基礎問題集
数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題49 解説
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解説
方針・初手
曲線 $C$ と直線 $l$ の差は
$$ 2x-\left(2x-xe^{-x}\right)=xe^{-x}
$$
である。したがって、面積 $S(a)$ は $x=p$ から $x=a$ まで $xe^{-x}$ を積分すればよい。まずは接線の方程式を求め、その $x$ 切片から $p$ を決める。
解法1
曲線 $C$ は
$$ y=2x-xe^{-x}
$$
である。これを微分すると、
$$ y'=2-{xe^{-x}}'=2-(1-x)e^{-x}=2+(x-1)e^{-x}
$$
となる。
点 $A$ は $x=a$ に対応する曲線 $C$ 上の点だから、
$$ A=\left(a,\ 2a-ae^{-a}\right)
$$
である。また、点 $A$ における接線の傾きは
$$ 2+(a-1)e^{-a}
$$
である。
よって接線の方程式は
$$ y-\left(2a-ae^{-a}\right)=\left\{2+(a-1)e^{-a}\right\}(x-a)
$$
である。これを整理すると、
$$ y=\left\{2+(a-1)e^{-a}\right\}x-a^2e^{-a}
$$
となる。
次に、この接線と $x$ 軸との交点を $P$ とする。$P$ の $x$ 座標を $p$ とすると、接線の方程式で $y=0$ とおけばよいから、
$$ 0=\left\{2+(a-1)e^{-a}\right\}p-a^2e^{-a}
$$
より、
$$ p=\frac{a^2e^{-a}}{2+(a-1)e^{-a}}
$$
である。
ここで、$a>1$ より $p>0$ であり、また
$$ p<a
$$
も成り立つ。したがって、$p\leqq x\leqq a$ において $x>0$ であるから、直線 $l$ は曲線 $C$ より上にある。
点 $B$ は直線 $l:y=2x$ 上で $x=a$ に対応する点なので、
$$ B=(a,2a)
$$
である。したがって、
$$ AB=2a-\left(2a-ae^{-a}\right)=ae^{-a}
$$
である。
三角形 $ABP$ において、$AB$ は直線 $x=a$ 上の縦の線分である。点 $P=(p,0)$ から直線 $x=a$ までの距離は $a-p$ であるから、
$$ T(a)=\frac{1}{2}\cdot ae^{-a}\cdot (a-p)
$$
である。
ここで
$$ a-p =a-\frac{a^2e^{-a}}{2+(a-1)e^{-a}} =\frac{a(2-e^{-a})}{2+(a-1)e^{-a}}
$$
だから、
$$ T(a)=\frac{a^2e^{-a}(2-e^{-a})}{2{2+(a-1)e^{-a}}}
$$
となる。
次に、面積 $S(a)$ を求める。直線 $l$ と曲線 $C$ の上下差は
$$ 2x-\left(2x-xe^{-x}\right)=xe^{-x}
$$
である。よって、
$$ S(a)=\int_p^a xe^{-x},dx
$$
である。
部分積分より、
$$ \int xe^{-x},dx=-(x+1)e^{-x}
$$
であるから、
$$ S(a)=\left[-(x+1)e^{-x}\right]_p^a
$$
となる。したがって、
$$ S(a)=(p+1)e^{-p}-(a+1)e^{-a}
$$
である。
ここに
$$ p=\frac{a^2e^{-a}}{2+(a-1)e^{-a}}
$$
を代入すると、
$$ S(a)=\left(1+\frac{a^2e^{-a}}{2+(a-1)e^{-a}}\right) \exp\left(-\frac{a^2e^{-a}}{2+(a-1)e^{-a}}\right) -(a+1)e^{-a}
$$
である。
最後に極限を求める。
$$ p=\frac{a^2e^{-a}}{2+(a-1)e^{-a}}
$$
において、$a\to\infty$ とすると
$$ a^2e^{-a}\to 0,\qquad (a-1)e^{-a}\to 0
$$
であるから、
$$ p\to 0
$$
である。
したがって、
$$ S(a)=(p+1)e^{-p}-(a+1)e^{-a}\to 1
$$
である。一方、
$$ T(a)=\frac{a^2e^{-a}(2-e^{-a})}{2{2+(a-1)e^{-a}}}
$$
であり、
$$ a^2e^{-a}\to 0
$$
だから、
$$ T(a)\to 0
$$
である。また $T(a)>0$ なので、
$$ \frac{S(a)}{T(a)}\to+\infty
$$
である。
解説
この問題の中心は、接線の $x$ 切片 $p$ を正確に求めたうえで、面積を積分で処理する点にある。
直線 $l:y=2x$ と曲線 $C:y=2x-xe^{-x}$ の差が $xe^{-x}$ になるため、面積 $S(a)$ の計算自体は単純な定積分になる。ただし、積分区間の左端が接線から決まる $p$ であるため、先に接線の方程式を整理しておく必要がある。
また、$a\to\infty$ のとき $p\to 0$ である点が重要である。これにより $S(a)$ は $1$ に近づく一方、三角形 $ABP$ の面積 $T(a)$ は $0$ に近づくため、比は有限値に収束せず $+\infty$ に発散する。
答え
**(1)**
$$ y=\left\{2+(a-1)e^{-a}\right\}x-a^2e^{-a}
$$
**(2)**
$$ p=\frac{a^2e^{-a}}{2+(a-1)e^{-a}}
$$
**(3)(ア)**
$$ T(a)=\frac{a^2e^{-a}(2-e^{-a})}{2{2+(a-1)e^{-a}}}
$$
**(3)(イ)**
$$ S(a)=\left(1+\frac{a^2e^{-a}}{2+(a-1)e^{-a}}\right) \exp\left(-\frac{a^2e^{-a}}{2+(a-1)e^{-a}}\right) -(a+1)e^{-a}
$$
**(3)(ウ)**
$$ \lim_{a\to\infty}\frac{S(a)}{T(a)}=+\infty
$$