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数学3 積分法「その他応用」の問題19 解説
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解説
方針・初手
点 $P(x,y)$ での法線が $\angle OPQ$ の二等分線であるから、まず $\angle OPQ$ の内角二等分線の傾きをベクトルで表す。
その傾きと、曲線 $y=f(x)$ の法線の傾き $-1/f'(x)$ を一致させれば、$f$ の満たす微分方程式が得られる。ついでに $g(x)=f'(x)$ とおいて $y$ を消去すれば、$g$ の方程式に落とせる。
解法1
曲線上の点 $P(x,y)$ を $y=f(x)$ の点とする。また $Q=(x,y+1)$ である。
(1)
点 $P$ から見た方向ベクトルを考えると、
- $PO$ の方向ベクトルは $(-x,-y)$
- $PQ$ の方向ベクトルは $(0,1)$
である。
したがって、それらの単位ベクトルは
$$ \frac{1}{\sqrt{x^2+y^2}}(-x,-y),\qquad (0,1)
$$
であり、$\angle OPQ$ の内角二等分線の方向ベクトルは、その和を用いて
$$ \left( -\frac{x}{\sqrt{x^2+y^2}}, 1-\frac{y}{\sqrt{x^2+y^2}} \right)
$$
と表せる。
よって、その傾きは
$$ \begin{aligned} \frac{1-\dfrac{y}{\sqrt{x^2+y^2}}}{-\dfrac{x}{\sqrt{x^2+y^2}}} &= \frac{y-\sqrt{x^2+y^2}}{x} \end{aligned} $$
である。
一方、曲線 $y=f(x)$ の点 $P$ における接線の傾きは $y'=f'(x)$ であるから、法線の傾きは
$$ -\frac{1}{y'}
$$
である。
仮定より、この法線が $\angle OPQ$ の二等分線に一致するので、
$$ -\frac{1}{y'}=\frac{y-\sqrt{x^2+y^2}}{x}
$$
したがって、
$$ xy'=y+\sqrt{x^2+y^2}
$$
を得る。これが $f(x)$ の満たす微分方程式である。
なお、これを変形すると
$$ (xy'-y)^2=x^2+y^2
$$
すなわち
$$ x{(y')^2-1}=2yy' \qquad (x\neq 0)
$$
とも書ける。
(2)
$g(x)=f'(x)$ とおくと、(1) で得た式は
$$ xg=y+\sqrt{x^2+y^2}
$$
である。
これを
$$ xg-y=\sqrt{x^2+y^2}
$$
と書き、両辺を二乗すると
$$ (xg-y)^2=x^2+y^2
$$
すなわち
$$ x^2g^2-2xgy+y^2=x^2+y^2
$$
であるから、
$$ 2xgy=x^2(g^2-1)
$$
よって
$$ y=\frac{x(g^2-1)}{2g} =\frac{x}{2}\left(g-\frac{1}{g}\right)
$$
を得る。
これを微分する。左辺の微分は $y'=g$ であり、右辺を微分すると
$$ g =
\frac12\left(g-\frac1g\right) +\frac{x}{2}\left(g'+\frac{g'}{g^2}\right)
$$
となる。両辺を整理して
$$ 2g=g-\frac1g+xg'\left(1+\frac1{g^2}\right)
$$
$$ g+\frac1g=xg'\left(1+\frac1{g^2}\right)
$$
ここで両辺に $g^2$ をかけると
$$ g^3+g=xg'(g^2+1)
$$
すなわち
$$ (g^2+1)g=(g^2+1)xg'
$$
となるので、
$$ xg'=g
$$
を得る。これが $g(x)$ の満たす微分方程式である。
(3)
$f(0)=-1$ とする。
(2) より、
$$ xg'=g
$$
であるから、
$$ \frac{g'}{g}=\frac1x \qquad (x\neq 0)
$$
となり、積分して
$$ g=Cx
$$
を得る。ただし $C$ は定数である。
したがって
$$ f'(x)=Cx
$$
より、
$$ f(x)=\frac{C}{2}x^2+D
$$
である。条件 $f(0)=-1$ から
$$ D=-1
$$
ゆえに
$$ f(x)=\frac{C}{2}x^2-1
$$
となる。
これを (1) の式
$$ x{(y')^2-1}=2yy' \qquad (x\neq 0)
$$
に代入する。
ここで
$$ y=\frac{C}{2}x^2-1,\qquad y'=Cx
$$
であるから、
$$ x(C^2x^2-1)=2\left(\frac{C}{2}x^2-1\right)(Cx)
$$
すなわち
$$ x(C^2x^2-1)=C^2x^3-2Cx
$$
である。整理すると
$$ (2C-1)x=0
$$
が任意の $x$ について成り立つから、
$$ 2C-1=0
$$
すなわち
$$ C=\frac12
$$
である。
したがって
$$ f(x)=\frac14x^2-1
$$
となる。
解説
この問題の本質は、二等分線を「2本の単位ベクトルの和の方向」として扱う点にある。これにより、幾何条件をそのまま傾きの式へ落とし込める。
また、(2) では $g=f'$ とおいてから $y$ を消去するのが重要である。最初から $f$ だけで押し通そうとすると式が複雑になりやすいが、$g$ に落とすと $xg'=g$ という非常に簡単な方程式になる。
最後は $f(0)=-1$ を用いて積分定数を1つ決め、残る定数は元の幾何条件に戻して決定する。この流れが自然である。
答え
**(1)**
$f(x)$ は
$$ xf'(x)=f(x)+\sqrt{x^2+{f(x)}^2}
$$
を満たす。
同値な形として
$$ x\left({f'(x)}^2-1\right)=2f(x)f'(x) \qquad (x\neq 0)
$$
とも書ける。
**(2)**
$g(x)=f'(x)$ とおくと、
$$ xg'(x)=g(x)
$$
を満たす。
**(3)**
$$ f(x)=\frac14x^2-1
$$
である。