基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題16 解説
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解説
方針・初手
回転体の体積は、$x$ 軸まわりなので
$$ V_k=\pi\int_{(k-1)\pi}^{k\pi}y^2,dx
$$
で求める。ここで $y=e^{-x}\sin x$ であるから、符号の変化は体積には影響せず、$e^{-2x}\sin^2x$ を積分すればよい。
解法1
まず、曲線
$$ y=e^{-x}\sin x
$$
の $x>0$ における最大値・最小値を求める。
微分すると
$$ y'=e^{-x}\cos x-e^{-x}\sin x=e^{-x}(\cos x-\sin x)
$$
である。$e^{-x}>0$ より、極値をとる点は
$$ \cos x-\sin x=0
$$
すなわち
$$ \tan x=1
$$
を満たす点である。したがって
$$ x=\frac{\pi}{4}+n\pi\qquad(n=0,1,2,\dots)
$$
で極値をとる。
このときの値は
$$ y=e^{-\left(\frac{\pi}{4}+n\pi\right)}\sin\left(\frac{\pi}{4}+n\pi\right)
$$
であるから、
$$ y=(-1)^n\frac{1}{\sqrt2}e^{-\left(\frac{\pi}{4}+n\pi\right)}
$$
となる。
$n$ が偶数のとき正、$n$ が奇数のとき負であり、$n$ が大きくなるほど絶対値は小さくなる。よって、最大値は $n=0$ のとき、最小値は $n=1$ のときである。
したがって
$$ \text{最大値}=\frac{1}{\sqrt2}e^{-\frac{\pi}{4}}
$$
であり、
$$ \text{最小値}=-\frac{1}{\sqrt2}e^{-\frac{5\pi}{4}}
$$
である。
次に $V_k$ を求める。回転体の体積は
$$ V_k=\pi\int_{(k-1)\pi}^{k\pi}\left(e^{-x}\sin x\right)^2,dx
$$
であるから、
$$ V_k=\pi\int_{(k-1)\pi}^{k\pi}e^{-2x}\sin^2x,dx
$$
となる。
ここで
$$ \sin^2x=\frac{1-\cos2x}{2}
$$
を用いると、
$$ V_k=\frac{\pi}{2}\int_{(k-1)\pi}^{k\pi}e^{-2x}(1-\cos2x),dx
$$
である。
よって
$$ V_k=\frac{\pi}{2}\left\{\int_{(k-1)\pi}^{k\pi}e^{-2x},dx-\int_{(k-1)\pi}^{k\pi}e^{-2x}\cos2x,dx\right\}
$$
となる。
まず
$$ \int e^{-2x},dx=-\frac12e^{-2x}
$$
である。また、問題で与えられた関係式より
$$ \int e^{-2x}\cos2x,dx=\frac14e^{-2x}(\sin2x-\cos2x)
$$
である。
したがって、$e^{-2x}\sin^2x$ の不定積分は
$$ \begin{aligned} \int e^{-2x}\sin^2x,dx &=\frac12\int e^{-2x}(1-\cos2x),dx\\ &=\frac12\left\{-\frac12e^{-2x}-\frac14e^{-2x}(\sin2x-\cos2x)\right\}\\ &=-\frac14e^{-2x}-\frac18e^{-2x}\sin2x+\frac18e^{-2x}\cos2x \end{aligned}
$$
である。
$x=(k-1)\pi,\ k\pi$ では、ともに
$$ \sin2x=0,\qquad \cos2x=1
$$
である。よって、この原始関数の値は
$$ -\frac18e^{-2x}
$$
となる。
したがって
$$ \begin{aligned} \int_{(k-1)\pi}^{k\pi}e^{-2x}\sin^2x,dx &=\left[-\frac18e^{-2x}\right]_{(k-1)\pi}^{k\pi}\\ &=-\frac18e^{-2k\pi}+\frac18e^{-2(k-1)\pi}\\ &=\frac18e^{-2(k-1)\pi}(1-e^{-2\pi}) \end{aligned}
$$
である。
ゆえに
$$ V_k=\frac{\pi}{8}e^{-2(k-1)\pi}(1-e^{-2\pi})
$$
となる。
次に
$$ \frac{V_{k+1}}{V_k}
$$
を求める。上で求めた式より
$$ V_{k+1}=\frac{\pi}{8}e^{-2k\pi}(1-e^{-2\pi})
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} \frac{V_{k+1}}{V_k} &=\frac{\frac{\pi}{8}e^{-2k\pi}(1-e^{-2\pi})}{\frac{\pi}{8}e^{-2(k-1)\pi}(1-e^{-2\pi})}\\ &=e^{-2\pi} \end{aligned}
$$
となる。
最後に
$$ \sum_{k=1}^{\infty}V_k
$$
を求める。$V_k$ は
$$ V_k=\frac{\pi}{8}(1-e^{-2\pi})\left(e^{-2\pi}\right)^{k-1}
$$
であるから、初項 $\dfrac{\pi}{8}(1-e^{-2\pi})$、公比 $e^{-2\pi}$ の無限等比級数である。
したがって
$$ \begin{aligned} \sum_{k=1}^{\infty}V_k &=\frac{\frac{\pi}{8}(1-e^{-2\pi})}{1-e^{-2\pi}}\\ &=\frac{\pi}{8} \end{aligned}
$$
である。
解説
この問題の中心は、$x$ 軸まわりの回転体の体積が $\pi\int y^2,dx$ で与えられる点である。曲線 $y=e^{-x}\sin x$ は区間ごとに符号が変わるが、体積では $y^2$ を用いるため、符号は問題にならない。
また、$V_k$ は区間が $\pi$ ずつ右へ移動するたびに $e^{-2\pi}$ 倍される。これは $y^2=e^{-2x}\sin^2x$ において、指数部分 $e^{-2x}$ が区間の移動によって一定比で減少するためである。
答え
**(1)**
最大値は
$$ \frac{1}{\sqrt2}e^{-\frac{\pi}{4}}
$$
最小値は
$$ -\frac{1}{\sqrt2}e^{-\frac{5\pi}{4}}
$$
である。
**(2)**
$$ V_k=\frac{\pi}{8}e^{-2(k-1)\pi}(1-e^{-2\pi})
$$
**(3)**
$$ \frac{V_{k+1}}{V_k}=e^{-2\pi}
$$
**(4)**
$$ \sum_{k=1}^{\infty}V_k=\frac{\pi}{8}
$$