基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題79 解説
数学3の積分法「体積」にある問題79の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
与えられた式は
$$ x=r\cos t,\qquad y=r\sin t,\qquad r=2(1+\cos t)
$$
と見れば、極方程式 $r=2(1+\cos t)$ で表される曲線である。 したがって、(1) は $x$ を $\cos t$ の式に直して調べ、(2) はそのまま微分し、(3) は上半分の図形を $x$ 軸のまわりに回転させると考えて体積を積分で求めるのが自然である。
解法1
**(1)**
$x$ の最大値・最小値を求める。
$$ x=2(1+\cos t)\cos t=2\cos t+2\cos^2 t
$$
ここで $u=\cos t$ とおくと、$-1\le u\le 1$ で
$$ x=2u^2+2u=2\left(u+\frac12\right)^2-\frac12
$$
となる。
したがって、最小値は
$$ -\frac12
$$
であり、これは $u=-\dfrac12$、すなわち $\cos t=-\dfrac12$ のときにとる。
また、$2\left(u+\dfrac12\right)^2-\dfrac12$ は上に開く放物線であるから、区間 $-1\le u\le 1$ における最大値は端で比較すればよい。
$$ u=1 \text{ のとき } x=4,\qquad u=-1 \text{ のとき } x=0
$$
より、最大値は
$$ 4
$$
である。
よって、
$$ xの最大値は4,\qquad xの最小値は-\frac12
$$
である。
**(2)**
$\dfrac{dx}{dt}$ を求める。
$$ x=2(1+\cos t)\cos t
$$
を積の微分で計算すると、
$$ \frac{dx}{dt} =2\left\{(-\sin t)\cos t+(1+\cos t)(-\sin t)\right\}
$$
したがって、
$$ \frac{dx}{dt} =-2\sin t(1+2\cos t)
$$
である。
(3) この曲線で囲まれる図形を $x$ 軸のまわりに1回転してできる立体の体積を求める。
曲線は $x$ 軸について対称であるから、上半分 $0\le t\le \pi$ を考える。 このとき、上半分の領域は極座標で
$$ 0\le t\le \pi,\qquad 0\le r\le 2(1+\cos t)
$$
と表される。
上半分の微小面積 $dA$ を $x$ 軸のまわりに回転すると、半径 $y=r\sin t$ の円筒殻ができるので、その微小体積 $dV$ は
$$ dV=2\pi y\,dA
$$
である。しかも極座標では
$$ dA=r\,dr\,dt
$$
だから、
$$ dV=2\pi (r\sin t)\,r\,dr\,dt =2\pi r^2\sin t\,dr\,dt
$$
となる。
よって体積 $V$ は
$$ V=2\pi\int_0^\pi\int_0^{2(1+\cos t)} r^2\sin t,dr,dt
$$
である。まず $r$ について積分すると、
$$ V=2\pi\int_0^\pi\left[\frac{r^3}{3}\right]_{0}^{2(1+\cos t)}\sin t,dt
$$
すなわち、
$$ V=\frac{2\pi}{3}\int_0^\pi {2(1+\cos t)}^3\sin t,dt =\frac{16\pi}{3}\int_0^\pi (1+\cos t)^3\sin t,dt
$$
となる。
ここで
$$ u=1+\cos t
$$
とおくと、
$$ du=-\sin t,dt
$$
であり、$t=0$ のとき $u=2$、$t=\pi$ のとき $u=0$ だから、
$$ \int_0^\pi (1+\cos t)^3\sin t,dt =\int_2^0 u^3(-du) =\int_0^2 u^3,du =\left[\frac{u^4}{4}\right]_0^2 =4
$$
したがって、
$$ V=\frac{16\pi}{3}\cdot 4=\frac{64\pi}{3}
$$
である。
解説
この問題の要点は、媒介変数表示をそのまま扱うよりも
$$ x=r\cos t,\qquad y=r\sin t,\qquad r=2(1+\cos t)
$$
と見て、極方程式として理解することである。
(1) では $x$ を $\cos t$ の2次式に直すと一気に処理できる。 (3) では $x$ を $t$ の関数として追うと単調でないため、断面積を $x$ で積分すると場合分けが煩雑になる。極座標のまま上半分の微小面積を回転させる考え方を使うと、計算が素直になる。
答え
**(1)**
$x$ の最大値は
$$ 4
$$
最小値は
$$ -\frac12
$$
である。
**(2)**
$$ \frac{dx}{dt}=-2\sin t(1+2\cos t)
$$
**(3)**
求める体積は
$$ \frac{64\pi}{3}
$$
である。