基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題43 解説
数学3の積分法「体積」にある問題43の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
回転軸が $y=x$ であるため、通常の $x$ 軸回転・$y$ 軸回転の公式をそのまま使うと扱いにくい。
そこで、領域内の点 $(x,y)$ から直線 $y=x$ までの距離を用いる。微小面積 $dA$ が回転軸から距離 $r$ にあるとき、それを回転してできる微小体積は $2\pi r,dA$ である。
この問題では、$0\leq x\leq 1$ において $x^n\leq y\leq x$ であり、点 $(x,y)$ から直線 $y=x$ までの距離は
$$ \frac{x-y}{\sqrt{2}}
$$
である。
解法1
直線 $y=x$ と曲線 $y=x^n$ の交点を求める。
$$ x=x^n
$$
より、
$$ x(x^{n-1}-1)=0
$$
である。$x\geq 0$ だから、交点の $x$ 座標は
$$ x=0,\ 1
$$
である。
また、$0\leq x\leq 1$ では $n\geq 2$ より
$$ x^n\leq x
$$
であるから、領域 $D$ は
$$ 0\leq x\leq 1,\qquad x^n\leq y\leq x
$$
と表される。
点 $(x,y)$ から直線 $y=x$ までの距離は
$$ r=\frac{|x-y|}{\sqrt{2}}
$$
である。この領域では $y\leq x$ なので、
$$ r=\frac{x-y}{\sqrt{2}}
$$
である。
したがって、回転体の体積 $V_n$ は
$$ V_n=\iint_D 2\pi r,dA
$$
で与えられる。よって
$$ V_n=\iint_D 2\pi \cdot \frac{x-y}{\sqrt{2}},dA
$$
となる。
これを積分で表すと、
$$ V_n=\sqrt{2}\pi\int_0^1\int_{x^n}^{x}(x-y),dy,dx
$$
である。
内側の積分を計算する。
$$ \begin{aligned} \int_{x^n}^{x}(x-y),dy &=\left[xy-\frac{y^2}{2}\right]_{x^n}^{x}\\ &=\left(x^2-\frac{x^2}{2}\right)-\left(x^{n+1}-\frac{x^{2n}}{2}\right)\\ &=\frac{x^2}{2}-x^{n+1}+\frac{x^{2n}}{2}\\ &=\frac{1}{2}(x-x^n)^2 \end{aligned}
$$
したがって、
$$ V_n=\sqrt{2}\pi\int_0^1 \frac{1}{2}(x-x^n)^2,dx
$$
である。
すなわち、
$$ V_n=\frac{\sqrt{2}\pi}{2}\int_0^1 (x^2-2x^{n+1}+x^{2n}),dx
$$
となる。
各項を積分すると、
$$ \begin{aligned} \int_0^1 (x^2-2x^{n+1}+x^{2n}),dx &=\frac{1}{3}-\frac{2}{n+2}+\frac{1}{2n+1} \end{aligned}
$$
である。
よって
$$ V_n=\frac{\sqrt{2}\pi}{2}\left(\frac{1}{3}-\frac{2}{n+2}+\frac{1}{2n+1}\right)
$$
となる。
これを整理する。
$$ \begin{aligned} \frac{1}{3}-\frac{2}{n+2}+\frac{1}{2n+1} &=\frac{(n+2)(2n+1)-6(2n+1)+3(n+2)}{3(n+2)(2n+1)}\\ &=\frac{2n^2+5n+2-12n-6+3n+6}{3(n+2)(2n+1)}\\ &=\frac{2n^2-4n+2}{3(n+2)(2n+1)}\\ &=\frac{2(n-1)^2}{3(n+2)(2n+1)} \end{aligned}
$$
したがって、
$$ V_n =\frac{\sqrt{2}\pi}{2}\cdot \frac{2(n-1)^2}{3(n+2)(2n+1)}
$$
より、
$$ V_n=\frac{\sqrt{2}\pi (n-1)^2}{3(n+2)(2n+1)}
$$
である。
次に極限を求める。
$$ V_n=\frac{\sqrt{2}\pi (n-1)^2}{3(n+2)(2n+1)}
$$
であるから、
$$ \lim_{n\to\infty}V_n =\sqrt{2}\pi\lim_{n\to\infty}\frac{(n-1)^2}{3(n+2)(2n+1)}
$$
である。
分子・分母を $n^2$ で割ると、
$$ \begin{aligned} \lim_{n\to\infty}\frac{(n-1)^2}{3(n+2)(2n+1)} &= \lim_{n\to\infty} \frac{\left(1-\frac{1}{n}\right)^2}{3\left(1+\frac{2}{n}\right)\left(2+\frac{1}{n}\right)} \end{aligned} $$
となる。よって、
$$ \begin{aligned} \lim_{n\to\infty}\frac{(n-1)^2}{3(n+2)(2n+1)} &= \frac{1}{3\cdot 1\cdot 2} \\ \frac{1}{6} \end{aligned} $$
である。
したがって、
$$ \lim_{n\to\infty}V_n=\frac{\sqrt{2}\pi}{6}
$$
である。
解説
この問題のポイントは、回転軸が座標軸ではなく直線 $y=x$ であることである。
$D$ 内の微小面積を考えれば、その微小面積は回転軸からの距離を半径として円を描く。そのため、回転体の体積は
$$ \iint_D 2\pi\cdot \text{距離},dA
$$
で求められる。
この問題では、領域内で常に $y\leq x$ であるため、直線 $y=x$ までの距離が
$$ \frac{x-y}{\sqrt{2}}
$$
と簡単に表せる。あとは、$0\leq x\leq 1$、$x^n\leq y\leq x$ の範囲で二重積分すればよい。
答え
**(1)**
$$ V_n=\frac{\sqrt{2}\pi (n-1)^2}{3(n+2)(2n+1)}
$$
**(2)**
$$ \lim_{n\to\infty}V_n=\frac{\sqrt{2}\pi}{6}
$$