基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題8 解説
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解説
方針・初手
点 $P$ の $x$ 座標を $t,(>0)$ とおく。すると、条件「$P$ の位置に関係なく常に $U=2V$」は、すべての $t>0$ に対して成り立つ関係式になる。
まず $U,\ V$ を $t$ と $f(t)$ で表し、その恒等式を微分して $f$ の満たす微分方程式を求めるのが自然である。
解法1
点 $P$ を
$$ P=(t,f(t)) \qquad (t>0)
$$
とする。このとき、$Q=(t,0)$ である。
曲線 $C$、$x$ 軸、$y$ 軸、および線分 $PQ$ によって囲まれる部分は、$x=0$ から $x=t$ までの $y=f(x)$ の下側の部分である。これを $x$ 軸のまわりに回転してできる立体の体積 $U$ は、円板法により
$$ U=\pi \int_0^t {f(x)}^2,dx
$$
である。
一方、三角形 $OPQ$ を $x$ 軸のまわりに回転すると、高さ $t$、底面の半径 $f(t)$ の円錐になるから、その体積 $V$ は
$$ V=\frac{1}{3}\pi {f(t)}^2 t
$$
である。
仮定より、すべての $t>0$ に対して
$$ U=2V
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} \pi \int_0^t {f(x)}^2,dx &= \frac{2}{3}\pi t{f(t)}^2 \end{aligned} $$
すなわち
$$ \begin{aligned} \int_0^t {f(x)}^2,dx &= \frac{2}{3}t{f(t)}^2 \qquad (t>0) \end{aligned} $$
を得る。
ここで両辺を $t$ で微分する。左辺は微分積分学の基本定理により ${f(t)}^2$、右辺は積の微分により
$$ \begin{aligned} \frac{d}{dt}\left(\frac{2}{3}t{f(t)}^2\right) &= \frac{2}{3}\left({f(t)}^2+2t f(t)f'(t)\right) \end{aligned} $$
となるから、
$$ \begin{aligned} {f(t)}^2 &= \frac{2}{3}\left({f(t)}^2+2t f(t)f'(t)\right) \end{aligned} $$
である。
これを整理すると、
$$ \begin{aligned} 3{f(t)}^2 &= 2{f(t)}^2+4t f(t)f'(t) \end{aligned} $$
したがって
$$ {f(t)}^2=4t f(t)f'(t)
$$
となる。$f(t)>0$ なので $f(t)$ で割ることができて、
$$ f(t)=4t f'(t)
$$
すなわち
$$ \frac{f'(t)}{f(t)}=\frac{1}{4t}
$$
を得る。
これを積分すると、
$$ \log f(t)=\frac{1}{4}\log t + C
$$
ゆえに
$$ f(t)=A t^{1/4} \qquad (A>0)
$$
である。
条件 $f(1)=1$ を用いると
$$ 1=f(1)=A
$$
であるから、
$$ f(t)=t^{1/4}
$$
となる。したがって求める関数は
$$ f(x)=x^{1/4}\qquad (x\geqq 0)
$$
である。
実際、
$$ f'(x)=\frac{1}{4}x^{-3/4}>0 \qquad (x>0)
$$
であり、条件 $f'(x)>0$ も満たす。
さらに確認すると、
$$ U=\pi\int_0^t x^{1/2},dx =\frac{2}{3}\pi t^{3/2}
$$
$$ V=\frac{1}{3}\pi t\cdot t^{1/2} =\frac{1}{3}\pi t^{3/2}
$$
より、確かに常に
$$ U=2V
$$
である。
解説
この問題の要点は、幾何的条件を「任意の $t>0$ に対する恒等式」に直すことである。
$U$ は回転体の体積として積分で表され、$V$ は円錐の体積として直接表せる。そこから得られる積分方程式を微分すると、$f$ に関する微分方程式に落ちる。条件 $f(t)>0$ があるため $f(t)$ で割れる点も重要である。
答え
$$ f(x)=x^{1/4}\qquad (x\geqq 0)
$$
である。