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数学3 積分法「体積」の問題73 解説
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解説
方針・初手
三角形 $OAB$ を原点まわりに回転させてできる図形 $D$ は、各時刻の三角形の和集合である。 まず点 $B(a,b)$ が半径 $\sqrt{a^2+b^2}$ の円弧を描くことに注目すると、$D$ の外枠はかなり明確になる。
そのうえで、$D$ を $x$ 軸のまわりに回転したときの体積は、$x$ の値ごとの断面を考えると求めやすい。 $x\geqq 0$ では円板、$x\leqq 0$ では中に穴のあいた円板になる。
解法1
(1) 図形 $D$ の形
$B(a,b)$ を原点 $O$ を中心に反時計回りに $90^\circ$ 回転すると
$$ B'(-b,a)
$$
に移る。
また、線分 $OB$ は回転によって、直線 $OB$ とその $90^\circ$ 回転後の直線 $OB'$ の間を動く。 したがって、図形 $D$ の境界は次の4つからなる。
- 線分 $OA$
- 線分 $AB$
- 点 $B$ から点 $B'$ までの、中心 $O$・半径 $\sqrt{a^2+b^2}$ の円弧
- 線分 $B'O$
ここで
$$ OB:\ y=\frac{b}{a}x, \qquad OB':\ y=-\frac{a}{b}x
$$
である。
よって $D$ は、原点を含み、線分 $OA,AB,B'O$ と円弧 $BB'$ に囲まれた図形である。
(2) 回転体の体積 $V$
$c=\sqrt{a^2+b^2}$ とおく。
(i) $0\leqq x\leqq a$ の部分
この範囲では、図形 $D$ は円
$$ x^2+y^2=c^2
$$
の内部を $x$ 軸まで埋めている。 したがって、回転断面は半径 $\sqrt{c^2-x^2}$ の円板であり、断面積は
$$ \pi(c^2-x^2)
$$
である。
(ii) $-b\leqq x\leqq 0$ の部分
この範囲では、上側境界は円
$$ x^2+y^2=c^2
$$
であり、下側境界は直線
$$ y=-\frac{a}{b}x
$$
である。
したがって回転断面は、外半径 $\sqrt{c^2-x^2}$、内半径 $-\dfrac{a}{b}x$ の円環であり、断面積は
$$ \pi\left\{(c^2-x^2)-\left(-\frac{a}{b}x\right)^2\right\} =\pi\left(c^2-x^2-\frac{a^2}{b^2}x^2\right)
$$
である。
ここで $c^2=a^2+b^2$ を用いると
$$ \begin{aligned} c^2-x^2-\frac{a^2}{b^2}x^2 &= c^2\left(1-\frac{x^2}{b^2}\right) \end{aligned} $$
となる。
(iii) 積分
よって体積 $V$ は
$$ V =
\pi\int_0^a (c^2-x^2),dx + \pi\int_{-b}^0 \left(c^2-x^2-\frac{a^2}{b^2}x^2\right),dx
$$
である。
まず
$$ \begin{aligned} \pi\int_0^a (c^2-x^2),dx &= \pi\left(c^2a-\frac{a^3}{3}\right) \end{aligned} $$
次に
$$ \begin{aligned} \pi\int_{-b}^0 \left(c^2-x^2-\frac{a^2}{b^2}x^2\right),dx &= \pi\int_{-b}^0 c^2\left(1-\frac{x^2}{b^2}\right),dx &= \frac{2}{3}\pi bc^2 \end{aligned} $$
であるから、
$$ V =
\pi\left(c^2a-\frac{a^3}{3}\right) + \frac{2}{3}\pi bc^2
$$
すなわち
$$ V =
\pi\left\{a(a^2+b^2)-\frac{a^3}{3}+\frac{2}{3}b(a^2+b^2)\right\}
$$
整理して
$$ V =
\frac{\pi}{3}\left(2a^3+2a^2b+3ab^2+2b^3\right)
$$
となる。
(3) $a+b=1$ のときの最小値
$b=1-a$ を代入すると
$$ V =
\frac{\pi}{3}\left(2a^3+2a^2(1-a)+3a(1-a)^2+2(1-a)^3\right)
$$
整理して
$$ V =
\pi\left(\frac13 a^3+\frac23 a^2-a+\frac23\right)
$$
と書ける。
これを微分すると
$$ \begin{aligned} V' &= \pi(a^2+\frac43 a-1) \end{aligned} $$
よって極値は
$$ a^2+\frac43 a-1=0
$$
すなわち
$$ 3a^2+4a-3=0
$$
の解で与えられる。 $a>0$ より
$$ a=\frac{-2+\sqrt{13}}{3}
$$
である。
さらに
$$ V''=\pi\left(2a+\frac43\right)>0
$$
であるから、このとき最小となる。
最小値は、これを
$$ V =
\pi\left(\frac13 a^3+\frac23 a^2-a+\frac23\right)
$$
に代入して
$$ \begin{aligned} V_{\min} &= \frac{\pi}{81}\left(124-26\sqrt{13}\right) \end{aligned} $$
である。
解説
この問題の要点は、回転してできる図形 $D$ を「円弧つきの図形」として正確に捉えることである。 点 $B$ は半径 $\sqrt{a^2+b^2}$ の円弧を描き、線分 $OB$ はその間の扇形部分を埋める。
体積計算では、$x$ の符号で断面の形が変わる点が重要である。 $0\leqq x\leqq a$ では円板、$-b\leqq x\leqq 0$ では円環になるので、ここを分けて積分すれば確実である。
答え
**(1)**
$D$ は、線分 $OA$、線分 $AB$、円弧 $BB'$、線分 $B'O$ に囲まれた図形である。ただし
$$ B'=(-b,a)
$$
であり、円弧 $BB'$ は中心 $O$、半径 $\sqrt{a^2+b^2}$ の円弧である。
**(2)**
$$ V=\frac{\pi}{3}\left(2a^3+2a^2b+3ab^2+2b^3\right)
$$
**(3)**
$a+b=1$ のとき
$$ a=\frac{\sqrt{13}-2}{3}
$$
のとき $V$ は最小となり、その最小値は
$$ V_{\min}=\frac{\pi}{81}\left(124-26\sqrt{13}\right)
$$
である。