基礎問題集
数学3 積分法「接線・極限との複合」の問題80 解説
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解説
方針・初手
点 $P$ の座標を $P=(t,2-2t)$ とおく。すると $t$ は $0$ から $1$ まで動く。
このとき、$Q=(t,0)$、$R=(0,2-2t)$ であるから、各 $t$ に対する線分 $QR$ がどの範囲を通過するかを調べる。固定した $X$ 座標に対して、線分 $QR$ 上の $Y$ 座標の最大値を求めれば、通過領域の上側の境界が分かる。
解法1
点 $P$ は線分 $AB$ 上を動くので、
$$ P=(t,2-2t) \quad (0\leqq t\leqq 1)
$$
とおける。
このとき、$P$ から $x$ 軸に下ろした垂線の足は
$$ Q=(t,0)
$$
であり、$P$ から $y$ 軸に下ろした垂線の足は
$$ R=(0,2-2t)
$$
である。
$0<t<1$ のとき、線分 $QR$ は、$x$ 切片が $t$、$y$ 切片が $2-2t$ の直線の一部である。したがって、この線分上の点を $(X,Y)$ とすると、
$$ \frac{X}{t}+\frac{Y}{2-2t}=1
$$
を満たす。
よって、固定した $X$ に対し、この線分上の $Y$ 座標は
$$ Y=2(1-t)\left(1-\frac{X}{t}\right)
$$
である。
ここで、線分上に点が存在するためには $0\leqq X\leqq t$ であるから、固定した $X$ に対して
$$ X\leqq t\leqq 1
$$
の範囲で $Y$ の最大値を求めればよい。
$0<X<1$ として、
$$ Y=2(1-t)\left(1-\frac{X}{t}\right)
$$
を整理すると、
$$ Y=2\left(1+X-t-\frac{X}{t}\right)
$$
である。これを $t$ で微分すると、
$$ \frac{dY}{dt}=2\left(-1+\frac{X}{t^2}\right)
$$
となる。
したがって、
$$ \frac{dY}{dt}=0
$$
より、
$$ t^2=X
$$
すなわち
$$ t=\sqrt{X}
$$
である。$0<X<1$ のとき、$X<\sqrt{X}<1$ であるから、これは許される範囲内にある。
また、$t$ が $X$ から $\sqrt{X}$ まで増えるとき $Y$ は増加し、$\sqrt{X}$ から $1$ まで増えるとき $Y$ は減少する。よって、$Y$ の最大値は $t=\sqrt{X}$ のときである。
したがって、通過領域の上側の境界は
$$ Y=2(1-\sqrt{X})\left(1-\frac{X}{\sqrt{X}}\right)
$$
より、
$$ Y=2(1-\sqrt{X})^2
$$
である。
ゆえに、線分 $QR$ の通過する部分の面積 $S$ は
$$ S=\int_0^1 2(1-\sqrt{X})^2,dX
$$
である。
これを計算すると、
$$ \begin{aligned} S &=\int_0^1 2(1-2\sqrt{X}+X),dX\\ &=2\left[X-\frac{4}{3}X^{3/2}+\frac{1}{2}X^2\right]_0^1\\ &=2\left(1-\frac{4}{3}+\frac{1}{2}\right)\\ &=2\cdot \frac{1}{6}\\ &=\frac{1}{3} \end{aligned}
$$
となる。
解説
この問題では、線分 $QR$ 自体の長さや傾きではなく、「固定した $X$ 座標に対して、どこまで上に届くか」を考えるのが重要である。
$P$ の位置を $t$ で表すと、$Q$ と $R$ の座標が簡単に表せる。そこから線分 $QR$ の方程式を作り、$X$ を固定して $t$ について最大化すると、通過領域の上側の境界が得られる。
端点 $t=0,1$ のときは、それぞれ $y$ 軸上、$x$ 軸上の線分になるが、面積計算では境界に含まれるだけなので、積分結果には影響しない。
答え
$$ \frac{1}{3}
$$