基礎問題集
数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題74 解説
数学3の積分法「接線・極限との複合」にある問題74の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
接点を $P(a,\sin a)$ とおく。接線 $\ell$ は微分係数から求める。
面積 $S$ は単純に $0\leqq x\leqq a$ における $y=\sin x$ の下の面積である。一方、$T$ は接線と $x$ 軸がつくる三角形の面積から、$S$ を引く形で求めると整理しやすい。
解法1
$C_1:y=\sin x$ において、
$$ \frac{dy}{dx}=\cos x
$$
であるから、$x=a$ における接線の傾きは $\cos a$ である。
接点は $P(a,\sin a)$ なので、接線 $\ell$ の方程式は
$$ y-\sin a=\cos a(x-a)
$$
すなわち
$$ y=(\cos a)x+\sin a-a\cos a
$$
である。
次に面積を求める。$S$ は $x=0$ から $x=a$ までの $\sin x$ の下の面積だから、
$$ S=\int_0^a \sin x,dx
$$
である。よって、
$$ S=\left[-\cos x\right]_0^a=1-\cos a
$$
となる。
次に $T$ を求める。接線 $\ell$ と $x$ 軸との交点を求める。接線の式に $y=0$ を代入すると、
$$ 0-\sin a=\cos a(x-a)
$$
より、
$$ x=a-\tan a
$$
である。
したがって、接線 $\ell$、$x$ 軸、直線 $x=a$ で囲まれる直角三角形の底辺は
$$ a-(a-\tan a)=\tan a
$$
高さは $\sin a$ であるから、その面積は
$$ \frac{1}{2}\sin a\tan a
$$
である。
この三角形の中から、$C_1$ と $C_2$ および $x$ 軸で囲まれる部分の面積 $S$ を除いたものが $T$ である。よって、
$$ T=\frac{1}{2}\sin a\tan a-S
$$
である。
ここで $S=1-\cos a$ を代入すると、
$$ T=\frac{1}{2}\sin a\tan a-(1-\cos a)
$$
となる。$\sin^2 a=1-\cos^2 a$ を用いて整理すると、
$$ \begin{aligned} T &=\frac{1}{2}\cdot \frac{\sin^2 a}{\cos a}-1+\cos a \\ &=\frac{1-\cos^2 a}{2\cos a}-1+\cos a \\ &=\frac{1}{2\cos a}-\frac{\cos a}{2}-1+\cos a \\ &=\frac{1}{2\cos a}+\frac{\cos a}{2}-1 \\ &=\frac{(1-\cos a)^2}{2\cos a}. \end{aligned}
$$
以上より、
$$ S=1-\cos a,\qquad T=\frac{(1-\cos a)^2}{2\cos a}
$$
である。
次に $S=T$ となるときの $\cos a$ を求める。$u=\cos a$ とおくと、$0<a<\dfrac{\pi}{2}$ より
$$ 0<u<1
$$
である。
$S=T$ より、
$$ 1-u=\frac{(1-u)^2}{2u}
$$
である。ここで $0<u<1$ より $1-u\neq 0$ だから、両辺を $1-u$ で割って、
$$ 1=\frac{1-u}{2u}
$$
となる。したがって、
$$ 2u=1-u
$$
より、
$$ u=\frac{1}{3}
$$
である。よって、
$$ \cos a=\frac{1}{3}
$$
である。
最後に $S-T$ の最大値を求める。再び $u=\cos a$ とおくと、
$$ S-T=(1-u)-\frac{(1-u)^2}{2u}
$$
である。これを整理すると、
$$ \begin{aligned} S-T &=1-u-\frac{1-2u+u^2}{2u} \\ &=1-u-\left(\frac{1}{2u}-1+\frac{u}{2}\right) \\ &=2-\frac{3u}{2}-\frac{1}{2u}. \end{aligned}
$$
よって、
$$ f(u)=2-\frac{3u}{2}-\frac{1}{2u} \qquad (0<u<1)
$$
とおく。
微分すると、
$$ f'(u)=-\frac{3}{2}+\frac{1}{2u^2}
$$
である。$f'(u)=0$ とすると、
$$ -\frac{3}{2}+\frac{1}{2u^2}=0
$$
より、
$$ u^2=\frac{1}{3}
$$
である。$u>0$ だから、
$$ u=\frac{1}{\sqrt{3}}
$$
である。
また、
$$ f''(u)=-\frac{1}{u^3}<0
$$
であるから、このとき $f(u)$ は最大となる。
したがって、
$$ \begin{aligned} f\left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right) &=2-\frac{3}{2\sqrt{3}}-\frac{\sqrt{3}}{2} \\ &=2-\frac{\sqrt{3}}{2}-\frac{\sqrt{3}}{2} \\ &=2-\sqrt{3}. \end{aligned}
$$
よって、$S-T$ の最大値は
$$ 2-\sqrt{3}
$$
であり、そのとき
$$ \cos a=\frac{1}{\sqrt{3}}
$$
である。
解説
この問題の中心は、$T$ の面積を直接積分で求めようとせず、接線と $x$ 軸でできる三角形から $S$ を引く形に見ることである。
$y=\sin x$ は $0\leqq x\leqq \dfrac{\pi}{2}$ で上に凸ではなく下に凸でもなく、正確には
$$ \frac{d^2}{dx^2}\sin x=-\sin x\leqq 0
$$
より上に凸である。そのため、接線は曲線の上側にある。この性質により、接線、曲線、$x$ 軸で囲まれる部分の面積を三角形から曲線下の面積を引く形で扱える。
また、$\cos a$ の式で表す指定があるため、途中から $u=\cos a$ とおくと、等式条件や最大値問題が一変数関数の問題に落ちる。
答え
**(1)**
$$ \ell:\ y-\sin a=\cos a(x-a)
$$
すなわち
$$ \ell:\ y=(\cos a)x+\sin a-a\cos a
$$
**(2)**
$$ S=1-\cos a
$$
$$ T=\frac{(1-\cos a)^2}{2\cos a}
$$
**(3)**
$$ \cos a=\frac{1}{3}
$$
**(4)**
$$ S-T\text{ の最大値 }=2-\sqrt{3}
$$
そのとき
$$ \cos a=\frac{1}{\sqrt{3}}
$$