基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題19 解説
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解説
方針・初手
まず
$$ f(x)=\frac{x^2+2x+1}{x^2+1}=1+\frac{2x}{x^2+1}
$$
と変形する。
これにより,$y=1$ との位置関係や極限が見やすくなる。 (1) では $f'(x),f''(x)$ を調べればよい。 (2) では,$x=t$ における接線の $y$ 切片を $t$ の式で表し,その最小値を求める。 (3) では,囲まれた部分を直線 $y=1$ の周りに回転させるので,半径は $1-y$ で表して積分すればよい。
解法1
(1) 増減,極値,凹凸,変曲点
まず微分する。
$$ f'(x)=\left(1+\frac{2x}{x^2+1}\right)' =\frac{2(x^2+1)-4x^2}{(x^2+1)^2} =\frac{2(1-x^2)}{(x^2+1)^2}
$$
分母は常に正であるから,$f'(x)$ の符号は $1-x^2$ の符号で決まる。したがって,
- $(-\infty,-1)$ で減少
- $(-1,1)$ で増加
- $(1,\infty)$ で減少
となる。
また,
$$ f(-1)=\frac{(-1+1)^2}{(-1)^2+1}=0,\qquad f(1)=\frac{(1+1)^2}{1^2+1}=2
$$
より,
- $x=-1$ で極小値 $0$
- $x=1$ で極大値 $2$
をとる。
次に2回微分すると,
$$ f''(x)=\left(\frac{2(1-x^2)}{(x^2+1)^2}\right)' =\frac{4x(x^2-3)}{(x^2+1)^3}
$$
となる。分母は常に正であるから,$f''(x)$ の符号は $x(x^2-3)$ の符号で決まる。
よって,
- $x<-\sqrt{3}$ で $f''(x)<0$ なので上に凸
- $-\sqrt{3}<x<0$ で $f''(x)>0$ なので下に凸
- $0<x<\sqrt{3}$ で $f''(x)<0$ なので上に凸
- $x>\sqrt{3}$ で $f''(x)>0$ なので下に凸
である。
したがって変曲点は
$$ x=-\sqrt{3},\ 0,\ \sqrt{3}
$$
であり,その座標は
$$ f(-\sqrt{3}) =\frac{(-\sqrt{3}+1)^2}{(-\sqrt{3})^2+1} =\frac{4-2\sqrt{3}}{4} =1-\frac{\sqrt{3}}{2},
$$
$$ f(0)=1,
$$
$$ f(\sqrt{3}) =\frac{(\sqrt{3}+1)^2}{(\sqrt{3})^2+1} =\frac{4+2\sqrt{3}}{4} =1+\frac{\sqrt{3}}{2}
$$
より,
$$ \left(-\sqrt{3},1-\frac{\sqrt{3}}{2}\right),\quad (0,1),\quad \left(\sqrt{3},1+\frac{\sqrt{3}}{2}\right)
$$
である。
さらに,
$$ f(x)=1+\frac{2x}{x^2+1}
$$
より,
$$ \lim_{x\to\pm\infty}f(x)=1
$$
なので,$y=1$ は水平漸近線である。 また $f(x)=0$ となるのは $x=-1$ のみであり,その点で極小値 $0$ をとるから,グラフは $(-1,0)$ で $x$ 軸に接する。
以上より,グラフの概形は,左方・右方でともに $y=1$ に近づき,$(-1,0)$ で極小,$(1,2)$ で極大をもち,3つの変曲点を通る形である。
(2) $y$ 切片が最小となる接線
曲線上の点 $x=t$ における接線を考える。接線の方程式は
$$ y=f'(t)(x-t)+f(t)
$$
であるから,その $y$ 切片は
$$ \phi(t)=f(t)-t f'(t)
$$
である。
ここで
$$ f(t)=1+\frac{2t}{t^2+1},\qquad f'(t)=\frac{2(1-t^2)}{(t^2+1)^2}
$$
より,
$$ \phi(t) =1+\frac{2t}{t^2+1}-t\cdot \frac{2(1-t^2)}{(t^2+1)^2} =1+\frac{4t^3}{(t^2+1)^2}
$$
となる。
これを微分すると,
$$ \phi'(t) =\frac{4t^2(3-t^2)}{(t^2+1)^3}
$$
である。したがって,
- $|t|>\sqrt{3}$ で $\phi'(t)<0$
- $|t|<\sqrt{3}$ で $\phi'(t)>0$
となるから,$\phi(t)$ は $t=-\sqrt{3}$ で最小となる。
このとき
$$ f(-\sqrt{3})=1-\frac{\sqrt{3}}{2},\qquad f'(-\sqrt{3})=\frac{2(1-3)}{(3+1)^2}=-\frac14
$$
であるから,求める接線 $l$ は
$$ y-\left(1-\frac{\sqrt{3}}{2}\right) =-\frac14(x+\sqrt{3})
$$
すなわち
