基礎問題集
数学3 積分法「その他応用」の問題15 解説
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解説
方針・初手
まず $y=0$ を代入して $f(0)$ を確定する。
すると、$f(x)\equiv -1$ という定数解を除けば $f(0)=0$ であることが分かる。 そのうえで、任意の $x$ に対して
$$ f(x+h)-f(x)=(1+f(x))f(h)
$$
と変形できるので、$x=0$ での微分可能性から一般の $x$ での微分可能性が直ちに従う。 さらに得られる微分方程式を解けば $f(x)$ の形が決まる。
解法1
まず与えられた関係式
$$ f(x+y)=f(x)+f(y)+f(x)f(y)
$$
において $y=0$ を代入すると
$$ f(x)=f(x)+f(0)+f(x)f(0)
$$
であるから、
$$ f(0)(1+f(x))=0
$$
がすべての $x$ に対して成り立つ。
したがって、次の **2** 通りに分かれる。
**(i)**
$f(x)\equiv -1$
このとき確かに
$$ f(x+y)=-1=-1+(-1)+(-1)(-1)
$$
であり、条件を満たす。また定数関数であるから全ての点で微分可能である。
以下、$f(x)\not\equiv -1$ の場合を考える。 このときある $x$ で $1+f(x)\neq 0$ となるので、上の式から
$$ f(0)=0
$$
が従う。
$f$ は $x=0$ で微分可能であるから、
$$ a:=f'(0)=\lim_{h\to 0}\frac{f(h)-f(0)}{h} =\lim_{h\to 0}\frac{f(h)}{h}
$$
が存在する。特に $h\to 0$ で $f(h)\to 0$ である。
ここで任意の $x$ を固定し、$y=h$ とおくと
$$ f(x+h)=f(x)+f(h)+f(x)f(h) =f(x)+(1+f(x))f(h)
$$
である。よって
$$ \frac{f(x+h)-f(x)}{h} =(1+f(x))\frac{f(h)}{h}
$$
となる。
右辺で $h\to 0$ とすると $\dfrac{f(h)}{h}\to a$ であるから、
$$ \lim_{h\to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h} =(1+f(x))a
$$
が存在する。したがって $f$ は任意の $x$ で微分可能であり、
$$ f'(x)=a(1+f(x))
$$
を得る。これで (1) は示された。
次に (2) を求める。 上の微分方程式と $f(0)=0$ を満たす関数を解けばよい。
$g(x)=1+f(x)$ とおくと、
$$ g'(x)=f'(x)=a(1+f(x))=ag(x)
$$
かつ
$$ g(0)=1+f(0)=1
$$
である。したがって
$$ g(x)=e^{ax}
$$
となるので、
$$ f(x)=e^{ax}-1
$$
を得る。ただし $a=f'(0)$ は定数である。
以上より、条件を満たす関数は
$$ f(x)\equiv -1
$$
または
$$ f(x)=e^{ax}-1 \qquad (a\in \mathbb{R})
$$
である。
解説
この問題の核心は、与式が
$$ 1+f(x+y)=(1+f(x))(1+f(y))
$$
と書き直せることである。したがって $1+f(x)$ は加法を積に変える関数であり、指数関数型になることが予想される。
ただし、その前に $f(0)$ の扱いを誤ると定数解 $f\equiv -1$ を落としやすい。この解は実際に条件を満たすので、最初に $y=0$ を代入して場合分けすることが重要である。
また、微分可能性の証明は
$$ f(x+h)-f(x)=(1+f(x))f(h)
$$
という形に直すと、$x=0$ での微分可能性だけから全点での微分可能性が一気に従う。この処理がこの問題の典型である。
答え
**(1)**
$f(x)\equiv -1$ の場合は明らかに全ての $x$ で微分可能である。
$f(x)\not\equiv -1$ の場合は $f(0)=0$ となり、任意の $x$ に対して
$$ \frac{f(x+h)-f(x)}{h} =(1+f(x))\frac{f(h)}{h}
$$
であるから、$h\to 0$ として極限が存在する。よって $f$ は全ての $x$ で微分可能である。
**(2)**
条件を満たす関数は
$$ f(x)\equiv -1
$$
または
$$ f(x)=e^{ax}-1 \qquad (a\in\mathbb{R})
$$
である。