基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題69 解説
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解説
方針・初手
回転軸が $y=x$ であるため,通常の $x$ 軸まわりの回転体ではなく,軸 $y=x$ に垂直な断面を考える。
曲線上の点 $P(x,x^3-x)$ から軸 $y=x$ へ下ろした垂線の長さを $h$,軸上での位置を $t$ とおけば,断面は半径 $h$ の円となる。したがって体積は,断面積 $\pi h^2$ を $t$ について積分すればよい。
解法1
まず交点を求める。曲線 $y=x^3-x$ と直線 $y=x$ の交点では
$$ x^3-x=x
$$
より
$$ x^3-2x=0
$$
すなわち
$$ x(x^2-2)=0
$$
である。したがって
$$ x=-\sqrt{2},\ 0,\ \sqrt{2}
$$
を得る。
よって,$\text{テ}<\text{ナ}<\text{ヌ}$ より
$$ A(-\sqrt{2},-\sqrt{2}),\quad O(0,0),\quad B(\sqrt{2},\sqrt{2})
$$
である。
次に,曲線上の点
$$ P(x,x^3-x)
$$
をとる。ここで考える図形は線分 $OB$ と曲線で囲まれた部分なので,$0\leqq x\leqq \sqrt{2}$ である。
点 $P(a,b)$ から直線 $y=x$ に下ろした垂線の足は
$$ \left(\frac{a+b}{2},\frac{a+b}{2}\right)
$$
であり,直線 $y=x$ からの距離は
$$ \frac{|a-b|}{\sqrt{2}}
$$
である。
ここで $a=x,\ b=x^3-x$ とすると,垂線の足 $Q$ は
$$ \begin{aligned} Q\left(\frac{x+(x^3-x)}{2},\frac{x+(x^3-x)}{2}\right) &= Q\left(\frac{x^3}{2},\frac{x^3}{2}\right) \end{aligned} $$
である。
したがって
$$ \begin{aligned} t=OQ=\sqrt{\left(\frac{x^3}{2}\right)^2+\left(\frac{x^3}{2}\right)^2} &= \frac{x^3}{\sqrt{2}} \end{aligned} $$
である。
また,$0\leqq x\leqq \sqrt{2}$ では
$$ 2x-x^3=x(2-x^2)\geqq 0
$$
だから
$$ \begin{aligned} h=PQ=\frac{x-(x^3-x)}{\sqrt{2}} &= \frac{2x-x^3}{\sqrt{2}} \end{aligned} $$
である。
よって
$$ h=\frac{2x-x^3}{\sqrt{2}},\quad t=\frac{x^3}{\sqrt{2}}
$$
であり,
$$ \frac{dt}{dx}=\frac{3x^2}{\sqrt{2}}
$$
となる。
積分範囲は,$x=0$ のとき $t=0$,$x=\sqrt{2}$ のとき
$$ t=\frac{(\sqrt{2})^3}{\sqrt{2}}=2
$$
であるから,
$$ 0\leqq t\leqq 2
$$
である。
したがって体積は
$$ V=\pi\int_0^2 h^2,dt
$$
である。$x$ を用いて計算すると,
$$ \begin{aligned} V &=\pi\int_0^{\sqrt{2}} \left(\frac{2x-x^3}{\sqrt{2}}\right)^2 \frac{3x^2}{\sqrt{2}},dx\\ &=\pi\int_0^{\sqrt{2}} \frac{(2x-x^3)^2}{2}\cdot \frac{3x^2}{\sqrt{2}},dx\\ &=\frac{3\pi}{2\sqrt{2}}\int_0^{\sqrt{2}}x^4(2-x^2)^2,dx\\ &=\frac{3\pi}{2\sqrt{2}}\int_0^{\sqrt{2}}(4x^4-4x^6+x^8),dx\\ &=\frac{3\pi}{2\sqrt{2}} \left[ \frac{4}{5}x^5-\frac{4}{7}x^7+\frac{1}{9}x^9 \right]_0^{\sqrt{2}}. \end{aligned}
$$
ここで
$$ (\sqrt{2})^5=4\sqrt{2},\quad (\sqrt{2})^7=8\sqrt{2},\quad (\sqrt{2})^9=16\sqrt{2}
$$
だから,
$$ \begin{aligned} V &=\frac{3\pi}{2\sqrt{2}} \left( \frac{16\sqrt{2}}{5} -\frac{32\sqrt{2}}{7} +\frac{16\sqrt{2}}{9} \right)\\ &=\frac{3\pi}{2\sqrt{2}}\cdot 16\sqrt{2} \left( \frac{1}{5}-\frac{2}{7}+\frac{1}{9} \right)\\ &=24\pi \left( \frac{63-90+35}{315} \right)\\ &=24\pi\cdot\frac{8}{315}\\ &=\frac{64\pi}{105}. \end{aligned}
$$
解説
この問題の要点は,回転軸が $x$ 軸や $y$ 軸ではなく,斜めの直線 $y=x$ である点である。
そこで,点 $P(x,x^3-x)$ から軸 $y=x$ へ下ろした垂線を考え,その長さを半径 $h$,軸上の位置を $t$ として処理する。垂線 $PQ$ は曲線と点 $P$ のみで交わるため,各断面は半径 $h$ の円板になる。
また,体積を求めるときは断面積が $\pi h^2$ であるため,積分には $\pi$ が必要である。画像中の式が $V=\int h^2,dt$ と読める場合でも,体積としては $V=\pi\int h^2,dt$ である。
答え
$$ \text{テ}=-\sqrt{2},\quad \text{ト}=-\sqrt{2}
$$
$$ \text{ナ}=0,\quad \text{ニ}=0
$$
$$ \text{ヌ}=\sqrt{2},\quad \text{ネ}=\sqrt{2}
$$
$$ \text{ノ}=\frac{2x-x^3}{\sqrt{2}},\quad \text{ハ}=\frac{x^3}{\sqrt{2}},\quad \text{ヒ}=\frac{3x^2}{\sqrt{2}}
$$
$$ \text{フ}=0,\quad \text{ヘ}=2
$$
体積は
$$ \text{ホ}=\frac{64\pi}{105}
$$
である。
ただし,画像中の式どおりに $\pi$ を付けずに $\int_0^2 h^2,dt$ の値だけを求めるなら,
$$ \int_0^2 h^2,dt=\frac{64}{105}
$$
である。