基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題10 解説
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解説
方針・初手
$y=f(x)$ の下の部分を $y$ 軸のまわりに回転するとき、$x$ を一定にした細い縦長の部分は、半径 $x$、高さ $f(x)$、厚さ $dx$ の円筒殻になる。
したがって、微小体積は
$$ dV=2\pi x f(x)\,dx $$
とみなせるので、これを $x=0$ から $x=1$ まで積分すれば体積が求まる。
解法1
まず
$$ f(x)=\pi x^2\sin(\pi x^2)
$$
である。
$0\leqq x\leqq 1$ では $0\leqq \pi x^2\leqq \pi$ であるから、
$$ \sin(\pi x^2)\geqq 0
$$
となり、求める図形は確かに $x$ 軸との間にはさまれた部分として考えられる。
ここで、区間 $[0,1]$ を細かく分け、幅 $\Delta x$ の縦長の小部分を考える。この小部分を $y$ 軸のまわりに回転すると、半径がおよそ $x$、高さがおよそ $f(x)$、厚さ $\Delta x$ の円筒殻ができるから、その体積はおよそ
$$ 2\pi x f(x)\,\Delta x $$
である。
これらを全部足し合わせ、分割を無限に細かくすると、体積 $V$ は
$$ V=2\pi\int_0^1 x f(x)\,dx $$
で与えられる。
あとはこれを計算すればよい。 $f(x)=\pi x^2\sin(\pi x^2)$ を代入すると
$$ V=2\pi\int_0^1 x\cdot \pi x^2\sin(\pi x^2),dx =2\pi^2\int_0^1 x^3\sin(\pi x^2),dx
$$
となる。
ここで
$$ t=x^2
$$
とおくと、
$$ dt=2x\,dx,\qquad x^3dx=x^2(x\,dx)=\frac{t}{2}\,dt $$
であり、積分区間は $x=0,1$ に対応して $t=0,1$ となる。よって
$$ V =2\pi^2\int_0^1 x^3\sin(\pi x^2),dx =\pi^2\int_0^1 t\sin(\pi t),dt
$$
となる。
この積分を部分積分する。 $u=t,\ dv=\sin(\pi t),dt$ とおけば
$$ du=dt,\qquad v=-\frac{1}{\pi}\cos(\pi t)
$$
だから
$$ \int_0^1 t\sin(\pi t),dt =\left[-\frac{t}{\pi}\cos(\pi t)\right]_0^1+\frac{1}{\pi}\int_0^1 \cos(\pi t),dt
$$
である。
第1項は
$$ \left[-\frac{t}{\pi}\cos(\pi t)\right]_0^1 =-\frac{1}{\pi}\cos\pi =\frac{1}{\pi}
$$
であり、第2項は
$$ \frac{1}{\pi}\int_0^1 \cos(\pi t),dt =\frac{1}{\pi}\left[\frac{1}{\pi}\sin(\pi t)\right]_0^1 =0
$$
となる。
したがって
$$ \int_0^1 t\sin(\pi t),dt=\frac{1}{\pi}
$$
であり、
$$ V=\pi^2\cdot \frac{1}{\pi}=\pi
$$
を得る。
解説
この問題の要点は、$y$ 軸回転の体積を「円板」ではなく「円筒殻」で見ることである。$x$ を固定した縦の細片を回転させると、半径 $x$、高さ $f(x)$ の殻になるため、
$$ dV=2\pi x f(x)\,dx $$
が自然に出る。
計算面では、$f(x)$ に $\sin(\pi x^2)$ が含まれているので、$x^2=t$ と置くのが基本である。その後は部分積分で素直に処理できる。
答え
$$ V=2\pi\int_0^1 x f(x)\,dx $$
であり、その値は
$$ V=\pi
$$
である。