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数学3 積分法「体積」の問題54 解説
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解説
方針・初手
線分 $PQ$ を $x$ を用いて表すと、回転後の曲面 $S$ は「各 $x$ における、$x$ 軸からの距離」を半径とする円でできていることが分かる。
したがって、まず線分 $PQ$ 上の点の座標を $x$ で表し、半径 $r(x)=\sqrt{y^2+z^2}$ を求めるのが初手である。これにより、体積も切り口も同じ式から処理できる。
解法1
線分 $PQ$ を媒介変数 $u$ を用いて表すと、
$$ (x,y,z)=(1,0,1)+u(-2,1,-1)\qquad (0\le u\le 1)
$$
である。
ここで $x=1-2u$ より
$$ u=\frac{1-x}{2}
$$
だから、線分 $PQ$ 上の点は
$$ y=\frac{1-x}{2},\qquad z=\frac{1+x}{2}
$$
と表せる。
したがって、その点の $x$ 軸からの距離 $r$ は
$$ r^2=y^2+z^2 =\left(\frac{1-x}{2}\right)^2+\left(\frac{1+x}{2}\right)^2 =\frac{1+x^2}{2}
$$
である。
よって、回転してできる立体は
$$ -1\le x\le 1,\qquad y^2+z^2\le \frac{1+x^2}{2}
$$
で表される。
(1) 体積
$x$ を一定にして切ると、断面は半径 $\sqrt{\dfrac{1+x^2}{2}}$ の円であるから、その面積は
$$ \pi r^2=\pi\cdot \frac{1+x^2}{2}
$$
である。
したがって体積 $V$ は
$$ V=\int_{-1}^{1}\pi\cdot \frac{1+x^2}{2},dx =\frac{\pi}{2}\int_{-1}^{1}(1+x^2),dx
$$
$$ =\frac{\pi}{2}\left[x+\frac{x^3}{3}\right]_{-1}^{1} =\frac{\pi}{2}\left(\frac{4}{3}-\left(-\frac{4}{3}\right)\right) $$
上の最後は整理すると
$$ V=\frac{\pi}{2}\left(2+\frac{2}{3}\right) =\frac{\pi}{2}\cdot \frac{8}{3} =\frac{4\pi}{3}
$$
となる。
(2) 平面 $y=0$ による切り口
立体の方程式
$$ y^2+z^2\le \frac{1+x^2}{2}
$$
に $y=0$ を代入すると、
$$ z^2\le \frac{1+x^2}{2}\qquad (-1\le x\le 1)
$$
となる。
したがって、切り口は平面 $y=0$ 上、すなわち $xz$ 平面において
$$ -\sqrt{\frac{1+x^2}{2}}\le z\le \sqrt{\frac{1+x^2}{2}} \qquad (-1\le x\le 1)
$$
で表される部分である。
境界は
$$ z=\pm \sqrt{\frac{1+x^2}{2}}\qquad (-1\le x\le 1)
$$
であり、さらに両端は直線
$$ x=-1,\qquad x=1
$$
で閉じる。
図示する際の主要な点は
$$ (x,z)=(-1,\pm 1),\ (0,\pm \tfrac{1}{\sqrt2}),\ (1,\pm 1)
$$
である。上下対称な2曲線 $z=\pm \sqrt{\dfrac{1+x^2}{2}}$ に挟まれた領域として描けばよい。
(3) 積分の計算と切り口の面積
まず
$$ I=\int_0^1 \sqrt{t^2+1},dt
$$
を求める。
$t=\dfrac{e^s-e^{-s}}{2}$ とおくと、これは $t=\sinh s$ であるから
$$ dt=\frac{e^s+e^{-s}}{2},ds=\cosh s,ds
$$
また
$$ \sqrt{t^2+1}=\sqrt{\sinh^2 s+1}=\cosh s
$$
である。
$t=0$ のとき $s=0$、$t=1$ のとき $\sinh s=1$ であるから
$$ s=\log(1+\sqrt2)
$$
となる。よって
$$ I=\int_0^{\log(1+\sqrt2)} \cosh^2 s,ds
$$
ここで
$$ \cosh^2 s=\left(\frac{e^s+e^{-s}}{2}\right)^2 =\frac{e^{2s}+2+e^{-2s}}{4}
$$
であるから、
$$ I=\int_0^{\log(1+\sqrt2)} \frac{e^{2s}+2+e^{-2s}}{4},ds
$$
$$ =\left[\frac{e^{2s}-e^{-2s}}{8}+\frac{s}{2}\right]_0^{\log(1+\sqrt2)}
$$
$a=\log(1+\sqrt2)$ とおくと
$$ e^a=1+\sqrt2,\qquad e^{-a}=\sqrt2-1
$$
より
$$ e^{2a}-e^{-2a} =(1+\sqrt2)^2-(\sqrt2-1)^2 =4\sqrt2
$$
である。したがって
$$ I=\frac{4\sqrt2}{8}+\frac{1}{2}\log(1+\sqrt2) =\frac{\sqrt2}{2}+\frac{1}{2}\log(1+\sqrt2)
$$
すなわち
$$ \int_0^1 \sqrt{t^2+1},dt =\frac{\sqrt2+\log(1+\sqrt2)}{2}
$$
である。
次に、(2) の切り口の面積を $A$ とすると、
$$ A=\int_{-1}^{1}\left\{\sqrt{\frac{1+x^2}{2}}-\left(-\sqrt{\frac{1+x^2}{2}}\right)\right\}dx
$$
$$ =\int_{-1}^{1}2\sqrt{\frac{1+x^2}{2}},dx =\sqrt2\int_{-1}^{1}\sqrt{1+x^2},dx
$$
被積分関数は偶関数であるから
$$ A=2\sqrt2\int_0^1\sqrt{1+x^2},dx
$$
ここで上で求めた積分を用いれば
$$ A=2\sqrt2\cdot \frac{\sqrt2+\log(1+\sqrt2)}{2}
$$
$$ =2+\sqrt2\log(1+\sqrt2)
$$
となる。
解説
この問題の本質は、回転体を「$x$ を固定した円断面の集まり」と見抜くことである。線分そのものを回しているが、必要なのは線分上の各点の $x$ 軸からの距離だけである。
また、(2) の切り口は回転後の曲面そのものを直接追うより、立体の不等式
$$ y^2+z^2\le \frac{1+x^2}{2}
$$
を作ってから $y=0$ を代入する方が確実である。
(3) では $\sqrt{1+t^2}$ 型の積分を双曲線関数型の置換 $t=\sinh s$ で処理している。指定された置換 $t=\dfrac{e^s-e^{-s}}{2}$ はまさにそれであり、$\sqrt{1+t^2}$ が $\cosh s$ に変わるため計算が整う。
答え
**(1)**
体積は
$$ \frac{4\pi}{3}
$$
である。
**(2)**
切り口は平面 $y=0$($xz$ 平面)における
$$ z=\pm \sqrt{\frac{1+x^2}{2}}\qquad (-1\le x\le 1)
$$
に挟まれた領域である。
**(3)**
$$ \int_0^1 \sqrt{t^2+1},dt =\frac{\sqrt2+\log(1+\sqrt2)}{2}
$$
したがって、(2) の切り口の面積は
$$ 2+\sqrt2\log(1+\sqrt2)
$$
である。