基礎問題集
数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題46 解説
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解説
方針・初手
(1) は積分の区間端点が $c$ 倍されているので、原始関数
$$ F(t)=\int_0^t f(x),dx
$$
をおいて、条件を $F$ の関係式に直す。
(2) は $g(2x)=\dfrac14g(x)$ から、区間 $[2^k,2^{k+1}]$ 上の積分を区間 $[1,2]$ 上の積分に戻す。これにより $I_n$ は等比数列の和になる。
解法1
(1)
$$ F(t)=\int_0^t f(x),dx
$$
とおく。$f(x)$ は連続であるから、$F'(t)=f(t)$ である。
与えられた条件は
$$ \int_{ac}^{bc} f(x),dx=c^2\int_a^b f(x),dx
$$
である。左辺を $F$ で表すと、
$$ F(bc)-F(ac)=c^2{F(b)-F(a)}
$$
である。
ここで $a=0$ とすると、$F(0)=0$ より
$$ F(bc)=c^2F(b)
$$
を得る。特に $b=1$ とすれば
$$ F(c)=c^2F(1)
$$
である。
また
$$ F(1)=\int_0^1 f(x),dx=1
$$
だから、
$$ F(c)=c^2
$$
となる。よって任意の実数 $x$ について
$$ F(x)=x^2
$$
である。
したがって両辺を $x$ で微分して
$$ f(x)=F'(x)=2x
$$
を得る。よって
$$ f(2)=4,\qquad f(-3)=-6
$$
である。
(2)
条件
$$ g(2x)=\frac14g(x)
$$
を繰り返し用いると、$k$ を $0$ 以上の整数として
$$ g(2^kx)=\left(\frac14\right)^k g(x)
$$
である。
区間 $[2^k,2^{k+1}]$ 上の積分を考える。$x=2^kt$ とおくと、$dx=2^k,dt$ であり、$x=2^k$ のとき $t=1$、$x=2^{k+1}$ のとき $t=2$ である。したがって
$$ \begin{aligned} \int_{2^k}^{2^{k+1}}g(x),dx &=\int_1^2 g(2^kt),2^k,dt\\ &=\int_1^2 \left(\frac14\right)^k g(t),2^k,dt\\ &=\frac{2^k}{4^k}\int_1^2 g(t),dt\\ &=\left(\frac12\right)^k. \end{aligned}
$$
ここで
$$ \int_1^2 g(t),dt=1
$$
を用いた。
よって
$$ I_n=\int_1^{2^n}g(x),dx
$$
は、区間を
$$ [1,2],\ [2,4],\ [4,8],\ \ldots,\ [2^{n-1},2^n]
$$
に分けることで
$$ \begin{aligned} I_n &=\sum_{k=0}^{n-1}\int_{2^k}^{2^{k+1}}g(x),dx\\ &=\sum_{k=0}^{n-1}\left(\frac12\right)^k\\ &=\frac{1-\left(\frac12\right)^n}{1-\frac12}\\ &=2\left(1-\frac1{2^n}\right) \end{aligned}
$$
となる。
したがって
$$ I_4=2\left(1-\frac1{16}\right)=2\cdot\frac{15}{16}=\frac{15}{8}
$$
である。
また、
$$ \lim_{n\to\infty}I_n =\lim_{n\to\infty}2\left(1-\frac1{2^n}\right) =2
$$
である。
解説
(1) は、積分区間の端点が $c$ 倍される条件を、原始関数 $F$ の関係式として読むのが核心である。$a=0$、さらに $b=1$ とすることで、一気に $F(x)=x^2$ が決まる。
(2) は、関数そのものは一意に決まらないが、各 dyadic 区間 $[2^k,2^{k+1}]$ 上の積分は条件だけで決まる。関数の形を求めようとせず、積分区間を $2$ 倍ごとに分割するのが自然である。
答え
**(1)**
$$ [ア]=4,\qquad [イ]=-6
$$
**(2)**
$$ I_4=\frac{15}{8}
$$
より
$$ [ウエ]=15,\qquad [オ]=8
$$
また
$$ \lim_{n\to\infty}I_n=2
$$
より
$$ [キ]=2
$$