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数学3 積分法「その他応用」の問題8 解説
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解説
方針・初手
積分区間の長さが常に $1$ であるため、まず $f(x)$ を直接計算するよりも、上端・下端がともに動く積分として微分する。
被積分関数 $|\log t|$ は $t=1$ を境に符号の扱いが変わるが、$x>0$ では常に $x+1>1$ であることを使う。
解法1
$g(t)=|\log t|$ とおくと、
$$ f(x)=\int_x^{x+1}g(t),dt
$$
である。微分すると、
$$ f'(x)=g(x+1)-g(x)
$$
となる。
ここで $x+1>1$ より、
$$ g(x+1)=|\log(x+1)|=\log(x+1)
$$
である。一方、$g(x)=|\log x|$ は $x=1$ を境に分ける。
**(i)**
$0<x<1$ のとき
このとき $\log x<0$ であるから、
$$ |\log x|=-\log x
$$
である。したがって、
$$ f'(x)=\log(x+1)-(-\log x)=\log{x(x+1)}
$$
となる。
よって $f'(x)=0$ となるのは、
$$ x(x+1)=1
$$
すなわち
$$ x^2+x-1=0
$$
を満たすときである。$x>0$ より、
$$ x=\frac{-1+\sqrt5}{2}
$$
である。
また、$0<x<1$ において $x(x+1)$ は単調増加するので、
$$ 0<x<\frac{\sqrt5-1}{2}
$$
では $x(x+1)<1$ より $f'(x)<0$、
$$ \frac{\sqrt5-1}{2}<x<1
$$
では $x(x+1)>1$ より $f'(x)>0$ である。
したがって、$x=\dfrac{\sqrt5-1}{2}$ で極小値をとる。
**(ii)**
$x\geqq 1$ のとき
このとき $\log x\geqq 0$ であるから、
$$ |\log x|=\log x
$$
である。よって、
$$ f'(x)=\log(x+1)-\log x=\log\frac{x+1}{x}
$$
となる。
$x>0$ より $\dfrac{x+1}{x}>1$ であるから、
$$ f'(x)>0
$$
である。したがって、$x\geqq 1$ では $f(x)$ は単調増加する。
以上より、$f(x)$ は
$$ 0<x<\frac{\sqrt5-1}{2}
$$
で減少し、
$$ x>\frac{\sqrt5-1}{2}
$$
で増加する。したがって、最小値は
$$ x=\frac{\sqrt5-1}{2}
$$
でとる。
次に、その最小値を求める。
$$ \alpha=\frac{\sqrt5-1}{2}
$$
とおく。このとき
$$ \alpha^2+\alpha=1
$$
より、
$$ \alpha(\alpha+1)=1
$$
である。したがって、
$$ \alpha+1=\frac{1}{\alpha}=\frac{\sqrt5+1}{2}
$$
である。
$0<\alpha<1$ なので、
$$ f(\alpha)=\int_{\alpha}^{1}(-\log t),dt+\int_1^{\alpha+1}\log t,dt
$$
である。
それぞれ計算すると、
$$ \begin{aligned} \int_{\alpha}^{1}(-\log t),dt &= \left[-t\log t+t\right]_{\alpha}^{1} \\ 1+\alpha\log\alpha-\alpha \end{aligned} $$
また、
$$ \begin{aligned} \int_1^{\alpha+1}\log t,dt &= \left[t\log t-t\right]_1^{\alpha+1} \\ (\alpha+1)\log(\alpha+1)-(\alpha+1)+1 \end{aligned} $$
である。したがって、
$$ \begin{aligned} f(\alpha) &=1+\alpha\log\alpha-\alpha+(\alpha+1)\log(\alpha+1)-(\alpha+1)+1\\ &=2-(2\alpha+1)+\alpha\log\alpha+(\alpha+1)\log(\alpha+1). \end{aligned}
$$
ここで
$$ 2\alpha+1=\sqrt5
$$
であり、また $\alpha+1=\dfrac{1}{\alpha}$ だから、
$$ \log(\alpha+1)=-\log\alpha
$$
である。よって、
$$ \begin{aligned} \alpha\log\alpha+(\alpha+1)\log(\alpha+1) &=\alpha\log\alpha-(\alpha+1)\log\alpha\\ &=-\log\alpha\\ &=\log(\alpha+1). \end{aligned}
$$
したがって、
$$ f(\alpha)=2-\sqrt5+\log(\alpha+1)
$$
となる。$\alpha+1=\dfrac{\sqrt5+1}{2}$ より、最小値は
$$ 2-\sqrt5+\log\frac{1+\sqrt5}{2}
$$
である。
一方、$x\geqq 1$ では
$$ f(x)=\int_x^{x+1}\log t,dt
$$
であり、$x\to\infty$ のとき $f(x)\to\infty$ となる。したがって、最大値は存在しない。
解説
この問題では、積分そのものを最初から場合分けして計算するよりも、可変区間の積分として微分するのが最短である。
重要なのは
$$ \begin{aligned} \frac{d}{dx}\int_x^{x+1}|\log t|,dt &= |\log(x+1)|-|\log x| \end{aligned} $$
とできる点である。さらに $x>0$ なら常に $x+1>1$ なので、上端側は必ず $\log(x+1)$ と外せる。符号変化が必要なのは下端側の $|\log x|$ だけである。
また、最大値については、極値だけを調べて終わると不十分である。定義域が $x>0$ と無限に広がっているため、$x\to\infty$ での挙動を確認し、上に有界でないことを示す必要がある。
答え
最小値は
$$ 2-\sqrt5+\log\frac{1+\sqrt5}{2}
$$
であり、このとき
$$ x=\frac{\sqrt5-1}{2}
$$
である。
最大値は存在しない。