基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題13 解説
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解説
方針・初手
まず極限の値を $|x|<1,\ |x|>1,\ x=\pm1$ に分けて求める。特に $x=-1$ では $x^{2n}$ と $x^{2n+1}$ がそれぞれ $1,-1$ になるため、別に計算する必要がある。
回転体の体積では、線分は $y=x$ であり、回転軸も $y=x$ である。したがって、軸 $y=x$ からの距離を半径として面積要素を回転させる。
解法1
まず $f(x)$ を求める。
$|x|<1$ のとき、$x^{2n}\to0,\ x^{2n+1}\to0$ であるから、
$$ f(x)=\frac{x^5+x^2}{x^2+1}
$$
である。
$|x|>1$ のとき、分母分子を $x^{2n}$ で割ると、
$$ f(x)=\lim_{n\to\infty} \frac{x+\dfrac{x^5}{x^{2n}}+\dfrac{x^2}{x^{2n}}} {1+\dfrac{x^2}{x^{2n}}+\dfrac{1}{x^{2n}}} =x
$$
である。
また、
$$ f(1)=\frac{1+1+1}{1+1+1}=1
$$
であり、
$$ f(-1)=\frac{-1-1+1}{1+1+1}=-\frac13
$$
である。
よって
$$ f(x)= \begin{cases} x & (|x|>1),\\ \dfrac{x^5+x^2}{x^2+1} & (|x|<1),\\ -\dfrac13 & (x=-1),\\ 1 & (x=1) \end{cases}
$$
となる。
次に、$-1<x<1$ において
$$ g(x)=\frac{x^5+x^2}{x^2+1}
$$
とおく。
このとき
$$ \begin{aligned} g'(x) &= \frac{(5x^4+2x)(x^2+1)-2x(x^5+x^2)}{(x^2+1)^2} \\ \frac{x(3x^5+5x^3+2)}{(x^2+1)^2} \end{aligned} $$
である。
$h(x)=3x^5+5x^3+2$ とおくと、
$$ h'(x)=15x^4+15x^2\geqq0
$$
であり、$h(x)$ は増加する。また
$$ h(-1)=-6,\qquad h(0)=2
$$
だから、$h(x)=0$ は $-1<x<0$ にただ1つの解をもつ。その解を $\alpha$ とすると、$\alpha\fallingdotseq -0.679$ である。
したがって、$-1<x<1$ におけるグラフは、$x=\alpha$ で極大、$x=0$ で極小をもつ。
端点付近の様子は
$$ \lim_{x\to -1+}g(x)=0,\qquad g(0)=0,\qquad g(1)=1
$$
である。
一方、$x=-1$ では $f(-1)=-1/3$ であり、左側 $x<-1$ では $y=x$ なので、$(-1,-1)$ はグラフ上の点ではなく、$(-1,-1/3)$ が孤立した点になる。
以上より、グラフは次のように描かれる。
$x<-1$ と $x>1$ では直線 $y=x$ である。$-1<x<1$ では曲線
$$ y=\frac{x^5+x^2}{x^2+1}
$$
であり、右から $(-1,0)$ に近づき、途中で極大をとったあと $(0,0)$ を通り、さらに増加して $(1,1)$ に至る。ただし $x=-1$ での実際の点は $(-1,-1/3)$ である。
次に回転体の体積を求める。
線分 $y=x$ と曲線が実際に囲む閉じた部分は、$(0,0)$ から $(1,1)$ までの部分である。実際、
$$ \begin{aligned} g(x)-x &= \frac{x^5+x^2-x(x^2+1)}{x^2+1} \\ \frac{x(x-1)(x^3+x^2+1)}{x^2+1} \end{aligned} $$
であり、$0<x<1$ では $g(x)<x$ である。
よって、考える領域は
$$ 0\leqq x\leqq1,\qquad g(x)\leqq y\leqq x
$$
である。
点 $(x,y)$ から直線 $y=x$ までの距離は
$$ \frac{|y-x|}{\sqrt2}
$$
である。ここでは $y\leqq x$ だから、距離は
$$ \frac{x-y}{\sqrt2}
$$
である。
したがって、面積要素 $dA$ を直線 $y=x$ のまわりに回転させたときの体積要素は
$$ 2\pi \frac{x-y}{\sqrt2},dA
$$
である。
よって求める体積 $V$ は
$$ \begin{aligned} V &=\int_0^1\int_{g(x)}^x 2\pi\frac{x-y}{\sqrt2},dy,dx\\ &=\sqrt2\pi\int_0^1\left[\frac{(x-y)^2}{2}\right]_{y=g(x)}^{y=x},dx\\ &=\frac{\pi}{\sqrt2}\int_0^1{x-g(x)}^2,dx \end{aligned}
$$
となる。
ここで
$$ \begin{aligned} x-g(x) &= x-\frac{x^5+x^2}{x^2+1} \\ \frac{x(1-x)(x^3+x^2+1)}{x^2+1} \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} {x-g(x)}^2 &= \frac{x^2(1-x)^2(x^3+x^2+1)^2}{(x^2+1)^2} \end{aligned} $$
である。
これを整理すると、
$$ \begin{aligned} {x-g(x)}^2 &= x^6-4x^4+2x^3+6x^2-6x-5 + \frac{8x+5}{x^2+1} &= \frac{2x}{(x^2+1)^2} \end{aligned} $$
となる。
したがって
$$ \begin{aligned} \int_0^1{x-g(x)}^2,dx &= \int_0^1 \left( x^6-4x^4+2x^3+6x^2-6x-5 \right),dx\\ &\quad+ \int_0^1\frac{8x+5}{x^2+1},dx &=
\int_0^1\frac{2x}{(x^2+1)^2},dx\\ &= -\frac{431}{70} + \left(4\log2+\frac{5\pi}{4}\right) -\frac12\\ &= -\frac{233}{35}+4\log2+\frac{5\pi}{4} \end{aligned}
$$
である。
よって
$$ V =
\frac{\pi}{\sqrt2} \left( \frac{5\pi}{4}+4\log2-\frac{233}{35} \right)
$$
である。
解説
この問題の注意点は、$x=-1$ における値である。$|x|<1$ の式をそのまま $x=-1$ に代入してはいけない。実際、$x=-1$ では $f(-1)=-1/3$ となり、グラフはそこで不連続になる。
また、線分 $y=x$ とグラフで囲まれる部分は、$-1\leqq x\leqq1$ 全体ではない。$x=-1$ では曲線と線分が閉じていないため、実際に閉じた領域を作るのは $(0,0)$ から $(1,1)$ までの部分である。
回転軸が $y=x$ なので、通常の $x$ 軸まわり・$y$ 軸まわりの公式をそのまま使うのではなく、直線 $y=x$ からの距離
$$ \frac{|x-y|}{\sqrt2}
$$
を半径として扱うのが重要である。
答え
**(1)**
$$ f(x)= \begin{cases} x & (|x|>1),\\ \dfrac{x^5+x^2}{x^2+1} & (|x|<1),\\ -\dfrac13 & (x=-1),\\ 1 & (x=1) \end{cases}
$$
グラフは、$x<-1,\ x>1$ では直線 $y=x$、$-1<x<1$ では
$$ y=\frac{x^5+x^2}{x^2+1}
$$
である。$x=-1$ では孤立点 $(-1,-1/3)$ をもち、$x=1$ では $(1,1)$ を通る。
**(2)**
$$ \boxed{ \frac{\pi}{\sqrt2} \left( \frac{5\pi}{4}+4\log2-\frac{233}{35} \right) }
$$