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数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題42 解説

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数学3積分法接線・極限との複合問題42
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数学3 積分法 接線・極限との複合 問題42の問題画像
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解説

方針・初手

与えられた重心の $y$ 座標の公式を使うには、各図形を「上側の関数 $f(x)$ と下側の関数 $g(x)$ で挟まれた領域」として見ればよい。

特に、重心の $y$ 座標は

$$ \frac{1}{S}\int_a^b \frac{{f(x)}^2-{g(x)}^2}{2},dx

$$

である。面積 $S$ と、分子にあたる $x$ 軸まわりのモーメントをそれぞれ計算する。

解法1

**(1)**

図形 $B$ は、半径 $r$ と半径 $1$ の上半円で囲まれた半円環である。

したがって、面積は

$$ S_B=\frac{\pi}{2}(1-r^2)

$$

である。

上側の曲線は

$$ y=\sqrt{1-x^2}

$$

である。一方、内側の半円で除かれる部分は

$$ y=\sqrt{r^2-x^2}\quad (-r\leqq x\leqq r)

$$

である。

よって、$x$ 軸まわりのモーメントは、外側の上半円のモーメントから内側の上半円のモーメントを引けばよい。

$$ \begin{aligned} M_B &=\frac{1}{2}\int_{-1}^{1}(1-x^2),dx -\frac{1}{2}\int_{-r}^{r}(r^2-x^2),dx \\ &=\frac{1}{2}\cdot \frac{4}{3} -\frac{1}{2}\cdot \frac{4r^3}{3} \\ &=\frac{2}{3}(1-r^3). \end{aligned}

$$

したがって、重心の $y$ 座標 $Y(r)$ は

$$ \begin{aligned} Y(r) &=\frac{M_B}{S_B} \\ &=\frac{\frac{2}{3}(1-r^3)}{\frac{\pi}{2}(1-r^2)} \\ &=\frac{4(1-r^3)}{3\pi(1-r^2)}. \end{aligned}

$$

ここで

$$ 1-r^3=(1-r)(1+r+r^2),\qquad 1-r^2=(1-r)(1+r)

$$

より、$0<r<1$ において

$$ Y(r)=\frac{4(1+r+r^2)}{3\pi(1+r)}.

$$

**(2)**

図形 $C$ は、$-1\leqq x\leqq 1$ において

$$ \sqrt{1-x^2}-t\leqq y\leqq \sqrt{1-x^2}

$$

で表される。上側の関数を

$$ f(x)=\sqrt{1-x^2}

$$

とおくと、下側の関数は

$$ g(x)=f(x)-t

$$

である。

上下の幅は常に $t$ なので、面積は

$$ S_C=\int_{-1}^{1}t,dx=2t

$$

である。

重心の $y$ 座標の分子は

$$ \begin{aligned} M_C &=\int_{-1}^{1}\frac{{f(x)}^2-{f(x)-t}^2}{2},dx \\ &=\int_{-1}^{1}\frac{2tf(x)-t^2}{2},dx \\ &=\int_{-1}^{1}\left(t\sqrt{1-x^2}-\frac{t^2}{2}\right),dx. \end{aligned}

$$

ここで、

$$ \int_{-1}^{1}\sqrt{1-x^2},dx=\frac{\pi}{2}

$$

であるから、

$$ \begin{aligned} M_C &=t\cdot \frac{\pi}{2}-\frac{t^2}{2}\cdot 2 \\ &=\frac{\pi t}{2}-t^2. \end{aligned}

$$

したがって、重心の $y$ 座標 $Z(t)$ は

$$ \begin{aligned} Z(t) &=\frac{M_C}{S_C} \\ &=\frac{\frac{\pi t}{2}-t^2}{2t} \\ &=\frac{\pi}{4}-\frac{t}{2}. \end{aligned}

$$

**(3)**

(1) で得た

$$ Y(r)=\frac{4(1+r+r^2)}{3\pi(1+r)}

$$

より、

$$ \begin{aligned} \lim_{r\to 1-0}Y(r) &= \frac{4(1+1+1)}{3\pi(1+1)} \\ \frac{2}{\pi}. \end{aligned} $$

また、(2) で得た

$$ Z(t)=\frac{\pi}{4}-\frac{t}{2}

$$

より、

$$ \begin{aligned} \lim_{t\to 1+0}Z(t) &= \frac{\pi}{4}-\frac{1}{2}. \end{aligned} $$

両者を比較する。

$$ \begin{aligned} \frac{2}{\pi}-\left(\frac{\pi}{4}-\frac{1}{2}\right) &=\frac{8-\pi^2+2\pi}{4\pi} \\ &=\frac{(4-\pi)(\pi+2)}{4\pi}. \end{aligned}

$$

$0<\pi<4$ であるから、

$$ \frac{(4-\pi)(\pi+2)}{4\pi}>0

$$

である。よって、

$$ \frac{2}{\pi}>\frac{\pi}{4}-\frac{1}{2}.

$$

したがって、

$$ \lim_{r\to 1-0}Y(r)>\lim_{t\to 1+0}Z(t)

$$

である。

解説

この問題では、重心の公式にそのまま当てはめるために、各図形を上下の関数で挟まれた領域として処理するのが基本である。

(1) は半円環なので、外側の上半円から内側の上半円を引くと計算が簡単になる。面積は半円環の面積、モーメントも「外側の上半円のモーメント minus 内側の上半円のモーメント」と見る。

(2) は上半円を下に $t$ だけ平行移動した曲線との間の領域であり、縦の幅が常に $t$ である。面積がすぐ $2t$ と分かる点が重要である。

(3) では、極限値を求めた後、単なる近似値ではなく不等式として比較する。$\pi<4$ を使えば、大小関係を厳密に示せる。

答え

**(1)**

$$ Y(r)=\frac{4(1-r^3)}{3\pi(1-r^2)} =\frac{4(1+r+r^2)}{3\pi(1+r)}

$$

**(2)**

$$ Z(t)=\frac{\pi}{4}-\frac{t}{2}

$$

**(3)**

$$ \lim_{r\to 1-0}Y(r)=\frac{2}{\pi}

$$

$$ \lim_{t\to 1+0}Z(t)=\frac{\pi}{4}-\frac{1}{2}

$$

したがって、

$$ \lim_{r\to 1-0}Y(r)>\lim_{t\to 1+0}Z(t)

$$

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