ &=\left(\frac{u^2-1}{2u}-\log u\right)-\left(\frac{u+1}{2}\log u-u+1\right) \\ &=\frac{3u^2-2u-1}{2u}-\frac{u+3}{2}\log u \end{aligned}
$$
である。
すなわち
$$ S(u)=\frac{1}{2}\left(3u-2-\frac{1}{u}-(u+3)\log u\right)
$$
である。
次に、曲線 $v=S(u)$ の変曲点を求める。微分すると
$$ S'(u)=\frac{1}{2}\left(2-\log u-\frac{3}{u}+\frac{1}{u^2}\right)
$$
である。さらに
$$ \begin{aligned} S''(u) &=\frac{1}{2}\left(-\frac{1}{u}+\frac{3}{u^2}-\frac{2}{u^3}\right) \\ &=-\frac{(u-1)(u-2)}{2u^3} \end{aligned}
$$
となる。
いま $u>1$ であるから、$S''(u)$ の符号は $u=2$ を境に変わる。実際、
$$ 1<u<2 \text{ のとき } S''(u)>0,\qquad u>2 \text{ のとき } S''(u)<0
$$
である。よって曲線 $v=S(u)$ の変曲点は $u=2$ の点である。
そのとき
$$ S(2)=\frac{1}{2}\left(6-2-\frac{1}{2}-5\log 2\right) =\frac{7}{4}-\frac{5}{2}\log 2
$$
である。
したがって、変曲点は
$$ \left(2,\frac{7}{4}-\frac{5}{2}\log 2\right)
$$
である。
最後に、$S(u)$ の極大値について調べる。
先ほどの結果より
$$ S''(u)=-\frac{(u-1)(u-2)}{2u^3}
$$
であるから、$S'(u)$ は $1<u<2$ で増加し、$u>2$ で減少する。
また、
$$ \lim_{u\to 1+}S'(u)=0
$$
であり、$S'(u)$ は $1<u<2$ で増加するから
$$ S'(2)>0
$$
である。一方で、
$$ \lim_{u\to\infty}S'(u)=-\infty
$$
である。
したがって、$u>2$ において $S'(u)=0$ となる点がただ1つ存在する。その点を $\alpha$ とすると、
$$ 2-\log \alpha-\frac{3}{\alpha}+\frac{1}{\alpha^2}=0
$$
を満たし、$\alpha>2$ である。
このとき、$S(u)$ は
$$ 1<u<\alpha
$$
で増加し、
$$ u>\alpha
$$
で減少する。よって $S(u)$ は $u=\alpha$ でただ1つの極大値をもつ。
さらに、
$$ \lim_{u\to 1+}S(u)=0
$$
であり、$S(u)$ は $1<u<\alpha$ で増加するから、
$$ S(\alpha)>0
$$
である。したがって、ただ1つの極大値は正である。
解説
この問題では、接線と弦のどちらが曲線 $y=\log x$ の上側・下側にあるかを正しく判断することが重要である。
$\log x$ は上に凸なので、接線は曲線の上側にあり、弦は曲線の下側にある。この性質を使うと、面積を絶対値なしの積分として自然に立式できる。
また、$S(u)$ の極大値については、$S'(u)=0$ を直接解く必要はない。$S''(u)$ の符号変化から $S'(u)$ の増減を調べれば、極大値がただ1つであることを示せる。
答え
**(1)**
$$ S(u)=\frac{1}{2}\left(3u-2-\frac{1}{u}-(u+3)\log u\right)
$$
**(2)**
$$ \left(2,\frac{7}{4}-\frac{5}{2}\log 2\right)
$$
**(3)**
$S(u)$ は $u=\alpha$ でただ1つの極大値をもつ。ただし $\alpha>2$ は
$$ 2-\log \alpha-\frac{3}{\alpha}+\frac{1}{\alpha^2}=0
$$
を満たすただ1つの実数である。また、その極大値 $S(\alpha)$ は正である。