基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題27 解説
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解説
方針・初手
3つの不等式は、$x,y,z$ の符号を変えても、また $x,y,z$ を入れ替えても形が変わらない。したがって、対称性を使って
$$ 0\le z\le y\le x
$$
の部分だけを調べ、最後に全体へ戻すのが最も見通しがよい。
この範囲では $x$ と $y$ が最も大きいので、実は3本の不等式のうち1本だけを見れば十分になる。
解法1
求める立体を $R$ とする。
不等式は $x^2,y^2,z^2$ のみでできているから、各座標の符号の選び方は $2^3=8$ 通りあり、さらに $|x|,|y|,|z|$ の大小の並び方は $3!=6$ 通りある。したがって、
$$ 0\le z\le y\le x
$$
で表される部分の体積を $V_0$ とすれば、全体の体積 $V$ は
$$ V=48V_0
$$
となる。
そこで
$$ R_0={(x,y,z)\mid 0\le z\le y\le x,\ x^2+y^2\le r^2}
$$
を考える。
このとき $0\le z\le y\le x$ であるから、
$$ x^2+z^2\le x^2+y^2,\qquad y^2+z^2\le x^2+y^2
$$
が成り立つ。よって、$x^2+y^2\le r^2$ さえ満たせば他の2条件も自動的に満たされる。したがって $R_0$ は上のように表せる。
体積 $V_0$ は、まず $z$ 方向に積分すれば
$$ V_0 =\iiint_{R_0}1,dV =\iint_D \left(\int_0^y dz\right),dx,dy =\iint_D y,dx,dy
$$
となる。ただし
$$ D={(x,y)\mid 0\le y\le x,\ x^2+y^2\le r^2}
$$
である。
ここで極座標
$$ x=\rho\cos\theta,\qquad y=\rho\sin\theta
$$
を用いると、領域 $D$ は
$$ 0\le \rho\le r,\qquad 0\le \theta\le \frac{\pi}{4}
$$
で表される。したがって
$$ V_0 =\int_0^{\pi/4}\int_0^r (\rho\sin\theta)\rho,d\rho,d\theta
$$
$$ =\int_0^{\pi/4}\int_0^r \rho^2\sin\theta,d\rho,d\theta =\left(\int_0^r \rho^2,d\rho\right)\left(\int_0^{\pi/4}\sin\theta,d\theta\right)
$$
$$ =\frac{r^3}{3}\left[-\cos\theta\right]_0^{\pi/4} =\frac{r^3}{3}\left(1-\frac{1}{\sqrt2}\right)
$$
よって全体の体積は
$$ V=48V_0 =48\cdot \frac{r^3}{3}\left(1-\frac{1}{\sqrt2}\right) =16r^3\left(1-\frac{1}{\sqrt2}\right)
$$
すなわち
$$ V=8(2-\sqrt2),r^3
$$
である。
解説
この問題の要点は、3本の円柱の共通部分をそのまま断面積で追うよりも、対称性を先に使うことである。
$0\le z\le y\le x$ と大小関係を固定すると、最大の2つである $x,y$ に対する条件 $x^2+y^2\le r^2$ が最も厳しくなり、残り2本の条件は自動的に従う。ここが本問の核心である。
その結果、3変数の領域が「$xy$ 平面上の扇形領域の上に、高さ $y$ を持つ立体」として扱え、極座標で一気に計算できる。
答え
$$ 8(2-\sqrt2),r^3
$$