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数学3 積分法「体積」の問題59 解説
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解説
方針・初手
まず $y=1$ と $y=f(x)$ の交点を求める。すると囲まれる部分の $x$ の範囲が確定する。
そのうえで、(1) は微分して接線の傾きを求め、(2) は上側の曲線と下側の直線の差を積分する。(3) はその図形を $x$ 軸のまわりに回転させるので、断面が円環になることから円環の面積を積分すればよい。なお $f(x)$ は偶関数であるから、(2)、(3) では対称性を使うと計算が整理しやすい。
解法1
$f(x)=\dfrac{4}{3+4x^2}$ とする。
(1) 接線の方程式
まず $y=1$ と $y=f(x)$ の交点を求める。
$$ \frac{4}{3+4x^2}=1
$$
より、
$$ 4=3+4x^2
$$
したがって、
$$ x^2=\frac14
$$
となるので、交点の $x$ 座標は $x=\pm \dfrac12$ である。 $x$ 座標が正であるものを $P$ とするから、
$$ P\left(\frac12,1\right)
$$
である。
次に接線の傾きを求めるために微分する。
$$ f'(x)=\frac{d}{dx}\left(\frac{4}{3+4x^2}\right) =-\frac{32x}{(3+4x^2)^2}
$$
よって、
$$ f'\left(\frac12\right) =-\frac{32\cdot \frac12}{(3+4\cdot \frac14)^2} =-\frac{16}{4^2} =-1
$$
したがって、点 $P\left(\dfrac12,1\right)$ における接線は
$$ y-1=-1\left(x-\frac12\right)
$$
すなわち
$$ y=-x+\frac32
$$
である。
(2) 囲まれた図形の面積
$y=1$ と $y=f(x)$ は $x=\pm \dfrac12$ で交わり、その間では
$$ f(x)-1=\frac{4}{3+4x^2}-1=\frac{1-4x^2}{3+4x^2}\ge 0
$$
である。したがって、求める面積 $S$ は
$$ S=\int_{-1/2}^{1/2}\left(\frac{4}{3+4x^2}-1\right),dx
$$
となる。
ここで
$$ \int \frac{4}{3+4x^2},dx =\frac{2}{\sqrt3}\arctan\frac{2x}{\sqrt3}+C
$$
であるから、
$$ S=\left[\frac{2}{\sqrt3}\arctan\frac{2x}{\sqrt3}-x\right]_{-1/2}^{1/2}
$$
となる。これを計算すると、
$$ S =2\left(\frac{2}{\sqrt3}\arctan\frac{1}{\sqrt3}-\frac12\right)
$$
ここで
$$ \arctan\frac{1}{\sqrt3}=\frac{\pi}{6}
$$
より、
$$ S=2\left(\frac{2}{\sqrt3}\cdot \frac{\pi}{6}-\frac12\right) =\frac{2\pi}{3\sqrt3}-1
$$
である。
(3) 回転体の体積
囲まれた図形を $x$ 軸のまわりに回転させると、$-\dfrac12\le x\le \dfrac12$ における断面は、外半径が $f(x)$、内半径が $1$ の円環になる。
したがって、体積 $V$ は
$$ V=\pi\int_{-1/2}^{1/2}\left\{\left(\frac{4}{3+4x^2}\right)^2-1^2\right\},dx
$$
である。すなわち、
$$ V=\pi\int_{-1/2}^{1/2}\left(\frac{16}{(3+4x^2)^2}-1\right),dx
$$
となる。
ここで偶関数であることを用いて
$$ V=2\pi\int_0^{1/2}\left(\frac{16}{(3+4x^2)^2}-1\right),dx
$$
とする。
$\dfrac{16}{(3+4x^2)^2}$ の積分を求めるために
$$ u=\frac{2x}{\sqrt3}
$$
とおくと、
$$ dx=\frac{\sqrt3}{2},du,\qquad 3+4x^2=3(1+u^2)
$$
であるから、
$$ \int \frac{16}{(3+4x^2)^2},dx =\frac{8\sqrt3}{9}\int \frac{1}{(1+u^2)^2},du
$$
となる。さらに
$$ \int \frac{1}{(1+u^2)^2},du =\frac12\left(\arctan u+\frac{u}{1+u^2}\right)+C
$$
であるから、
$$ \int \frac{16}{(3+4x^2)^2},dx =\frac{4\sqrt3}{9}\left(\arctan u+\frac{u}{1+u^2}\right)+C
$$
すなわち
$$ \int \frac{16}{(3+4x^2)^2},dx =\frac{4\sqrt3}{9}\left(\arctan\frac{2x}{\sqrt3} +\frac{\frac{2x}{\sqrt3}}{1+\frac{4x^2}{3}}\right)+C
$$
である。
よって
$$ \int_0^{1/2}\frac{16}{(3+4x^2)^2},dx =\frac{4\sqrt3}{9}\left(\frac{\pi}{6}+\frac{\frac{1}{\sqrt3}}{1+\frac13}\right) =\frac{4\sqrt3}{9}\left(\frac{\pi}{6}+\frac{\sqrt3}{4}\right) =\frac{2\sqrt3\pi}{27}+\frac13
$$
したがって、
$$ V=2\pi\left\{\left(\frac{2\sqrt3\pi}{27}+\frac13\right)-\frac12\right\}
$$
となり、
$$ V=2\pi\left(\frac{2\sqrt3\pi}{27}-\frac16\right) =\frac{4\sqrt3\pi^2}{27}-\frac{\pi}{3}
$$
である。
解説
この問題では、まず交点を求めて区間を確定することが出発点である。交点が $x=\pm \dfrac12$ と分かれば、以後の面積・体積はいずれもその区間での積分に帰着する。
また $f(x)=\dfrac{4}{3+4x^2}$ は偶関数であるため、左右対称性を使うと計算が半分で済む。特に (3) では、$x$ 軸まわりの回転でできる断面が「半径 $f(x)$ の円」から「半径 $1$ の円」を除いた円環になることを正確に捉えるのが重要である。
答え
**(1)**
点 $P$ は
$$ P\left(\frac12,1\right)
$$
であり、接線の方程式は
$$ y=-x+\frac32
$$
である。
**(2)**
面積は
$$ \frac{2\pi}{3\sqrt3}-1
$$
である。
**(3)**
回転体の体積は
$$ \frac{4\sqrt3\pi^2}{27}-\frac{\pi}{3}
$$
である。