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数学3 積分法「体積」の問題17 解説
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解説
方針・初手
円錐は回転対称であるから、座標を適切にとっても一般性を失わない。底面を $z=0$、底面の中心を $O(0,0,0)$、頂点を $A(0,0,a)$ とおく。
すると円錐は
$$ x^2+y^2\leqq (a-z)^2,\qquad 0\leqq z\leqq a
$$
で表される。
平面 $P$ は点 $O$ を通り、底面となす角が $45^\circ$ であるから、回転対称性により
$$ P:\ z=x
$$
としてよい。
この設定で、(1) は切り口の図形を調べ、(2) は底面上の各点の真上にできる高さを積分して求める。
解法1
(1) 切り口の面積
平面 $P$ 上では $z=x$ であるから、円錐の側面との交線は
$$ x^2+y^2=(a-x)^2
$$
すなわち
$$ y^2=a^2-2ax
$$
で与えられる。これは $xy$ 平面上では放物線であり、$x=0$ で $y=\pm a$、$y=0$ で $x=\dfrac a2$ となる。
したがって、切り口を底面 $z=0$ に正射影した図形は、
$$ 0\leqq x\leqq \frac a2,\qquad -\sqrt{a^2-2ax}\leqq y\leqq \sqrt{a^2-2ax}
$$
で表される放物線弓形である。その面積を $S_0$ とすると、
$$ S_0=\int_0^{a/2}2\sqrt{a^2-2ax},dx
$$
である。置換 $u=a^2-2ax$ を用いると、
$$ \begin{aligned} S_0 &=2\int_0^{a/2}\sqrt{a^2-2ax},dx \\ &=\frac1a\int_0^{a^2}\sqrt{u},du \\ &=\frac1a\cdot \frac23 u^{3/2}\Big|_0^{a^2} \\ &=\frac{2a^2}{3}. \end{aligned}
$$
ここで、平面 $P$ と底面のなす角は $45^\circ$ であるから、正射影による面積の比は $\cos 45^\circ=\dfrac1{\sqrt2}$ である。よって切り口の面積 $S$ は
$$ S=\frac{S_0}{\cos45^\circ}=\sqrt2,S_0=\frac{2\sqrt2}{3}a^2
$$
となる。
(2) 小さい方の体積
平面 $P:z=x$ は頂点 $A(0,0,a)$ を含まないので、頂点を含まない側が小さい方である。この部分は $z\leqq x$ 側にある。
底面上で極座標
$$ x=r\cos\theta,\qquad y=r\sin\theta
$$
を用いる。ただし小さい方は $x\geqq 0$ 側にあるから、
$$ 0\leqq r\leqq a,\qquad -\frac{\pi}{2}\leqq \theta\leqq \frac{\pi}{2}
$$
とする。
底面上の点 $(r,\theta)$ の真上で、円錐の上面の高さは
$$ z=a-r
$$
であり、平面 $P$ の高さは
$$ z=x=r\cos\theta
$$
である。したがって小さい方の立体の高さは
$$ \min(r\cos\theta,\ a-r)
$$
となる。
両者が等しくなるのは
$$ r\cos\theta=a-r
$$
すなわち
$$ r=\frac{a}{1+\cos\theta}
$$
のときである。よって求める体積を $V$ とすると、
$$ V=\int_{-\pi/2}^{\pi/2} \left( \int_0^{a/(1+\cos\theta)} r\cdot r\cos\theta,dr + \int_{a/(1+\cos\theta)}^a r(a-r),dr \right) d\theta
$$
である。ここで $r,dr,d\theta$ は極座標の面積要素である。
内側の積分を計算すると、
$$ \begin{aligned} \int_0^{a/(1+\cos\theta)} r^2\cos\theta,dr + \int_{a/(1+\cos\theta)}^a r(a-r),dr &= \frac{a^3}{6}-\frac{a^3}{6(1+\cos\theta)^2} \end{aligned} $$
となる。したがって
$$ V=\frac{a^3}{6}\int_{-\pi/2}^{\pi/2}\left(1-\frac1{(1+\cos\theta)^2}\right)d\theta =\frac{a^3}{6}\left( \pi-\int_{-\pi/2}^{\pi/2}\frac{d\theta}{(1+\cos\theta)^2} \right).
$$
ここで
$$ 1+\cos\theta=2\cos^2\frac{\theta}{2}
$$
より、
$$ \begin{aligned} \int_{-\pi/2}^{\pi/2}\frac{d\theta}{(1+\cos\theta)^2} &=\int_{-\pi/2}^{\pi/2}\frac{1}{4}\sec^4\frac{\theta}{2},d\theta \\ &=\int_{-\pi/4}^{\pi/4}\frac12\sec^4 u,du \qquad \left(u=\frac{\theta}{2}\right) \\ &=\int_0^{\pi/4}\sec^4 u,du \\ &=\left[\tan u+\frac13\tan^3u\right]_0^{\pi/4} \\ &=1+\frac13=\frac43. \end{aligned}
$$
したがって
$$ V=\frac{a^3}{6}\left(\pi-\frac43\right) =\frac{3\pi-4}{18}a^3.
$$
これが小さい方の体積である。
解説
この問題の要点は、平面 $P$ を回転対称性によって $z=x$ とおけることにある。すると切り口は
$$ y^2=a^2-2ax
$$
で表される放物線弓形になり、(1) は正射影を使うと面積がすぐ求まる。
また (2) は、底面上の各点の真上で「円錐の高さ」と「平面 $P$ の高さ」の小さい方を積分すればよい。立体全体を無理に三次元で扱うより、底面上の極座標で高さを整理するのが最も自然である。
答え
**(1)**
切り口の面積は
$$ \frac{2\sqrt2}{3}a^2
$$
である。
**(2)**
小さい方の体積は
$$ \frac{3\pi-4}{18}a^3
$$
である。