基礎問題集
数学3 積分法「その他応用」の問題28 解説
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解説
方針・初手
$f(a)$ は $a$ についての2次関数である。積分を展開し、$a$ の2次式として整理してから平方完成すれば最小値をとる $a$ が求められる。
解法1
与えられた関数は
$$ f(a)=\int_0^\pi (x-a\sin x)^2,dx
$$
である。まず被積分関数を展開する。
$$ (x-a\sin x)^2=x^2-2ax\sin x+a^2\sin^2 x
$$
したがって
$$ f(a)=\int_0^\pi x^2,dx-2a\int_0^\pi x\sin x,dx+a^2\int_0^\pi \sin^2 x,dx
$$
である。
各積分を計算する。まず
$$ \int_0^\pi x^2,dx=\left[\frac{x^3}{3}\right]_0^\pi=\frac{\pi^3}{3}
$$
である。
次に、部分積分より
$$ \begin{aligned} \int_0^\pi x\sin x,dx &= \left[-x\cos x\right]_0^\pi+\int_0^\pi \cos x,dx \end{aligned} $$
となる。よって
$$ \begin{aligned} \left[-x\cos x\right]_0^\pi &= -\pi\cos\pi-0 \\ \pi \end{aligned} $$
また
$$ \begin{aligned} \int_0^\pi \cos x,dx &= [\sin x]_0^\pi \\ 0 \end{aligned} $$
であるから、
$$ \int_0^\pi x\sin x,dx=\pi
$$
である。
さらに
$$ \int_0^\pi \sin^2 x,dx=\frac{\pi}{2}
$$
である。
以上より、
$$ \begin{aligned} f(a) &= \frac{\pi^3}{3}-2\pi a+\frac{\pi}{2}a^2 \end{aligned} $$
となる。これは $a$ についての2次関数であり、$a^2$ の係数 $\frac{\pi}{2}$ は正であるから、頂点で最小値をとる。
平方完成すると、
$$ \begin{aligned} f(a) &= \frac{\pi}{2}a^2-2\pi a+\frac{\pi^3}{3} \\ &= \frac{\pi}{2}(a^2-4a)+\frac{\pi^3}{3} \\ &= \frac{\pi}{2}{(a-2)^2-4}+\frac{\pi^3}{3} \\ &= \frac{\pi}{2}(a-2)^2+\frac{\pi^3}{3}-2\pi \end{aligned}
$$
したがって、$f(a)$ が最小となるのは
$$ a=2
$$
のときである。
解法2
微分によって求める。
すでに展開して
$$ f(a)=\frac{\pi^3}{3}-2\pi a+\frac{\pi}{2}a^2
$$
である。
これを $a$ で微分すると、
$$ f'(a)=-2\pi+\pi a
$$
である。最小となる候補は $f'(a)=0$ を満たすから、
$$ -2\pi+\pi a=0
$$
より
$$ a=2
$$
である。
また、
$$ f''(a)=\pi>0
$$
であるから、このとき確かに $f(a)$ は最小となる。
よって、求める値は
$$ a=2
$$
である。
解説
この問題の本質は、積分で定義された関数を $a$ についての2次関数と見ることである。
被積分関数に $a$ が含まれているため複雑に見えるが、積分区間は固定されているので、展開すれば
$$ f(a)=Aa^2+Ba+C
$$
の形になる。あとは平方完成または微分で最小となる $a$ を求めればよい。
特に重要なのは
$$ \int_0^\pi x\sin x,dx=\pi
$$
と
$$ \int_0^\pi \sin^2 x,dx=\frac{\pi}{2}
$$
の計算である。前者は部分積分、後者は半角公式または既知の積分公式で処理する。
答え
$$ a=2
$$