基礎問題集
数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題73 解説
数学3の積分法「接線・極限との複合」にある問題73の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
接点 $A,B$ が $y$ 軸に関して対称であることから、接点の座標を1つの文字で表す。円の半径は接点における接線と垂直であるので、まずこの条件と正三角形の条件から接点を決定する。
その後、求める面積は対称性により、右半分を積分して2倍すればよい。
解法1
接点 $A$ の $x$ 座標を $a$ とおく。$A$ と $B$ は $y$ 軸に関して対称であり、$A$ は $C_1$ 上、$B$ は $C_2$ 上にあるので、
$$ A=\left(a,\sqrt{3}\log(1+a)\right),\quad B=\left(-a,\sqrt{3}\log(1+a)\right)
$$
と表せる。ただし、正三角形は退化しないので $a\neq 0$ である。また $C_1$ の定義域より $a>-1$ である。
円の中心を
$$ P=(0,q)
$$
とおく。
曲線 $C_1:y=\sqrt{3}\log(1+x)$ の導関数は
$$ y'=\frac{\sqrt{3}}{1+x}
$$
であるから、点 $A$ における接線の傾きは
$$ \frac{\sqrt{3}}{1+a}
$$
である。
一方、半径 $PA$ の傾きは
$$ \frac{\sqrt{3}\log(1+a)-q}{a}
$$
である。円は $C_1$ に点 $A$ で接しているので、半径 $PA$ は接線に垂直である。したがって
$$ \frac{\sqrt{3}}{1+a}\cdot \frac{\sqrt{3}\log(1+a)-q}{a}=-1
$$
より、
$$ q-\sqrt{3}\log(1+a)=\frac{a(1+a)}{\sqrt{3}}
$$
を得る。
また、$\triangle PAB$ は正三角形である。$AB=2|a|$ であり、
$$ PA^2=a^2+\left(q-\sqrt{3}\log(1+a)\right)^2
$$
であるから、
$$ a^2+\left(q-\sqrt{3}\log(1+a)\right)^2=4a^2
$$
すなわち
$$ \left(q-\sqrt{3}\log(1+a)\right)^2=3a^2
$$
である。
先ほどの式を代入すると、
$$ \left(\frac{a(1+a)}{\sqrt{3}}\right)^2=3a^2
$$
となる。$a\neq 0$ より、
$$ (1+a)^2=9
$$
である。さらに $a>-1$ なので $1+a>0$ であり、
$$ 1+a=3
$$
したがって
$$ a=2
$$
である。
よって
$$ A=\left(2,\sqrt{3}\log 3\right),\quad B=\left(-2,\sqrt{3}\log 3\right)
$$
である。また
$$ q-\sqrt{3}\log3=\frac{2\cdot3}{\sqrt{3}}=2\sqrt{3}
$$
より、
$$ P=\left(0,\sqrt{3}(\log3+2)\right)
$$
である。
正三角形の一辺は
$$ AB=4
$$
なので、円 $C$ の半径も $4$ である。したがって円 $C$ の方程式は
$$ x^2+\left(y-\sqrt{3}(\log3+2)\right)^2=16
$$
である。
求める領域は、原点から $A$ までの $C_1$、原点から $B$ までの $C_2$、および円 $C$ の下側の弧で囲まれる部分である。円の下側の弧は
$$ y=\sqrt{3}(\log3+2)-\sqrt{16-x^2}
$$
である。
対称性より、面積を $S$ とすると
$$ S=2\int_0^2\left\{\sqrt{3}(\log3+2)-\sqrt{16-x^2}-\sqrt{3}\log(1+x)\right\},dx
$$
である。
ここで、
$$ \begin{aligned} \int_0^2 \sqrt{16-x^2},dx &= \left[\frac{x}{2}\sqrt{16-x^2}+8\arcsin\frac{x}{4}\right]_0^2 \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} \int_0^2 \sqrt{16-x^2},dx &= 2\sqrt{3}+\frac{4\pi}{3} \end{aligned} $$
である。
また、
$$ \begin{aligned} \int_0^2 \log(1+x),dx &= \left[(1+x)\log(1+x)-(1+x)\right]_0^2 \end{aligned} $$
より、
$$ \begin{aligned} \int_0^2 \log(1+x),dx &= 3\log3-2 \end{aligned} $$
である。
したがって
$$ \begin{aligned} S &=2\left\{2\sqrt{3}(\log3+2)-\left(2\sqrt{3}+\frac{4\pi}{3}\right)-\sqrt{3}(3\log3-2)\right\} \\ &=2\left(4\sqrt{3}-\sqrt{3}\log3-\frac{4\pi}{3}\right) \\ &=8\sqrt{3}-2\sqrt{3}\log3-\frac{8\pi}{3} \end{aligned}
$$
である。
解説
この問題の要点は、面積計算よりも先に接点を決めることである。円が曲線に接するという条件は、「接点における接線」と「円の半径」が垂直であることに言い換えられる。
また、$A,B$ が $y$ 軸対称で、$P$ が $y$ 軸上にあるため、$\triangle PAB$ の形は非常に制限される。接線条件と正三角形条件を連立することで、接点の $x$ 座標が $a=2$ と一意に決まる。
面積は左右対称なので、右半分だけを考えればよい。上側の境界は円の下側の弧、下側の境界は $C_1$ である。
答え
$$ \boxed{8\sqrt{3}-2\sqrt{3}\log3-\frac{8\pi}{3}}
$$