基礎問題集
数学3 積分法「その他応用」の問題31 解説
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解説
方針・初手
曲線は $y=\dfrac{e^x+e^{-x}}{2}$ であり、これは $y=\cosh x$ である。弧長を求めるので、まず $y'$ を計算し、弧長公式
$$ L=\int_\alpha^\beta \sqrt{1+(y')^2},dx
$$
を用いる。
また、求めるのは $y\leqq 5$ の部分なので、先に $x$ の範囲を決める。
解法1
曲線を
$$ y=\frac{e^x+e^{-x}}{2}
$$
とおく。このとき
$$ y'=\frac{e^x-e^{-x}}{2}
$$
である。
弧長公式より、$x=\alpha$ から $x=\beta$ までの曲線の長さは
$$ L=\int_\alpha^\beta \sqrt{1+\left(\frac{e^x-e^{-x}}{2}\right)^2},dx
$$
で与えられる。
ここで、被積分関数を整理する。
$$ \begin{aligned} 1+\left(\frac{e^x-e^{-x}}{2}\right)^2 &=1+\frac{e^{2x}-2+e^{-2x}}{4} \\ &=\frac{4+e^{2x}-2+e^{-2x}}{4} \\ &=\frac{e^{2x}+2+e^{-2x}}{4} \\ &=\left(\frac{e^x+e^{-x}}{2}\right)^2 \end{aligned}
$$
したがって、
$$ \sqrt{1+(y')^2} =\sqrt{\left(\frac{e^x+e^{-x}}{2}\right)^2} =\frac{e^x+e^{-x}}{2}
$$
である。これは常に正であるため、絶対値を外してよい。
次に、$y\leqq 5$ となる $x$ の範囲を求める。
$$ \frac{e^x+e^{-x}}{2}\leqq 5
$$
より、
$$ e^x+e^{-x}\leqq 10
$$
である。$t=e^x,(>0)$ とおくと、
$$ t+\frac{1}{t}\leqq 10
$$
両辺に $t>0$ をかけて
$$ t^2-10t+1\leqq 0
$$
となる。この2次方程式の解は
$$ t=5\pm 2\sqrt{6}
$$
である。したがって
$$ 5-2\sqrt{6}\leqq e^x\leqq 5+2\sqrt{6}
$$
である。
ここで
$$ (5-2\sqrt{6})(5+2\sqrt{6})=1
$$
より、
$$ 5-2\sqrt{6}=\frac{1}{5+2\sqrt{6}}
$$
である。よって、$a=\log(5+2\sqrt{6})$ とおくと、$x$ の範囲は
$$ -a\leqq x\leqq a
$$
となる。
したがって、求める弧長は
$$ \begin{aligned} L &=\int_{-a}^{a}\frac{e^x+e^{-x}}{2},dx \\ &=\left[\frac{e^x-e^{-x}}{2}\right]_{-a}^{a} \\ &=\frac{e^a-e^{-a}}{2}-\frac{e^{-a}-e^a}{2} \\ &=e^a-e^{-a} \end{aligned}
$$
である。
ここで
$$ e^a=5+2\sqrt{6},\qquad e^{-a}=5-2\sqrt{6}
$$
だから、
$$ L=(5+2\sqrt{6})-(5-2\sqrt{6})=4\sqrt{6}
$$
となる。
解説
この問題の要点は、弧長公式の中に出てくる
$$ \sqrt{1+(y')^2}
$$
が、もとの $y$ と同じ形に整理できることである。
実際、
$$ y=\frac{e^x+e^{-x}}{2},\qquad y'=\frac{e^x-e^{-x}}{2}
$$
であり、
$$ 1+(y')^2=y^2
$$
が成り立つ。したがって、弧長積分が非常に簡単になる。
また、$y\leqq 5$ の範囲を求めるときは、$e^x=t$ とおいて2次不等式に直すのが自然である。端点が互いに逆数になるため、範囲は対称に $[-a,a]$ と表せる。
答え
$$ 4\sqrt{6}
$$