基礎問題集
数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題34 解説
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解説
方針・初手
各 $t$ に対して直線 $\ell_t$ が第1象限で切り取る部分は、$x$ 軸上の点 $(1-t,0)$ と $y$ 軸上の点 $(0,t)$ を結ぶ線分である。
したがって、点 $(x,y)$ がある $\ell_t$ 上にある条件を、$t$ について解ける条件として調べる。最も自然なのは、直線の式を切片形に直すことである。
解法1
直線
$$ tx+(1-t)y=t(1-t)
$$
において $0<t<1$ であるから、両辺を $t(1-t)$ で割ると
$$ \frac{x}{1-t}+\frac{y}{t}=1
$$
となる。
したがって、点 $(x,y)$ が、ある $t$ に対する $\ell_t$ の第1象限内の部分を通過するための条件は
$$ \frac{x}{1-t}+\frac{y}{t}=1
$$
を満たす $t$ が $0<t<1$ に存在することである。
ここで、$x>0,\ y>0$ を固定し、
$$ f(t)=\frac{x}{1-t}+\frac{y}{t} \quad (0<t<1)
$$
とおく。
相加相乗平均より
$$ \frac{x}{1-t}+\frac{y}{t} \geq \left(\sqrt{x}+\sqrt{y}\right)^2
$$
である。実際、等号は
$$ \begin{aligned} \frac{x}{1-t}:\frac{y}{t} &= \sqrt{x}:\sqrt{y} \end{aligned} $$
すなわち
$$ t=\frac{\sqrt{y}}{\sqrt{x}+\sqrt{y}}
$$
のときに成立する。この $t$ は $x>0,\ y>0$ のもとで確かに $0<t<1$ を満たす。
また、$t\to 0+,\ 1-$ のとき $f(t)\to \infty$ であるから、方程式 $f(t)=1$ が $0<t<1$ に解をもつための条件は
$$ \left(\sqrt{x}+\sqrt{y}\right)^2\leq 1
$$
である。
よって、求める領域は
$$ \sqrt{x}+\sqrt{y}\leq 1,\quad x>0,\quad y>0
$$
である。
境界は
$$ \sqrt{x}+\sqrt{y}=1
$$
すなわち
$$ y=(1-\sqrt{x})^2 \quad (0\leq x\leq 1)
$$
である。したがって、第1象限で通過する部分は、座標軸と曲線
$$ y=(1-\sqrt{x})^2
$$
に囲まれた部分である。
面積 $S$ は
$$ S=\int_0^1 (1-\sqrt{x})^2,dx
$$
である。これを計算すると
$$ \begin{aligned} S &=\int_0^1 \left(1-2\sqrt{x}+x\right),dx\\ &=\left[x-\frac{4}{3}x^{3/2}+\frac{1}{2}x^2\right]_0^1\\ &=1-\frac{4}{3}+\frac{1}{2}\\ &=\frac{1}{6} \end{aligned}
$$
となる。
解法2
直線の式を $t$ について整理する。
$$ tx+(1-t)y=t(1-t)
$$
より
$$ y+t(x-y)=t-t^2
$$
であるから、
$$ t^2+t(x-y-1)+y=0
$$
となる。
点 $(x,y)$ を通る直線 $\ell_t$ が存在するためには、この2次方程式が $0<t<1$ に解をもつ必要がある。
ただし、領域の境界は、2つの直線が重なるように見える包絡線で与えられる。そこで
$$ F(x,y,t)=tx+(1-t)y-t(1-t)
$$
とおく。包絡線は
$$ F(x,y,t)=0,\quad \frac{\partial F}{\partial t}=0
$$
を満たす点の軌跡である。
まず
$$ F(x,y,t)=tx+(1-t)y-t(1-t)=0
$$
であり、
$$ \begin{aligned} \frac{\partial F}{\partial t} &= x-y-1+2t \end{aligned} $$
だから、包絡線上では
$$ x-y-1+2t=0
$$
すなわち
$$ t=\frac{1-x+y}{2}
$$
である。
これを元の式に代入して整理するより、包絡線は
$$ \sqrt{x}+\sqrt{y}=1
$$
となる。
したがって、領域は第1象限内で
$$ \sqrt{x}+\sqrt{y}\leq 1
$$
を満たす部分である。
これは
$$ y=(1-\sqrt{x})^2 \quad (0\leq x\leq 1)
$$
の下側の領域であるから、面積は
$$ \begin{aligned} S &=\int_0^1 (1-\sqrt{x})^2,dx\\ &=\int_0^1 \left(1-2\sqrt{x}+x\right),dx\\ &=1-\frac{4}{3}+\frac{1}{2}\\ &=\frac{1}{6} \end{aligned}
$$
である。
解説
各直線は、$x$ 軸上の $(1-t,0)$ と $y$ 軸上の $(0,t)$ を結ぶ線分である。$t$ が $0$ から $1$ まで動くと、この線分の両端はそれぞれ軸上を動き、その通過領域は単なる三角形ではなく、曲線
$$ \sqrt{x}+\sqrt{y}=1
$$
を境界にもつ領域になる。
この問題では、直線の式を
$$ \frac{x}{1-t}+\frac{y}{t}=1
$$
と見て、固定した点 $(x,y)$ に対して適当な $t$ が存在するかを考えるのが最も処理しやすい。包絡線を使う解法も有効だが、存在条件まで丁寧に確認するには、解法1のように最小値を調べる方が安全である。
答え
通過する部分は、第1象限内で
$$ \sqrt{x}+\sqrt{y}\leq 1
$$
を満たす領域、すなわち座標軸と
$$ y=(1-\sqrt{x})^2 \quad (0\leq x\leq 1)
$$
に囲まれた部分である。
その面積は
$$ \boxed{\frac{1}{6}}
$$