基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題57 解説
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解説
方針・初手
球 $T_1,\ T_2,\ S$ の中心をそれぞれ $O_1,\ O_2,\ P$ とする。
半径 $1$ の球 $S$ が半径 $3$ の球 $T_1$ の内部にあるための条件は $PO_1\le 2$ であり、また半径 $1$ の球 $S$ が半径 $1$ の球 $T_2$ の外部にあるか外接するための条件は $PO_2\ge 2$ である。
したがって、$S$ の中心 $P$ の存在範囲 $D$ は
$$ PO_1\le 2,\qquad PO_2\ge 2
$$
を同時に満たす領域である。
ここで $T_1$ と $T_2$ は内接しているから、
$$ O_1O_2=3-1=2
$$
である。よって、半径 $2$ の球どうしの位置関係に直して考えればよい。
解法1
座標を
$$ O_1=(0,0,0),\qquad O_2=(2,0,0)
$$
とおく。
このとき $D$ は
$$ x^2+y^2+z^2\le 4
$$
かつ
$$ (x-2)^2+y^2+z^2\ge 4
$$
を満たす点全体である。
$x$ を固定して断面積を考える。
(i) $-2\le x\le 0$ のとき
球 $O_1$ を中心とする半径 $2$ の球の断面は半径 $\sqrt{4-x^2}$ の円であり、面積は
$$ \pi(4-x^2)
$$
である。
一方、
$$ (x-2)^2\ge 4
$$
より、この範囲では条件 $(x-2)^2+y^2+z^2\ge 4$ は自動的に満たされる。したがって断面積はそのまま
$$ \pi(4-x^2)
$$
である。
(ii) $0\le x\le 1$ のとき
このとき、条件
$$ x^2+y^2+z^2\le 4
$$
は
$$ y^2+z^2\le 4-x^2
$$
を表す。
また
$$ (x-2)^2+y^2+z^2\ge 4
$$
は
$$ y^2+z^2\ge 4-(x-2)^2=4x-x^2
$$
を表す。
したがって断面は、外半径 $\sqrt{4-x^2}$、内半径 $\sqrt{4x-x^2}$ の円環であり、その面積は
$$ \pi\bigl((4-x^2)-(4x-x^2)\bigr)=4\pi(1-x)
$$
である。
(iii) $x>1$ のとき
このとき
$$ 4x-x^2>4-x^2
$$
となるので、断面は存在しない。
以上より、体積は
$$ \begin{aligned} V &=\int_{-2}^{0}\pi(4-x^2),dx+\int_{0}^{1}4\pi(1-x),dx \\ &=\pi\left[4x-\frac{x^3}{3}\right]*{-2}^{0}+4\pi\left[x-\frac{x^2}{2}\right]*{0}^{1} \\ &=\pi\left(0-(-8+\frac{8}{3})\right)+4\pi\left(1-\frac12\right) \\ &=\frac{16\pi}{3}+2\pi \\ &=\frac{22\pi}{3}. \end{aligned}
$$
解法2
$D$ は、中心 $O_1$、半径 $2$ の球から、中心 $O_2$、半径 $2$ の球との共通部分を取り除いた領域である。
したがって、
$$ \begin{aligned} \text{体積}(D) &= \text{半径 }2\text{ の球の体積}
\\ \text{2つの半径 }2\text{ の球の共通部分の体積} \end{aligned} $$
である。
半径 $2$ の球の体積は
$$ \frac43\pi\cdot 2^3=\frac{32\pi}{3}
$$
である。
次に共通部分を考える。$O_1O_2=2$ であるから、共通部分は、2つの合同な球冠に分けられる。共通円の平面は $O_1O_2$ の中点を通るので、各球冠の高さは
$$ 2-1=1
$$
である。
半径 $R$、高さ $h$ の球冠の体積は
$$ \pi h^2\left(R-\frac{h}{3}\right)
$$
であるから、$R=2,\ h=1$ を代入して
$$ \pi\cdot 1^2\left(2-\frac13\right)=\frac{5\pi}{3}
$$
となる。
よって共通部分全体の体積は
$$ 2\cdot \frac{5\pi}{3}=\frac{10\pi}{3}
$$
であり、
$$ \text{体積}(D)=\frac{32\pi}{3}-\frac{10\pi}{3}=\frac{22\pi}{3}
$$
となる。
解説
この問題の本質は、「動く球 $S$」そのものではなく、「その中心 $P$ の動く範囲」を考えることである。
半径 $1$ の球が半径 $3$ の球の内部にある条件は、中心間距離が $3-1=2$ 以下であることに対応し、半径 $1$ の球どうしが外部にあるか外接する条件は、中心間距離が $1+1=2$ 以上であることに対応する。
したがって、中心の存在範囲は「半径 $2$ の球の内部」から「別の半径 $2$ の球の内部」を除いた領域になる。ここまで言い換えられれば、あとは断面積で積分するか、共通部分を球冠として処理すればよい。
答え
立体 $D$ の体積は
$$ \frac{22\pi}{3}
$$
である。