基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題89 解説
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解説
方針・初手
四面体の内部を座標で表すには、頂点の凸結合として表すのが最も扱いやすい。
四面体 $ACFH$ については、点 $(x,y,z)$ を
$$ (x,y,z)=\lambda C+\mu F+\nu H+(1-\lambda-\mu-\nu)A
$$
とおくと、$\lambda,\mu,\nu\geqq 0,\ \lambda+\mu+\nu\leqq 1$ によって内部条件が書ける。これを $(x,y,z)$ の不等式に直し、$z=t$ を代入すれば切り口が求まる。
(2) も同様に、四面体 $BDEG$ の内部条件を不等式で表し、両者を同時に満たす領域を線形変換で簡単な立体に移す。
解法1
まず四面体 $ACFH$ を考える。
点 $(x,y,z)$ が四面体 $ACFH$ 内またはその境界上にあるとする。このとき
$$ (x,y,z)=\lambda (1,1,0)+\mu (1,0,1)+\nu (0,1,1)
$$
と書けて、$\lambda,\mu,\nu\geqq 0,\ \lambda+\mu+\nu\leqq 1$ である。
座標を比較すると
$$ x=\lambda+\mu,\quad y=\lambda+\nu,\quad z=\mu+\nu
$$
であるから、
$$ \lambda=\frac{x+y-z}{2},\quad \mu=\frac{x+z-y}{2},\quad \nu=\frac{y+z-x}{2}
$$
となる。さらに
$$ 1-\lambda-\mu-\nu =1-\frac{x+y+z}{2}
$$
である。したがって、四面体 $ACFH$ は
$$ x+y-z\geqq 0,\quad x+z-y\geqq 0,\quad y+z-x\geqq 0,\quad x+y+z\leqq 2
$$
で表される。
(1) 切断面の面積
平面 $z=t\ (0\leqq t\leqq 1)$ で切ると、切断面上では
$$ x+y\geqq t,\quad x-y\leqq t,\quad y-x\leqq t,\quad x+y\leqq 2-t
$$
すなわち
$$ t\leqq x+y\leqq 2-t,\quad -t\leqq x-y\leqq t
$$
となる。
ここで
$$ u=x+y,\quad v=x-y
$$
とおくと、切断面は $uv$ 平面上で
$$ t\leqq u\leqq 2-t,\quad -t\leqq v\leqq t
$$
という長方形に対応する。
また
$$ x=\frac{u+v}{2},\quad y=\frac{u-v}{2}
$$
より、ヤコビアンは
$$ \left|\frac{\partial(x,y)}{\partial(u,v)}\right|=\frac{1}{2}
$$
である。したがって切断面の面積 $S(t)$ は
$$ S(t)=\frac{1}{2}{(2-t)-t}{t-(-t)}
$$
$$ =\frac{1}{2}(2-2t)(2t) =2t(1-t)
$$
となる。
(2) 四面体 $ACFH$ と四面体 $BDEG$ の共通部分の体積
次に四面体 $BDEG$ を考える。
点 $(x,y,z)$ が四面体 $BDEG$ 内またはその境界上にあるとすると、
$$ (x,y,z)=\alpha B+\beta D+\gamma E+\delta G
$$
と書けて、$\alpha,\beta,\gamma,\delta\geqq 0,\ \alpha+\beta+\gamma+\delta=1$ である。
座標を比較すると
$$ x=\alpha+\delta,\quad y=\beta+\delta,\quad z=\gamma+\delta
$$
であり、これより
$$ \delta=\frac{x+y+z-1}{2}
$$
となる。さらに $\alpha,\beta,\gamma\geqq 0$ を用いると、
$$ x+y+z\geqq 1,\quad x+y-z\leqq 1,\quad x+z-y\leqq 1,\quad y+z-x\leqq 1
$$
を得る。
よって、共通部分は
$$ 0\leqq x+y-z\leqq 1,
$$
$$ 0\leqq x+z-y\leqq 1,
$$
$$ 0\leqq y+z-x\leqq 1,
$$
$$ 1\leqq x+y+z\leqq 2
$$
で表される。
ここで
$$ u=x+y-z,\quad v=x+z-y,\quad w=y+z-x
$$
とおく。すると共通部分は
$$ 0\leqq u\leqq 1,\quad 0\leqq v\leqq 1,\quad 0\leqq w\leqq 1,\quad 1\leqq u+v+w\leqq 2
$$
に対応する。
また逆変換は
$$ x=\frac{u+v}{2},\quad y=\frac{u+w}{2},\quad z=\frac{v+w}{2}
$$
であり、ヤコビアンは
$$ \left|\frac{\partial(x,y,z)}{\partial(u,v,w)}\right|=\frac{1}{4}
$$
である。
したがって、求める体積は、$uvw$ 空間における領域
$$ 0\leqq u,v,w\leqq 1,\quad 1\leqq u+v+w\leqq 2
$$
の体積の $\frac14$ 倍である。
この領域は、単位立方体 $[0,1]^3$ から
$$ u+v+w<1
$$
の四面体と
$$ u+v+w>2
$$
の四面体を除いたものである。これら 2 つの四面体はいずれも体積が
$$ \frac{1}{6}
$$
であるから、真ん中の部分の体積は
$$ 1-\frac{1}{6}-\frac{1}{6}=\frac{2}{3}
$$
となる。
よって、元の空間での共通部分の体積 $V$ は
$$ V=\frac{1}{4}\cdot \frac{2}{3}=\frac{1}{6}
$$
である。
解説
この問題の要点は、四面体を「頂点の凸結合」で表し、それを座標不等式に直すことである。
(1) では $z=t$ を代入したあと、$x+y,\ x-y$ という形にまとめると領域が長方形になり、面積計算が一気に簡単になる。
(2) では、2つの四面体の共通部分をそのまま眺めても形が見えにくい。そこで
$$ u=x+y-z,\quad v=x+z-y,\quad w=y+z-x
$$
という変数変換を行うと、条件が $0\leqq u,v,w\leqq 1$ と $1\leqq u+v+w\leqq 2$ に整理され、単位立方体の中央部分として読める。ここまで整理できれば体積は機械的に求まる。
答え
**(1)**
切断面の面積は
$$ 2t(1-t)\qquad (0\leqq t\leqq 1)
$$
である。
**(2)**
四面体 $ACFH$ と四面体 $BDEG$ の重なり合う部分の体積は
$$ \frac{1}{6}
$$
である。