基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題51 解説
数学3の積分法「体積」にある問題51の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
回転軸は $x$ 軸であり、考える図形は $y=\sqrt{3}\sin x$ と $y=\cos x$ の間にある。
ただし、この区間では $y=\sqrt{3}\sin x$ は正、 $y=\cos x$ は $0$ 以下であるから、 そのまま回転すると断面は「穴のあいた円環」ではなく「円板」になる。
したがって、各 $x$ における断面の半径は $\sqrt{3}\sin x$ と $-\cos x$ のうち大きい方である。 まず両者が等しくなる点を求め、場合分けして体積を積分で求める。
解法1
まず、断面の半径が切り替わる点を求める。
$$ \sqrt{3}\sin x=-\cos x
$$
$$ \tan x=-\frac{1}{\sqrt{3}}
$$
区間 $\dfrac{\pi}{2}\leqq x\leqq \pi$ においては
$$ x=\frac{5\pi}{6}
$$
である。
実際、 $x=\dfrac{\pi}{2}$ では $\sqrt{3}\sin x=\sqrt{3}$、$-\cos x=0$ なので 前半では $\sqrt{3}\sin x$ の方が大きい。 また $x=\pi$ では $\sqrt{3}\sin x=0$、$-\cos x=1$ なので 後半では $-\cos x$ の方が大きい。
よって、断面積 $S(x)$ は
**(i)**
$\dfrac{\pi}{2}\leqq x\leqq \dfrac{5\pi}{6}$ のとき
$$ S(x)=\pi(\sqrt{3}\sin x)^2=3\pi\sin^2 x
$$
**(ii)**
$\dfrac{5\pi}{6}\leqq x\leqq \pi$ のとき
$$ S(x)=\pi(-\cos x)^2=\pi\cos^2 x
$$
したがって、求める体積 $V$ は
$$ V=\pi\int_{\pi/2}^{5\pi/6}3\sin^2 x,dx+\pi\int_{5\pi/6}^{\pi}\cos^2 x,dx
$$
である。
ここで
$$ \int \sin^2 x,dx=\frac{x}{2}-\frac{\sin 2x}{4}, \qquad \int \cos^2 x,dx=\frac{x}{2}+\frac{\sin 2x}{4}
$$
を用いると、
$$ \pi\int_{\pi/2}^{5\pi/6}3\sin^2 x,dx =3\pi\left[\frac{x}{2}-\frac{\sin 2x}{4}\right]_{\pi/2}^{5\pi/6}
$$
$$ =3\pi\left(\frac{5\pi}{12}+\frac{\sqrt{3}}{8}-\frac{\pi}{4}\right) =\frac{\pi^2}{2}+\frac{3\sqrt{3}}{8}\pi
$$
また、
$$ \pi\int_{5\pi/6}^{\pi}\cos^2 x,dx =\pi\left[\frac{x}{2}+\frac{\sin 2x}{4}\right]_{5\pi/6}^{\pi}
$$
$$ =\pi\left(\frac{\pi}{2}-\frac{5\pi}{12}+\frac{\sqrt{3}}{8}\right) =\frac{\pi^2}{12}+\frac{\sqrt{3}}{8}\pi
$$
ゆえに
$$ V=\left(\frac{\pi^2}{2}+\frac{3\sqrt{3}}{8}\pi\right)+\left(\frac{\pi^2}{12}+\frac{\sqrt{3}}{8}\pi\right)
$$
$$ V=\frac{7\pi^2}{12}+\frac{\sqrt{3}}{2}\pi
$$
したがって、
$$ V=\frac{\pi}{12}(7\pi+6\sqrt{3})
$$
である。
解説
この問題の要点は、回転後の断面が円環ではなく円板になることを正しく捉えることである。
上側の曲線が $y=\sqrt{3}\sin x>0$、下側の曲線が $y=\cos x\leqq 0$ であり、図形が $x$ 軸をまたいでいるため、回転すると中心まで埋まる。 そのため「上半径の二乗から下半径の二乗を引く」のではなく、「原点から最も遠い方の距離の二乗」を使って場合分けする必要がある。
答え
求める体積は
$$ \frac{7\pi^2}{12}+\frac{\sqrt{3}}{2}\pi =\frac{\pi}{12}(7\pi+6\sqrt{3})
$$
である。