基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題36 解説
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解説
方針・初手
正八面体を座標で表すと処理しやすい。辺の長さが $1$ の正八面体は
$$ |x|+|y|+|z|\le \frac{1}{\sqrt2} $$
で表せる。
互いに平行な2面を
$$ x+y+z=\frac{1}{\sqrt2},\qquad x+y+z=-\frac{1}{\sqrt2} $$
とおくと,それらの重心を結ぶ直線が回転軸になる。したがって,この軸に垂直な平面
$$ x+y+z=t $$
で切った断面を調べ,その断面が1回転してできる円板の半径を求めて積分すればよい。
解法1
**(1)**
底面を水平に置いたとき,真上から見る向きは,2つの平行な面の重心を結ぶ軸の方向である。正八面体の6個の頂点の射影はこの軸のまわりに等間隔に並ぶので,平面図は正六角形である。
**(2)**
正八面体の頂点を
$$ A\left(\frac1{\sqrt2},0,0\right),\ B\left(0,\frac1{\sqrt2},0\right),\ C\left(0,0,\frac1{\sqrt2}\right), $$
$$ A'\left(-\frac1{\sqrt2},0,0\right),\ B'\left(0,-\frac1{\sqrt2},0\right),\ C'\left(0,0,-\frac1{\sqrt2}\right) $$
とおく。このとき,各辺の長さは
$$ \sqrt{\left(\frac1{\sqrt2}\right)^2+\left(\frac1{\sqrt2}\right)^2}=1 $$
となり,確かに辺の長さ $1$ の正八面体である。
平行な2面 $ABC,\ A'B'C'$ の重心は
$$ G_1=\left(\frac1{3\sqrt2},\frac1{3\sqrt2},\frac1{3\sqrt2}\right),\qquad G_2=\left(-\frac1{3\sqrt2},-\frac1{3\sqrt2},-\frac1{3\sqrt2}\right) $$
であるから,回転軸は直線
$$ x=y=z $$
である。
そこで,軸に垂直な平面
$$ x+y+z=t \qquad \left( -\frac1{\sqrt2}\le t\le \frac1{\sqrt2} \right) $$
で切った断面を考える。
この平面と辺 $AB'$ との交点を $P$ とすると,$AB'$ は
$$ \left(\frac1{\sqrt2}(1-\lambda),-\frac1{\sqrt2}\lambda,0\right) \qquad (0\le \lambda\le 1) $$
と表せるから,
$$ \frac1{\sqrt2}(1-\lambda)-\frac1{\sqrt2}\lambda=t $$
より
$$ \lambda=\frac{\frac1{\sqrt2}-t}{\sqrt2} $$
となる。したがって
$$ P= \left( \frac{\frac1{\sqrt2}+t}{2}, -\frac{\frac1{\sqrt2}-t}{2}, 0 \right) $$
である。
一方,平面 $x+y+z=t$ と回転軸 $x=y=z$ との交点を $C_t$ とすると,
$$ C_t=\left(\frac t3,\frac t3,\frac t3\right) $$
である。
この断面は凸で $C_t$ を含むから,これを $C_t$ を中心に1回転すると,平面 $x+y+z=t$ 内では半径が断面の最遠点までの距離に等しい円板になる。対称性よりその最遠点は断面の頂点であり,たとえば $P$ を用いればよい。
よって,その半径を $r(t)$ とすると
$$ r(t)^2=C_tP^2 $$
であり,
$$ \begin{aligned} r(t)^2 &= \left( \frac{\frac1{\sqrt2}+t}{2}-\frac t3 \right)^2 + \left( -\frac{\frac1{\sqrt2}-t}{2}-\frac t3 \right)^2 + \left( 0-\frac t3 \right)^2 \\ &= \left(\frac{\frac{3}{\sqrt2}+t}{6}\right)^2 + \left(\frac{-\frac{3}{\sqrt2}+t}{6}\right)^2 + \left(\frac{-2t}{6}\right)^2 \\ &= \frac14+\frac{t^2}{6} \end{aligned} $$
となる。
したがって,平面 $x+y+z=t$ における回転後の断面積は
$$ \pi r(t)^2=\pi\left(\frac14+\frac{t^2}{6}\right) $$
である。
ここで,平面 $x+y+z=t$ と $x+y+z=t+dt$ の間の軸方向の距離は
$$ \frac{dt}{\sqrt3} $$
である。ゆえに体積 $V$ は
$$ V= \frac{\pi}{\sqrt3} \int_{-1/\sqrt2}^{1/\sqrt2} \left( \frac14+\frac{t^2}{6} \right)\,dt $$
となる。
被積分関数は偶関数なので,
$$ \begin{aligned} V &= \frac{2\pi}{\sqrt3} \int_0^{1/\sqrt2} \left( \frac14+\frac{t^2}{6} \right)\,dt \\ &= \frac{2\pi}{\sqrt3} \left[ \frac{t}{4}+\frac{t^3}{18} \right]_0^{1/\sqrt2} \\ &= \frac{2\pi}{\sqrt3} \left( \frac{1}{4\sqrt2}+\frac{1}{36\sqrt2} \right) \\ &= \frac{2\pi}{\sqrt3}\cdot \frac{5}{18\sqrt2} \\ &= \frac{5\pi}{9\sqrt6} \end{aligned} $$
となる。
解説
この問題の要点は,回転軸まわりの立体をそのまま追いかけるのではなく,軸に垂直な平面で切ることである。
正八面体を
$$ |x|+|y|+|z|\le \frac1{\sqrt2} $$
と表すと,面の重心を結ぶ軸は $x=y=z$ とすぐにわかる。あとは平面 $x+y+z=t$ で切った断面の最遠点までの距離を求めれば,回転後の各断面は円板になるので体積は積分で求められる。
また,(1) の平面図が正六角形になることは,この軸方向から見たときに6頂点の射影が等間隔に並ぶことによる。
答え
**(1)**
平面図は正六角形である。
**(2)**
回転してできる立体の体積は
$$ \frac{5\pi}{9\sqrt6} $$
である。