基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題58 解説
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解説
方針・初手
$0\leqq x\leqq 1$ では $f(x)\geqq g(x)\geqq 0$ であるから、
$$ S(t)=\int_0^t {f(x)-g(x)},dx, \qquad V(t)=\pi\int_0^t {f(x)^2-g(x)^2},dx
$$
と書ける。したがって、まず $S(t),V(t)$ を微分して $f-g$ と $f^2-g^2$ を求める。
その後、
$$ f^2-g^2=(f-g)(f+g)
$$
を用いて $f+g$ を出せば、$f,g$ が決まる。
解法1
まず
$$ S(t)=-\frac23 t^3+t^2
$$
より、
$$ S'(t)=-2t^2+2t
$$
である。よって $0\leqq t\leqq 1$ において
$$ f(t)-g(t)=S'(t)=-2t^2+2t
$$
となる。左辺も右辺も多項式であり、区間 $[0,1]$ 上で一致するので、恒等的に
$$ f(x)-g(x)=-2x^2+2x
$$
である。
同様に
$$ V(t)=\pi\left(-\frac45 t^5+4t^4-8t^3+6t^2\right)
$$
より、
$$ V'(t)=\pi\left(-4t^4+16t^3-24t^2+12t\right)
$$
だから、
$$ f(x)^2-g(x)^2=-4x^4+16x^3-24x^2+12x
$$
である。これで (1) は求まった。
次に、
$$ f(x)^2-g(x)^2=(f(x)-g(x))(f(x)+g(x))
$$
であり、上で求めた式を代入すると
$$ \begin{aligned} -4x^4+16x^3-24x^2+12x &= (-2x^2+2x)(f(x)+g(x)) \end{aligned} $$
となる。右辺の既知部分を因数分解すると
$$ \begin{aligned} -4x^4+16x^3-24x^2+12x &= (-2x^2+2x)(2x^2-6x+6) \end{aligned} $$
であるから、
$$ f(x)+g(x)=2x^2-6x+6
$$
を得る。
したがって、
$$ f(x)=\frac{(f(x)-g(x))+(f(x)+g(x))}{2}
$$
より
$$ f(x)=\frac{(-2x^2+2x)+(2x^2-6x+6)}{2} =-2x+3
$$
であり、
$$ g(x)=\frac{(f(x)+g(x))-(f(x)-g(x))}{2}
$$
より
$$ g(x)=\frac{(2x^2-6x+6)-(-2x^2+2x)}{2} =2x^2-4x+3
$$
となる。これで (2) は求まった。
最後に (3) を考える。
区間 $1\leqq x\leqq 2$ では
$$ g(x)-f(x)=2x^2-2x=2x(x-1)\geqq 0
$$
であるから、上側が $g(x)$、下側が $f(x)$ である。
また、
$$ f(x)=-2x+3
$$
より $f(x)=0$ となるのは $x=\dfrac32$ のときである。したがって、回転体の断面は次のように場合分けされる。
**(i)**
$1\leqq x\leqq \dfrac32$ のとき
$f(x),g(x)$ はともに正で、断面は外半径 $g(x)$、内半径 $f(x)$ の円環である。 したがって断面積は
$$ \pi{g(x)^2-f(x)^2}
$$
である。
**(ii)**
$\dfrac32\leqq x\leqq 2$ のとき
$f(x)\leqq 0\leqq g(x)$ となるので、線分は $x$ 軸をまたぐ。さらに
$$ g(x)+f(x)=2x^2-6x+6 =2\left(x-\frac32\right)^2+\frac32>0
$$
より $g(x)>-f(x)$ であるから、回転後の断面は半径 $g(x)$ の円となる。 したがって断面積は
$$ \pi g(x)^2
$$
である。
よって求める体積を $W$ とすると、
$$ W =
\pi\int_1^{3/2}{g(x)^2-f(x)^2},dx + \pi\int_{3/2}^2 g(x)^2,dx
$$
となる。
ここで
$$ \begin{aligned} g(x)^2-f(x)^2 &= -(f(x)^2-g(x)^2) \\ 4x^4-16x^3+24x^2-12x \end{aligned} $$
であり、また
$$ g(x)^2=(2x^2-4x+3)^2 =4x^4-16x^3+28x^2-24x+9
$$
であるから、
$$ W =
\pi\int_1^{3/2}(4x^4-16x^3+24x^2-12x),dx + \pi\int_{3/2}^2(4x^4-16x^3+28x^2-24x+9),dx
$$
となる。
第1項は
$$ \begin{aligned} \int_1^{3/2}(4x^4-16x^3+24x^2-12x),dx &= \left[\frac45x^5-4x^4+8x^3-6x^2\right]_1^{3/2} \\ \frac{21}{40} \end{aligned} $$
第2項は
$$ \begin{aligned} \int_{3/2}^2(4x^4-16x^3+28x^2-24x+9),dx &= \left[\frac45x^5-4x^4+\frac{28}{3}x^3-12x^2+9x\right]_{3/2}^2 \\ \frac{293}{120} \end{aligned} $$
である。したがって
$$ \begin{aligned} W = \\ \pi\left(\frac{21}{40}+\frac{293}{120}\right) \\ \pi\cdot\frac{89}{30} \end{aligned} $$
となる。
解説
この問題の要点は、面積関数と体積関数を微分すると被積分関数がそのまま現れることである。これにより、まず $f-g$ と $f^2-g^2$ が直接求まる。
次に
$$ f^2-g^2=(f-g)(f+g)
$$
を使えば $f+g$ が分かり、連立して $f,g$ が決定できる。ここまでは典型的な処理である。
最後の体積では、区間 $1\leqq x\leqq 2$ で $f(x)$ が途中から負になる点が重要である。ここを見落として全区間で単純に円環としてしまうと誤る。$x=\dfrac32$ を境に、円環と円板に分けて積分する必要がある。
答え
**(1)**
$$ f(x)-g(x)=-2x^2+2x
$$
$$ f(x)^2-g(x)^2=-4x^4+16x^3-24x^2+12x
$$
**(2)**
$$ f(x)=-2x+3,\qquad g(x)=2x^2-4x+3
$$
**(3)**
区間 $1\leqq x\leqq 2$ においてできる回転体の体積は
$$ \frac{89\pi}{30}
$$
である。