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数学3 積分法「その他応用」の問題43 解説
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解説
方針・初手
糸が半円から離れる点を $T$ とし、$T$ の位置を中心角 $\theta$ で表す。点 $P$ は、点 $T$ から半円の接線方向に、余った糸の長さだけ進んだ点である。
まず初期状態での接点 $T$ を求め、糸全体の長さを決める。その後、半円からほどけている間の点 $P$ の軌跡の長さと、完全にほどけた後に点 $A$ を中心として回る部分の長さを足す。
解法1
接点を
$$ T=(\cos\theta,\sin\theta)
$$
とおく。ただし $0\leqq \theta\leqq \pi$ である。
初め、点 $P$ は $B(\sqrt{2},0)$ にある。直線 $BT$ が半円に接しているので、半径 $OT$ と $BT$ は垂直である。したがって
$$ (B-T)\cdot T=0
$$
より
$$ (\sqrt{2}-\cos\theta)\cos\theta+(0-\sin\theta)\sin\theta=0
$$
である。これを整理すると
$$ \sqrt{2}\cos\theta-1=0
$$
だから
$$ \cos\theta=\frac{1}{\sqrt{2}}
$$
となる。$T$ は上半円上にあるので、初期の接点は
$$ \theta=\frac{\pi}{4}
$$
である。
また、接線の長さは
$$ BT=\sqrt{OB^2-OT^2}=\sqrt{2-1}=1
$$
である。よって糸全体の長さ $L$ は、半円上の弧 $AT$ の長さと $BT$ の和であるから
$$ L=\left(\pi-\frac{\pi}{4}\right)+1=\frac{3\pi}{4}+1
$$
である。
次に、ほどけている途中を考える。接点が $T=(\cos\theta,\sin\theta)$ にあるとき、弧 $AT$ の長さは $\pi-\theta$ である。したがって、接線部分の長さを $l$ とすると
$$ l=L-(\pi-\theta)
$$
であるから
$$ l=\theta+1-\frac{\pi}{4}
$$
となる。
点 $T$ における接線方向の単位ベクトルは、初期状態で $B$ の方を向く向きに取ると
$$ (\sin\theta,-\cos\theta)
$$
である。よって点 $P$ の座標は
$$ \begin{aligned} x&=\cos\theta+l\sin\theta,\\ y&=\sin\theta-l\cos\theta \end{aligned}
$$
である。ここで
$$ l=\theta+1-\frac{\pi}{4}
$$
であるから、微分すると
$$ \begin{aligned} \frac{dx}{d\theta} &=-\sin\theta+\sin\theta+l\cos\theta\\ &=l\cos\theta,\\ \frac{dy}{d\theta} &=\cos\theta-\cos\theta+l\sin\theta\\ &=l\sin\theta \end{aligned}
$$
となる。したがって、ほどけている間の速度の大きさは
$$ \sqrt{\left(\frac{dx}{d\theta}\right)^2+\left(\frac{dy}{d\theta}\right)^2} =l
$$
である。
点 $P$ が反時計回りに動くとき、$\theta$ は $\frac{\pi}{4}$ から $\pi$ まで増加する。よって、半円から糸がほどけている間の軌跡の長さを $S_1$ とすると
$$ S_1=\int_{\pi/4}^{\pi}\left(\theta+1-\frac{\pi}{4}\right),d\theta
$$
である。これを計算すると
$$ \begin{aligned} S_1 &=\left[\frac{1}{2}\left(\theta+1-\frac{\pi}{4}\right)^2\right]_{\pi/4}^{\pi}\\ &=\frac{1}{2}\left\{\left(1+\frac{3\pi}{4}\right)^2-1\right\}. \end{aligned}
$$
ここで、ほどけている途中に点 $P$ が再び $x$ 軸上に来るかを確認しておく。
点 $P$ の $y$ 座標は
$$ y=\sin\theta-\left(\theta+1-\frac{\pi}{4}\right)\cos\theta
$$
である。$\frac{\pi}{4}<\theta<\frac{\pi}{2}$ では、$y=0$ は
$$ \tan\theta=\theta+1-\frac{\pi}{4}
$$
と同値である。関数
$$ f(\theta)=\tan\theta-\theta-1+\frac{\pi}{4}
$$
を考えると、
$$ f\left(\frac{\pi}{4}\right)=0,\qquad f'(\theta)=\tan^2\theta>0
$$
であるから、$\frac{\pi}{4}<\theta<\frac{\pi}{2}$ では $f(\theta)>0$ であり、$y=0$ とはならない。
また、$\frac{\pi}{2}\leqq\theta\leqq\pi$ では $\sin\theta\geqq0,\ \cos\theta\leqq0$ なので
$$ y=\sin\theta-\left(\theta+1-\frac{\pi}{4}\right)\cos\theta>0
$$
である。したがって、糸が半円から完全にほどけるまで、点 $P$ は $x$ 軸上に戻らない。
$\theta=\pi$ のとき、接点は $A$ となり、糸は半円から完全にほどける。このとき、点 $P$ は点 $A$ から上向きに距離 $L$ だけ離れた位置にある。
その後は、糸全体がまっすぐになり、点 $P$ は点 $A$ を中心、半径 $L$ の円周上を反時計回りに動く。上向きの位置から次に $x$ 軸上に来るのは、点 $A$ の左側に来るときであり、中心角は
$$ \frac{\pi}{2}
$$
である。
したがって、この部分の長さを $S_2$ とすると
$$ S_2=L\cdot\frac{\pi}{2} =\left(1+\frac{3\pi}{4}\right)\frac{\pi}{2}
$$
である。
よって求める曲線 $C$ の長さ $S$ は
$$ \begin{aligned} S &=S_1+S_2\\ &=\frac{1}{2}\left\{\left(1+\frac{3\pi}{4}\right)^2-1\right\} +\left(1+\frac{3\pi}{4}\right)\frac{\pi}{2}. \end{aligned}
$$
これを整理する。
$$ \begin{aligned} S &=\frac{1}{2}\left(1+\frac{3\pi}{2}+\frac{9\pi^2}{16}-1\right) +\frac{\pi}{2}+\frac{3\pi^2}{8}\\ &=\frac{3\pi}{4}+\frac{9\pi^2}{32} +\frac{\pi}{2}+\frac{12\pi^2}{32}\\ &=\frac{5\pi}{4}+\frac{21\pi^2}{32}. \end{aligned}
$$
解説
この問題の中心は、糸の端が描く曲線を「円の伸開線」として処理することである。接点の中心角を $\theta$ とおくと、接線部分の長さが $\theta$ の一次式になり、軌跡の長さもそのまま積分で求められる。
注意すべき点は、糸が半円から完全にほどけた時点では、点 $P$ はまだ $x$ 軸上に戻っていないことである。その後は、点 $A$ を中心とする円運動に切り替わるため、その円弧の長さを加える必要がある。
答え
$$ \boxed{\frac{5\pi}{4}+\frac{21\pi^2}{32}}
$$