基礎問題集
数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題66 解説
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解説
方針・初手
直線 $L:y=ax$ が曲線 $C:y=x^3e^{-2x^2}$ と接するためには,曲線上の点における接線が原点を通る必要がある。
まず一般の点 $x=p$ における接線を求め,その接線が $y=ax$ の形になる条件を調べる。
解法1
曲線
$$ y=x^3e^{-2x^2}
$$
について,
$$ \begin{aligned} y' &=3x^2e^{-2x^2}+x^3\cdot(-4x)e^{-2x^2} \\ &=x^2(3-4x^2)e^{-2x^2} \end{aligned}
$$
である。
したがって,曲線 $C$ 上の点
$$ \left(p,\ p^3e^{-2p^2}\right)
$$
における接線の方程式は
$$ \begin{aligned} y-p^3e^{-2p^2} &= p^2(3-4p^2)e^{-2p^2}(x-p) \end{aligned} $$
である。これを整理すると,
$$ y =
p^2(3-4p^2)e^{-2p^2}x + 2p^3(2p^2-1)e^{-2p^2}
$$
となる。
よって,(1) の接線の方程式は
$$ \boxed{ y =
p^2(3-4p^2)e^{-2p^2}x + 2p^3(2p^2-1)e^{-2p^2} }
$$
である。
次に,この接線が直線 $L:y=ax$ と一致する条件を考える。$y=ax$ は原点を通るので,接線の定数項が $0$ でなければならない。
したがって,
$$ 2p^3(2p^2-1)e^{-2p^2}=0
$$
より,
$$ p=0 \quad \text{または} \quad p^2=\frac12
$$
である。
$p=0$ のとき,接線は $y=0$ であり,これは曲線 $C$ と接する点を $1$ つしかもたない。問題では直線 $L$ が接点を $2$ つ以上もつとされているので,必要なのは
$$ p=\pm \frac{1}{\sqrt2}
$$
の場合である。
このとき,接線の傾きは
$$ \begin{aligned} a &=p^2(3-4p^2)e^{-2p^2} \\ &=\frac12(3-2)e^{-1} \\ &=\frac{1}{2e} \end{aligned}
$$
である。
よって,
$$ \boxed{a=\frac{1}{2e}}
$$
である。
次に,$x\geqq 0$ に対して
$$ ax\geqq x^3e^{-2x^2}
$$
を示す。
$a=\dfrac{1}{2e}$ であるから,示すべき不等式は
$$ \frac{x}{2e}\geqq x^3e^{-2x^2}
$$
である。
$x=0$ のとき,両辺はともに $0$ であり,不等式は成り立つ。
$x>0$ のとき,両辺を $x$ で割ると,
$$ \frac{1}{2e}\geqq x^2e^{-2x^2}
$$
を示せばよい。
ここで
$$ t=x^2 \quad (t\geqq 0)
$$
とおくと,右辺は
$$ te^{-2t}
$$
である。関数
$$ \varphi(t)=te^{-2t}
$$
を考えると,
$$ \varphi'(t)=e^{-2t}(1-2t)
$$
である。
したがって,$\varphi(t)$ は $0\leqq t\leqq \dfrac12$ で増加し,$t\geqq \dfrac12$ で減少する。よって最大値は $t=\dfrac12$ のときであり,
$$ \begin{aligned} \varphi\left(\frac12\right) &= \frac12 e^{-1} \\ \frac{1}{2e} \end{aligned} $$
である。
したがって,任意の $t\geqq 0$ に対して
$$ te^{-2t}\leqq \frac{1}{2e}
$$
が成り立つ。よって,$x\geqq 0$ に対して
$$ ax\geqq x^3e^{-2x^2}
$$
が成り立つ。
等号が成り立つのは,$x=0$ の場合,または $x>0$ で
$$ x^2=\frac12
$$
となる場合である。したがって,
$$ \boxed{x=0,\ \frac{1}{\sqrt2}}
$$
で等号が成り立つ。
最後に,$x\geqq 0$ の範囲で曲線 $C$ と直線 $L$ に囲まれた図形の面積を求める。
等号成立点は
$$ x=0,\quad x=\frac{1}{\sqrt2}
$$
であり,その間では直線 $L$ が曲線 $C$ の上側にある。したがって,求める面積 $S$ は
$$ S= \int_0^{1/\sqrt2} \left( \frac{x}{2e}-x^3e^{-2x^2} \right),dx
$$
である。
まず,
$$ \begin{aligned} \int_0^{1/\sqrt2}\frac{x}{2e},dx &= \frac{1}{2e}\cdot \frac12\left(\frac{1}{\sqrt2}\right)^2 \\ \frac{1}{8e} \end{aligned} $$
である。
次に,
$$ \int_0^{1/\sqrt2}x^3e^{-2x^2},dx
$$
を計算する。$u=x^2$ とおくと,$du=2x,dx$ より $x^3dx=\dfrac12u,du$ である。また,積分区間は $x=0$ から $u=0$,$x=\dfrac1{\sqrt2}$ から $u=\dfrac12$ となる。
したがって,
$$ \begin{aligned} \int_0^{1/\sqrt2}x^3e^{-2x^2},dx &= \frac12\int_0^{1/2}ue^{-2u},du \\ &= \frac12 \left[ -\left(\frac{u}{2}+\frac14\right)e^{-2u} \right]_0^{1/2} \\ &= \left[ -\left(\frac{u}{4}+\frac18\right)e^{-2u} \right]_0^{1/2} \\ &= -\frac{1}{4e}+\frac18 \\ &= \frac18-\frac{1}{4e} \end{aligned}
$$
である。
よって,
$$ \begin{aligned} S &= \frac{1}{8e} &=
\left( \frac18-\frac{1}{4e} \right) \\ &= \frac{3}{8e}-\frac18 \\ &= \frac{3-e}{8e} \end{aligned}
$$
したがって,求める面積は
$$ \boxed{\frac{3-e}{8e}}
$$
である。
解説
この問題の中心は,「直線 $y=ax$ が曲線に接する」という条件を,接線が原点を通る条件として扱う点である。
一般の点 $x=p$ における接線を求め,定数項が $0$ になる条件を調べることで,接点が
$$ p=\pm\frac1{\sqrt2}
$$
であることが分かる。これにより,直線 $L$ の傾きも
$$ a=\frac1{2e}
$$
と定まる。
不等式の証明では,$x>0$ のときに両辺を $x$ で割り,$x^2e^{-2x^2}$ の最大値を調べるのが自然である。$t=x^2$ とおくことで,関数 $te^{-2t}$ の最大値問題に帰着できる。
面積は,不等式により直線が曲線の上側にあることが分かっているので,上から下を引いて
$$ \int_0^{1/\sqrt2} \left( \frac{x}{2e}-x^3e^{-2x^2} \right),dx
$$
を計算すればよい。
答え
**(1)**
$$ \boxed{ y =
p^2(3-4p^2)e^{-2p^2}x + 2p^3(2p^2-1)e^{-2p^2} }
$$
**(2)**
$$ \boxed{a=\frac{1}{2e}}
$$
**(3)**
$x\geqq 0$ に対して
$$ \boxed{ ax\geqq x^3e^{-2x^2} }
$$
が成り立つ。等号成立は
$$ \boxed{x=0,\ \frac{1}{\sqrt2}}
$$
である。
**(4)**
$$ \boxed{ \frac{3-e}{8e} }
$$