基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題21 解説
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解説
方針・初手
2つの球の方程式を書き、まずそれらの共通円がどの平面上にあるかを求める。
共通部分を $x$ 軸に垂直な平面で切ると、断面は円になる。その断面積を $x$ で積分すれば体積 $V(r)$ が求まる。さらに、半径 $\sqrt{1-r^2}$ を $s$ とおいて $r=\sin\theta,\ s=\cos\theta$ と表すと、最大値の検討がしやすい。
解法1
半径 $\sqrt{1-r^2}$ を
$$ s=\sqrt{1-r^2}
$$
とおく。
すると2つの球は
$$ x^2+y^2+z^2\leqq r^2
$$
および
$$ (x-1)^2+y^2+z^2\leqq s^2
$$
で表される。
まず、2つの球面の交わりがある平面を求める。境界面
$$ x^2+y^2+z^2=r^2, \qquad (x-1)^2+y^2+z^2=s^2
$$
の差をとると
$$ x^2-(x-1)^2=r^2-s^2
$$
であり、$s^2=1-r^2$ を用いれば
$$ 2x-1=2r^2-1
$$
となるから、
$$ x=r^2
$$
を得る。したがって、共通円は平面 $x=r^2$ 上にある。
次に、$x$ を固定したときの断面を考える。
球 $x^2+y^2+z^2\leqq r^2$ の断面円の半径の2乗は
$$ r^2-x^2
$$
であり、球 $(x-1)^2+y^2+z^2\leqq s^2$ の断面円の半径の2乗は
$$ s^2-(x-1)^2
$$
である。
この大小を比べると
$$ {s^2-(x-1)^2}-{r^2-x^2} = s^2-(x^2-2x+1)-r^2+x^2 =2x-(1+r^2-s^2)
$$
であり、$s^2=1-r^2$ より
$$ {s^2-(x-1)^2}-{r^2-x^2}=2(x-r^2)
$$
となる。
よって、
**(i)**
$x\leqq r^2$ のときは $s^2-(x-1)^2\leqq r^2-x^2$
**(ii)**
$x\geqq r^2$ のときは $r^2-x^2\leqq s^2-(x-1)^2$
である。
したがって、共通部分の断面積は
$$ \pi{s^2-(x-1)^2}\quad (1-s\leqq x\leqq r^2),
$$
$$ \pi(r^2-x^2)\quad (r^2\leqq x\leqq r)
$$
となる。よって
$$ V(r)=\pi\int_{1-s}^{r^2}{s^2-(x-1)^2},dx +\pi\int_{r^2}^{r}(r^2-x^2),dx
$$
である。
第1項は $u=1-x$ とおくと
$$ \pi\int_{1-s}^{r^2}{s^2-(x-1)^2},dx =\pi\int_{s^2}^{s}(s^2-u^2),du
$$
となるから、
$$ \pi\int_{s^2}^{s}(s^2-u^2),du =\pi\left[s^2u-\frac{u^3}{3}\right]_{s^2}^{s} =\frac{\pi}{3}(2s^3-3s^4+s^6)
$$
である。
また、第2項は
$$ \pi\int_{r^2}^{r}(r^2-x^2),dx =\pi\left[r^2x-\frac{x^3}{3}\right]_{r^2}^{r} =\frac{\pi}{3}(2r^3-3r^4+r^6)
$$
となる。
したがって
$$ V(r)=\frac{\pi}{3}\left(2r^3-3r^4+r^6+2s^3-3s^4+s^6\right)
$$
である。ここで $s=\sqrt{1-r^2}$ であるから、
$$ V(r)=\frac{\pi}{3}\left\{2\left(r^3+(1-r^2)^{3/2}\right)-2+3r^2(1-r^2)\right\}
$$
を得る。これが (1) の答えである。
次に最大値を求める。
$r=\sin\theta,\ s=\cos\theta$ とおくと、$0<r<1$ より
$$ 0<\theta<\frac{\pi}{2}
$$
である。このとき
$$ V(r)=\frac{\pi}{3}\left\{2(\sin^3\theta+\cos^3\theta)-2+3\sin^2\theta\cos^2\theta\right\}
$$
となる。
これを $\theta$ で微分すると
$$ \frac{dV}{d\theta} =\frac{\pi}{3}\left\{6\sin^2\theta\cos\theta-6\cos^2\theta\sin\theta +6\sin\theta\cos\theta(\cos^2\theta-\sin^2\theta)\right\}
$$
すなわち
$$ \frac{dV}{d\theta} =2\pi\sin\theta\cos\theta(\sin\theta-\cos\theta){1-(\sin\theta+\cos\theta)}
$$
である。
ここで $0<\theta<\dfrac{\pi}{2}$ では
$$ \sin\theta>0,\qquad \cos\theta>0,\qquad \sin\theta+\cos\theta>1
$$
であるから、$\dfrac{dV}{d\theta}$ の符号は $\sin\theta-\cos\theta$ と逆になる。
したがって、
**(i)**
$0<\theta<\dfrac{\pi}{4}$ では $\sin\theta-\cos\theta<0$ より $\dfrac{dV}{d\theta}>0$
**(ii)**
$\dfrac{\pi}{4}<\theta<\dfrac{\pi}{2}$ では $\sin\theta-\cos\theta>0$ より $\dfrac{dV}{d\theta}<0$
となるので、$V(r)$ は $\theta=\dfrac{\pi}{4}$、すなわち
$$ r=\frac{1}{\sqrt{2}}
$$
のとき最大となる。
このとき $s=\dfrac{1}{\sqrt{2}}$ でもあるから、
$$ V_{\max} =\frac{\pi}{3}\left\{2\left(\frac{1}{2\sqrt{2}}+\frac{1}{2\sqrt{2}}\right)-2+3\cdot\frac12\cdot\frac12\right\}
$$
$$ =\frac{\pi}{3}\left(\sqrt{2}-2+\frac34\right) =\frac{\pi}{12}(4\sqrt{2}-5)
$$
である。
解説
共通部分の体積を求める問題では、まず「どこで断面の主役が入れ替わるか」を調べるのが重要である。本問では2つの球面の差をとると共通円のある平面 $x=r^2$ が直ちに求まり、この平面を境に断面積を場合分けして積分できる。
また、半径が $r$ と $\sqrt{1-r^2}$ で結ばれているので、$r=\sin\theta,\ \sqrt{1-r^2}=\cos\theta$ と置くと対称性がはっきりし、最大値の判定が簡潔になる。最大となるのが2つの半径が等しい場合であることも、この置き換えで自然に見える。
答え
**(1)**
$$ V(r)=\frac{\pi}{3}\left\{2\left(r^3+(1-r^2)^{3/2}\right)-2+3r^2(1-r^2)\right\}
$$
**(2)**
$V(r)$ を最大にする $r$ は
$$ r=\frac{1}{\sqrt{2}}
$$
であり、その最大値は
$$ V_{\max}=\frac{\pi}{12}(4\sqrt{2}-5)
$$
である。