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数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題37 解説

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数学3積分法接線・極限との複合問題37
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数学3 積分法 接線・極限との複合 問題37の問題画像
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解説

方針・初手

積分範囲が $x-a$ から $x+a$ までの対称な区間であるため、$\sin t$ を積分すると再び $\sin x$ の定数倍になる。この性質を利用して、$f_n(x)$ がすべて $\sin x$ の定数倍で表されることを示す。

また、最後の級数は等比級数になるので、その公比の絶対値が $1$ 未満であることを、(1) の不等式から確認する。

解法1

まず (1) を示す。

**(i)**

$0<x\leqq \pi$ のとき

$$ x-\sin x=\int_0^x(1-\cos t),dt

$$

である。$0\leqq t\leqq x\leqq \pi$ において $1-\cos t\geqq 0$ であり、区間内で常に $0$ ではないから、

$$ \int_0^x(1-\cos t),dt>0

$$

である。よって

$$ x-\sin x>0

$$

すなわち

$$ \sin x<x

$$

が成り立つ。この範囲では $\sin x\geqq 0$ なので、

$$ |\sin x|=\sin x<x

$$

である。

**(ii)**

$\pi<x\leqq 2\pi$ のとき

$$ |\sin x|\leqq 1

$$

であり、また $x>\pi>1$ であるから、

$$ |\sin x|\leqq 1<x

$$

となる。

したがって、$0<x\leqq 2\pi$ において

$$ |\sin x|<x

$$

が成り立つ。

次に (2) を求める。

定義より、

$$ f_2(x)=\frac{1}{2a}\int_{x-a}^{x+a}\sin t,dt

$$

である。これを計算すると、

$$ \begin{aligned} f_2(x) &=\frac{1}{2a}\left[-\cos t\right]_{x-a}^{x+a} \\ &=\frac{1}{2a}{-\cos(x+a)+\cos(x-a)}. \end{aligned}

$$

ここで、三角関数の公式

$$ \cos(x-a)-\cos(x+a)=2\sin x\sin a

$$

を用いると、

$$ f_2(x)=\frac{1}{2a}\cdot 2\sin x\sin a

$$

より、

$$ f_2(x)=\frac{\sin a}{a}\sin x

$$

である。

次に (3) を求める。

$$ r=\frac{\sin a}{a}

$$

とおく。(2) より、

$$ f_2(x)=r\sin x

$$

である。また $f_1(x)=\sin x$ だから、

$$ f_1(x)=r^0\sin x

$$

と書ける。

ここで、ある自然数 $k$ に対して

$$ f_k(x)=r^{k-1}\sin x

$$

が成り立つと仮定する。このとき、

$$ \begin{aligned} f_{k+1}(x) &=\frac{1}{2a}\int_{x-a}^{x+a}f_k(t),dt \\ &=\frac{1}{2a}\int_{x-a}^{x+a}r^{k-1}\sin t,dt \\ &=r^{k-1}\cdot \frac{1}{2a}\int_{x-a}^{x+a}\sin t,dt. \end{aligned}

$$

すでに求めた結果より、

$$ \frac{1}{2a}\int_{x-a}^{x+a}\sin t,dt=\frac{\sin a}{a}\sin x=r\sin x

$$

であるから、

$$ f_{k+1}(x)=r^{k-1}\cdot r\sin x=r^k\sin x

$$

となる。

よって数学的帰納法により、任意の自然数 $n$ に対して

$$ f_n(x)=\left(\frac{\sin a}{a}\right)^{n-1}\sin x

$$

である。

最後に (4) を求める。

$0<a\leqq 2\pi$ であるから、(1) より

$$ |\sin a|<a

$$

である。したがって、

$$ \left|\frac{\sin a}{a}\right|<1

$$

が成り立つ。

よって、固定した $x$ に対して

$$ \sum_{n=1}^{\infty}f_n(x) =\sum_{n=1}^{\infty}\left(\frac{\sin a}{a}\right)^{n-1}\sin x

$$

であり、これは公比 $\dfrac{\sin a}{a}$ の等比級数である。

したがって、

$$ \begin{aligned} \sum_{n=1}^{\infty}f_n(x) &=\sin x\sum_{n=1}^{\infty}\left(\frac{\sin a}{a}\right)^{n-1} \\ &=\sin x\cdot \frac{1}{1-\dfrac{\sin a}{a}} \\ &=\frac{a\sin x}{a-\sin a}. \end{aligned}

$$

解説

この問題の中心は、関数

$$ f(x)=\sin x

$$

に対して、区間 $[x-a,x+a]$ の平均を取る操作をしても、関数の形が $\sin x$ のまま保たれる点である。

実際、

$$ \frac{1}{2a}\int_{x-a}^{x+a}\sin t,dt

$$

を計算すると、$\sin x$ の定数倍になる。そのため、$f_n(x)$ はすべて $\sin x$ に一定の係数をかけた形になる。

また、(4) では

$$ \left|\frac{\sin a}{a}\right|<1

$$

を確認することが重要である。この条件があるから、無限級数を等比級数として処理できる。

答え

**(1)**

$$ 0<x\leqq 2\pi

$$

において、

$$ |\sin x|<x

$$

が成り立つ。

**(2)**

$$ f_2(x)=\frac{\sin a}{a}\sin x

$$

**(3)**

$$ f_n(x)=\left(\frac{\sin a}{a}\right)^{n-1}\sin x

$$

**(4)**

$$ \sum_{n=1}^{\infty}f_n(x)=\frac{a\sin x}{a-\sin a}

$$

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