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数学3 積分法「体積」の問題24 解説
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解説
方針・初手
太陽光の進む向きを含む鉛直面で半球を切ると、各断面は半円になる。
そこで、地平面を $z=0$、半球の中心を原点とし、太陽光が $xz$ 平面内で進むように座標をとる。$y=\text{一定}$ で切った断面を考え、その断面でできる「ひかげ部分」の面積を求めてから、$y$ について積分する。
解法1
$y=\text{一定}$ で切った断面では、半球は半径
$$ a=\sqrt{r^2-y^2}
$$
の半円
$$ x^2+z^2=a^2,\qquad z\geqq 0
$$
になる。
この断面で、太陽光は地平面となす角が $\theta$ であるから、影の境界はこの半円に接し、傾きが $-\tan\theta$ の直線である。
半円の右端を $B$、接点を $T$、その接線が地平面と交わる点を $G$ とする。
1. 接点 $T$ と点 $G$ の座標
半円
$$ x^2+z^2=a^2
$$
の接線の傾きは
$$ \frac{dz}{dx}=-\frac{x}{z}
$$
である。これが $-\tan\theta$ に等しいので、
$$ \frac{x}{z}=\tan\theta
$$
となる。したがって接点 $T$ は
$$ T=(a\sin\theta,\ a\cos\theta)
$$
である。
また、接線は傾き $-\tan\theta$ で $T$ を通るから、
$$ z-a\cos\theta=-\tan\theta(x-a\sin\theta)
$$
であり、$z=0$ とおくと地平面との交点 $G$ の $x$ 座標は
$$ x=a\sin\theta+\frac{a\cos\theta}{\tan\theta} =\frac{a}{\sin\theta}
$$
となる。よって
$$ G=\left(\frac{a}{\sin\theta},0\right),\qquad B=(a,0)
$$
である。
2. この断面での影の面積
影の断面は、接線 $TG$、地平面上の線分 $GB$、および半円弧 $BT$ で囲まれる部分である。
したがって、その面積を $S(y)$ とすると、
$$ S(y)=[\triangle GBT]-\bigl(\text{扇形 }BOT-[\triangle BOT]\bigr)
$$
である。
まず、
$$ [\triangle GBT] =\frac12\cdot BG\cdot a\cos\theta =\frac12\left(\frac{a}{\sin\theta}-a\right)a\cos\theta =\frac{a^2}{2}(\cot\theta-\cos\theta)
$$
である。
また、
$$ [\triangle BOT] =\frac12\cdot a\cdot a\cos\theta =\frac{a^2}{2}\cos\theta
$$
である。
さらに、$\angle BOT=\dfrac{\pi}{2}-\theta$ なので、扇形 $BOT$ の面積は
$$ \frac12 a^2\left(\frac{\pi}{2}-\theta\right)
$$
である。
よって
$$ \begin{aligned} S(y) &=\frac{a^2}{2}(\cot\theta-\cos\theta) -\left\{ \frac12 a^2\left(\frac{\pi}{2}-\theta\right) -\frac{a^2}{2}\cos\theta \right\} \\ &=\frac{a^2}{2}\left(\cot\theta+\theta-\frac{\pi}{2}\right). \end{aligned}
$$
ここで $a^2=r^2-y^2$ であるから、
$$ S(y)=\frac{r^2-y^2}{2}\left(\cot\theta+\theta-\frac{\pi}{2}\right)
$$
となる。
3. 体積を求める
求める体積を $V$ とすると、
$$ V=\int_{-r}^{r}S(y),dy
$$
である。したがって、
$$ \begin{aligned} V &=\frac12\left(\cot\theta+\theta-\frac{\pi}{2}\right) \int_{-r}^{r}(r^2-y^2),dy \\ &=\frac12\left(\cot\theta+\theta-\frac{\pi}{2}\right) \left[ r^2y-\frac{y^3}{3}\right]_{-r}^{r} \\ &=\frac12\left(\cot\theta+\theta-\frac{\pi}{2}\right)\cdot \frac{4r^3}{3}. \end{aligned}
$$
よって、
$$ V=\frac{r^3}{3}\left(2\cot\theta+2\theta-\pi\right)
$$
となる。
解説
各断面で考えると、三次元の問題が「半円のつくる影の面積」という二次元の問題に落ちる。立体の影を直接扱うより、断面積を出して積分する方がはるかに処理しやすい。
断面での影の面積は、「三角形」から「円弧と弦で囲まれる部分」を引く形になる。接点の座標を正確に出すことと、扇形の中心角が $\dfrac{\pi}{2}-\theta$ になることが要点である。
なお、式中の $\theta$ は弧度法で表している。
答え
$$ \frac{r^3}{3}\left(2\cot\theta+2\theta-\pi\right)
$$
ただし、$\theta$ は弧度法である。