$$ l:\ y=-\frac14x+1-\frac{3\sqrt{3}}{4}
$$
である。
(3) 回転体の体積
直線 $l$ と $y=1$ の交点は
$$ 1=-\frac14x+1-\frac{3\sqrt{3}}{4}
$$
より
$$ x=-3\sqrt{3}
$$
である。
また,$f(x)=1$ より
$$ 1+\frac{2x}{x^2+1}=1
$$
となるから,
$$ x=0
$$
であり,曲線と $y=1$ の交点は $(0,1)$ である。
したがって,囲まれた図形 $D$ は,
- $x=-3\sqrt{3}$ から $x=-\sqrt{3}$ までは直線 $l$ と $y=1$ の間
- $x=-\sqrt{3}$ から $x=0$ までは曲線 $y=f(x)$ と $y=1$ の間
からなる。
これを $y=1$ の周りに回転させると,体積 $V$ は
$$ V =\pi \int_{-3\sqrt{3}}^{-\sqrt{3}}(1-l(x))^2,dx +\pi \int_{-\sqrt{3}}^{0}(1-f(x))^2,dx
$$
である。
まず
$$ 1-l(x) =1-\left(-\frac14x+1-\frac{3\sqrt{3}}{4}\right) =\frac{x+3\sqrt{3}}{4}
$$
より,
$$ \pi \int_{-3\sqrt{3}}^{-\sqrt{3}}(1-l(x))^2,dx =\pi \int_{-3\sqrt{3}}^{-\sqrt{3}}\left(\frac{x+3\sqrt{3}}{4}\right)^2 dx
$$
である。$u=x+3\sqrt{3}$ とおけば,
$$ \int_{-3\sqrt{3}}^{-\sqrt{3}}\left(\frac{x+3\sqrt{3}}{4}\right)^2 dx =\frac{1}{16}\int_{0}^{2\sqrt{3}}u^2,du =\frac{1}{16}\cdot \frac{(2\sqrt{3})^3}{3} =\frac{\sqrt{3}}{2}
$$
となる。
次に
$$ 1-f(x)=1-\left(1+\frac{2x}{x^2+1}\right) =-\frac{2x}{x^2+1}
$$
より,
$$ \int_{-\sqrt{3}}^{0}(1-f(x))^2,dx =\int_{-\sqrt{3}}^{0}\frac{4x^2}{(x^2+1)^2},dx
$$
である。
ここで
$$ \frac{4x^2}{(x^2+1)^2} =4\left(\frac{1}{x^2+1}-\frac{1}{(x^2+1)^2}\right)
$$
を用いると,
$$ \int \frac{4x^2}{(x^2+1)^2},dx =2\arctan x-\frac{2x}{x^2+1}
$$
だから,
$$ \int_{-\sqrt{3}}^{0}\frac{4x^2}{(x^2+1)^2},dx =\left(2\arctan x-\frac{2x}{x^2+1}\right)_{-\sqrt{3}}^{0} =\frac{2\pi}{3}-\frac{\sqrt{3}}{2}
$$
となる。
よって,
$$ V =\pi \left(\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{2\pi}{3}-\frac{\sqrt{3}}{2}\right) =\frac{2\pi^2}{3}
$$
である。
解説
この問題の核は,$f(x)$ を
$$ f(x)=1+\frac{2x}{x^2+1}
$$
と見て,基準線 $y=1$ とのずれで考えることである。
(1) では,極値は $f'(x)$,凹凸は $f''(x)$ の符号で機械的に決まる。さらに $x\to\pm\infty$ で $y=1$ に近づくこと,$x=-1$ で $x$ 軸に接することまで押さえると概形が確定する。
(2) では,接線そのものを直接最適化するより,接点を $x=t$ とおいて $y$ 切片 $\phi(t)$ を作るのが自然である。すると1変数関数の最大最小に帰着する。
(3) では,回転軸が $y=1$ なので半径は $1-y$ である。図形 $D$ の下側境界が途中で「直線」から「曲線」に切り替わるため,積分区間を $x=-\sqrt{3}$ で分けるのがポイントである。
答え
**(1)**
増加区間:$(-1,1)$
減少区間:$(-\infty,-1),\ (1,\infty)$
極小値:$0\quad (x=-1)$
極大値:$2\quad (x=1)$
上に凸:$(-\infty,-\sqrt{3}),\ (0,\sqrt{3})$
下に凸:$(-\sqrt{3},0),\ (\sqrt{3},\infty)$
変曲点:
$$ \left(-\sqrt{3},1-\frac{\sqrt{3}}{2}\right),\quad (0,1),\quad \left(\sqrt{3},1+\frac{\sqrt{3}}{2}\right)
$$
また,水平漸近線は $y=1$ である。
**(2)**
$$ l:\ y=-\frac14x+1-\frac{3\sqrt{3}}{4}
$$
**(3)**
$$ V=\frac{2\pi^2}{3}
$$