基礎問題集
数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題58 解説
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解説
方針・初手
接点の $x$ 座標を $t$ とおき、接線が原点を通る条件を立てる。接点が決まれば接線の方程式が出る。
面積は、$y$ 軸から接点までの範囲で「曲線 $C$ − 接線 $\ell$」を積分すればよい。
解法1
曲線を
$$ f(x)=\frac{e^{a(x+2)}}{a}
$$
とおく。ただし $a>0$ である。
まず導関数は
$$ f'(x)=e^{a(x+2)}
$$
である。
接点の $x$ 座標を $t$ とすると、接点は
$$ \left(t,\frac{e^{a(t+2)}}{a}\right)
$$
であり、その点における接線の傾きは
$$ f'(t)=e^{a(t+2)}
$$
である。
したがって接線の方程式は
$$ \begin{aligned} y-\frac{e^{a(t+2)}}{a} &= e^{a(t+2)}(x-t) \end{aligned} $$
である。この接線が原点 $(0,0)$ を通るので、
$$ \begin{aligned} 0-\frac{e^{a(t+2)}}{a} &= e^{a(t+2)}(0-t) \end{aligned} $$
が成り立つ。両辺を $e^{a(t+2)}$ で割ると、
$$ -\frac{1}{a}=-t
$$
より、
$$ t=\frac{1}{a}
$$
である。
よって接点は
$$ \left(\frac{1}{a},\frac{e^{2a+1}}{a}\right)
$$
であり、接線の傾きは
$$ e^{a\left(\frac{1}{a}+2\right)}=e^{2a+1}
$$
である。接線は原点を通るから、
$$ \ell:y=e^{2a+1}x
$$
である。
次に面積を求める。曲線 $C$ は下に凸であり、接線は接点以外では曲線の下側にある。したがって、求める面積 $S$ は
$$ S=\int_0^{1/a}\left(\frac{e^{a(x+2)}}{a}-e^{2a+1}x\right),dx
$$
である。
これを計算する。
$$ \begin{aligned} \int_0^{1/a}\frac{e^{a(x+2)}}{a},dx &= \left[\frac{e^{a(x+2)}}{a^2}\right]_0^{1/a} \\ \frac{e^{2a+1}-e^{2a}}{a^2} \end{aligned} $$
また、
$$ \begin{aligned} \int_0^{1/a}e^{2a+1}x,dx &= e^{2a+1}\left[\frac{x^2}{2}\right]_0^{1/a} \\ \frac{e^{2a+1}}{2a^2} \end{aligned} $$
である。よって
$$ \begin{aligned} S &= \frac{e^{2a+1}-e^{2a}}{a^2} &=
\frac{e^{2a+1}}{2a^2} \\ &= \frac{e^{2a}}{a^2}\left(e-1-\frac{e}{2}\right) \\ &= \frac{e^{2a}}{a^2}\left(\frac{e}{2}-1\right) \end{aligned}
$$
となる。
ここで
$$ \frac{e}{2}-1>0
$$
であるから、$S$ を最小にするには
$$ \frac{e^{2a}}{a^2}
$$
を最小にすればよい。
$$ g(a)=\frac{e^{2a}}{a^2}
$$
とおくと、
$$ \log g(a)=2a-2\log a
$$
である。したがって
$$ \begin{aligned} \frac{g'(a)}{g(a)} &= 2-\frac{2}{a} \\ \frac{2(a-1)}{a} \end{aligned} $$
である。
$a>0$ より、$0<a<1$ で $g'(a)<0$、$a>1$ で $g'(a)>0$ となる。よって $g(a)$ は $a=1$ で最小となる。
したがって $S$ を最小にする $a$ の値は
$$ a=1
$$
であり、そのとき
$$ \begin{aligned} S_{\min} &= \frac{e^2}{1^2}\left(\frac{e}{2}-1\right) \\ \frac{e^3}{2}-e^2 \\ \frac{e^2(e-2)}{2} \end{aligned} $$
である。
解説
接線が原点を通る条件は、接点を $t$ とおいて
$$ f(t)=t f'(t)
$$
と書ける。この形にすると計算が一気に簡単になる。
面積では、接線の接点が $x=1/a$ であり、もう一つの境界が $y$ 軸、すなわち $x=0$ であることに注意する。したがって積分区間は $0$ から $1/a$ までである。
最小値の計算では、$S$ のうち正の定数因子 $\frac{e}{2}-1$ は最小化に影響しない。指数と分母の形から、対数微分を使うのが最も処理しやすい。
答え
**(1)**
$$ \ell:y=e^{2a+1}x
$$
**(2)**
$$ S=\frac{e^{2a}}{a^2}\left(\frac{e}{2}-1\right)
$$
**(3)**
$$ a=1
$$
のとき $S$ は最小となり、最小値は
$$ S_{\min}=\frac{e^2(e-2)}{2}
$$