基礎問題集
数学3 積分法「その他応用」の問題12 解説
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解説
方針・初手
微分方程式が、点 $(x,y)$ の位置によって
$$ x+2y>0 \text{ では } y'=-x,\qquad x+2y<0 \text{ では } y'=2y
$$
と切り替わる問題である。
まず、与えられた点 $(0,3)$ は
$$ 0+2\cdot 3=6>0
$$
より $x+2y>0$ の領域にある。したがって、最初は $y'=-x$ を用いて曲線を求め、どこで境界線
$$ x+2y=0
$$
に達するかを調べるのが初手である。
解法1
$(0,3)$ を通るので、$x=0$ の近くでは $x+2y>0$ の領域にあり、
$$ y'=-x
$$
を満たす。これを積分すると
$$ y=-\frac12 x^2+C
$$
となる。$(0,3)$ を通るから
$$ 3=C
$$
であり、
$$ y=3-\frac12 x^2
$$
を得る。
この曲線がどこまで $x+2y>0$ の領域にあるかを調べるため、
$$ x+2y=x+2\left(3-\frac12 x^2\right)=-x^2+x+6
$$
を考える。これが $0$ となるのは
$$ -x^2+x+6=0
$$
すなわち
$$ x^2-x-6=0
$$
より
$$ x=-2,\ 3
$$
である。
したがって、
$$ -2<x<3
$$
では
$$ x+2y>0
$$
であり、この区間では
$$ y=3-\frac12 x^2
$$
である。
次に、$x=-2,3$ の外側を考える。
**(i)**
$x<-2$ の部分
$x=-2$ での値は
$$ y=3-\frac12\cdot (-2)^2=1
$$
である。さらに、この点では境界線上にあるので、その左側では $x+2y<0$ に入る。よって $x<-2$ では
$$ y'=2y
$$
を満たす。
これを解くと
$$ y=Ae^{2x}
$$
であり、$(-2,1)$ を通るから
$$ 1=Ae^{-4}
$$
より
$$ A=e^4
$$
である。したがって
$$ y=e^{2x+4}\qquad (x\le -2)
$$
となる。
**(ii)**
$x>3$ の部分
$x=3$ での値は
$$ y=3-\frac12\cdot 3^2=-\frac32
$$
である。同様に、この点の右側では $x+2y<0$ に入るので、$x>3$ でも
$$ y'=2y
$$
を満たす。
したがって
$$ y=Be^{2x}
$$
とおける。$(3,-\frac32)$ を通るから
$$ -\frac32=Be^6
$$
より
$$ B=-\frac32 e^{-6}
$$
である。よって
$$ y=-\frac32 e^{2x-6}\qquad (x\ge 3)
$$
となる。
以上より、求める曲線は
$$ f(x)= \begin{cases} e^{2x+4} & (x\le -2),\\[4pt] 3-\dfrac12 x^2 & (-2\le x\le 3),\\[4pt] -\dfrac32 e^{2x-6} & (x\ge 3). \end{cases}
$$
最後に微分可能性を確認する。
$x=-2$ では
$$ \frac{d}{dx}\left(e^{2x+4}\right)\Big|*{x=-2}=2,\qquad \frac{d}{dx}\left(3-\frac12 x^2\right)\Big|*{x=-2}=2
$$
で一致する。
また $x=3$ では
$$ \frac{d}{dx}\left(3-\frac12 x^2\right)\Big|*{x=3}=-3,\qquad \frac{d}{dx}\left(-\frac32 e^{2x-6}\right)\Big|*{x=3}=-3
$$
で一致する。したがってこの曲線は確かに微分可能である。
解説
この問題の要点は、まず初期点 $(0,3)$ がどちらの領域にあるかを判定することである。そこから最初の微分方程式を解き、その解が境界線 $x+2y=0$ とどこで交わるかを調べれば、切り替わる点が分かる。
境界で急に別の式へ移る問題では、値の連続性だけでなく微分可能性も確認する必要がある。本問では、境界線上では $y=-\frac{x}{2}$ であるから
$$ 2y=-x
$$
となり、両側の微分係数が自然に一致する形になっている。
グラフは、中央が
$$ y=3-\frac12 x^2
$$
という下に凸の放物線で、その左側は点 $(-2,1)$ に接続する正の指数関数、右側は点 $(3,-\frac32)$ に接続する負の指数関数である。作図のための代表点は
$$ (-4,e^{-4}),\ (-2,1),\ (0,3),\ (3,-\tfrac32),\ \left(5,-\tfrac32 e^4\right)
$$
である。
答え
$$ y=f(x)= \begin{cases} e^{2x+4} & (x\le -2),\\[4pt] 3-\dfrac12 x^2 & (-2\le x\le 3),\\[4pt] -\dfrac32 e^{2x-6} & (x\ge 3). \end{cases}
$$
したがって、$-4\le x\le 5$ におけるグラフは、左で $y=e^{2x+4}$、中央で放物線 $y=3-\dfrac12 x^2$、右で $y=-\dfrac32 e^{2x-6}$ をつないだものである。