基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題97 解説
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解説
方針・初手
まず
$$ f(x)=e^{-x}\cos x,\qquad g(x)=e^{-x}\sin x $$
の微分関係を調べる。
$$ f'(x)=-f(x)-g(x),\qquad g'(x)=f(x)-g(x) $$
より,$f(x)\pm g(x)$ の導関数が簡単になるので,最初の積分公式がすぐ求まる。
また $f(x)^2,\ g(x)^2$ については
$$ f(x)^2=e^{-2x}\cos^2x,\qquad g(x)^2=e^{-2x}\sin^2x $$
と変形して倍角公式を用いればよい。
回転体では,区間ごとの符号と $|f|,\ |g|$ の大小関係を正確に見ることが重要である。
解法1
1. ア,イ,ウ,エを求める
まず
$$ \frac{d}{dx}\{f(x)-g(x)\}=f'(x)-g'(x)=(-f-g)-(f-g)=-2f(x) $$
より,
$$ \int f(x)\,dx=-\frac12\{f(x)-g(x)\}+C_1 $$
である。したがって
$$ \boxed{\text{ア}=-\frac12} $$
である。
同様に
$$ \frac{d}{dx}\{f(x)+g(x)\}=f'(x)+g'(x)=(-f-g)+(f-g)=-2g(x) $$
より,
$$ \int g(x)\,dx=-\frac12\{f(x)+g(x)\}+C_2 $$
となる。
次に $ax$ の場合を考えると,
$$ \frac{d}{dx}\{f(ax)-g(ax)\} =a\{f'(ax)-g'(ax)\} =-2a\,f(ax) $$
であるから,
$$ \int f(ax)\,dx=-\frac{1}{2a}\{f(ax)-g(ax)\}+C_3 $$
である。同様に
$$ \int g(ax)\,dx=-\frac{1}{2a}\{f(ax)+g(ax)\}+C_4 $$
である。よって
$$ \boxed{\text{イ}=-\frac{1}{2a}} $$
となる。
次に $f(x)^2$ を求める。
$$ f(x)^2=e^{-2x}\cos^2x=\frac12e^{-2x}(1+\cos2x) $$
より,
$$ \int f(x)^2\,dx =\frac12\int e^{-2x}\,dx+\frac12\int e^{-2x}\cos2x\,dx $$
である。ここで
$$ f(2x)=e^{-2x}\cos2x,\qquad g(2x)=e^{-2x}\sin2x $$
であり,
$$ \frac{d}{dx}\{f(2x)-g(2x)\}=-4f(2x)=-4e^{-2x}\cos2x $$
より
$$ \int e^{-2x}\cos2x\,dx=-\frac14\{f(2x)-g(2x)\} $$
となる。したがって
$$ \int f(x)^2\,dx =-\frac18\{f(2x)-g(2x)\}-\frac14e^{-2x}+C_5 $$
である。よって
$$ \boxed{\text{ウ}=-\frac18},\qquad \boxed{\text{エ}=\frac14} $$
となる。
同様に
$$ g(x)^2=e^{-2x}\sin^2x=\frac12e^{-2x}(1-\cos2x) $$
より
$$ \int g(x)^2\,dx =-\frac18\{-f(2x)+g(2x)\}-\frac14e^{-2x}+C_6 $$
となる。
2. 領域 $D$ の面積を求める
区間 $\dfrac{\pi}{2}\le x\le \pi$ では
$$ \cos x\le 0,\qquad \sin x\ge 0 $$
であるから,
$$ f(x)\le 0\le g(x) $$
となる。したがって $D$ の面積は
$$ \int_{\pi/2}^{\pi}\{g(x)-f(x)\}\,dx $$
である。
ここで
$$ \frac{d}{dx}\{-g(x)\}=-g'(x)=-(f-g)=g-f $$
より,
$$ \int_{\pi/2}^{\pi}\{g(x)-f(x)\}\,dx =\bigl[-g(x)\bigr]_{\pi/2}^{\pi} =-g(\pi)+g\left(\frac{\pi}{2}\right) $$
となる。
$$ g(\pi)=e^{-\pi}\sin\pi=0,\qquad g\left(\frac{\pi}{2}\right)=e^{-\pi/2} $$
なので,
$$ \boxed{\text{オ}=e^{-\pi/2}} $$
である。
3. カを求める
$|f(x)|=|g(x)|$ は
$$ e^{-x}|\cos x|=e^{-x}|\sin x| $$
すなわち
$$ |\cos x|=|\sin x| $$
に等しい。
区間 $\dfrac{\pi}{2}\le x\le \pi$ では $\cos x\le 0,\ \sin x\ge 0$ なので,
$$ -\cos x=\sin x $$
すなわち
$$ \tan x=-1 $$
となる。よって
$$ \boxed{\text{カ}=\frac{3\pi}{4}} $$
である。
4. キ,ク,ケを求める
領域 $D$ を $x$ 軸のまわりに回転すると,断面は軸を含むので円環ではなく円板になる。
**(i)**
$\dfrac{\pi}{2}\le x\le \dfrac{3\pi}{4}$ では $g(x)\ge |f(x)|$ であるから,断面の半径は $g(x)$ である。したがって
$$ \text{キ} =\pi\int_{\pi/2}^{3\pi/4}g(x)^2\,dx $$
である。上で求めた原始関数を用いると,
$$ \int_{\pi/2}^{3\pi/4}g(x)^2\,dx =\left[ -\frac18\{-f(2x)+g(2x)\}-\frac14e^{-2x} \right]_{\pi/2}^{3\pi/4} $$
となる。ここで
$$ f(\pi)=-e^{-\pi},\quad g(\pi)=0,\quad f\left(\frac{3\pi}{2}\right)=0,\quad g\left(\frac{3\pi}{2}\right)=-e^{-3\pi/2} $$
より
$$ \int_{\pi/2}^{3\pi/4}g(x)^2\,dx =\frac{3e^{-\pi}-e^{-3\pi/2}}{8} $$
となる。したがって
$$ \boxed{\text{キ}=\frac{\pi}{8}\left(3e^{-\pi}-e^{-3\pi/2}\right)} $$
である。
**(ii)**
$\dfrac{3\pi}{4}\le x\le \pi$ では $|f(x)|\ge g(x)$ であるから,断面の半径は $|f(x)|$ であり,その二乗は $f(x)^2$ である。よって
$$ \text{ク} =\pi\int_{3\pi/4}^{\pi}f(x)^2\,dx $$
となる。上で求めた原始関数を用いると,
$$ \int_{3\pi/4}^{\pi}f(x)^2\,dx =\left[ -\frac18\{f(2x)-g(2x)\}-\frac14e^{-2x} \right]_{3\pi/4}^{\pi} $$
である。これを計算すると,
$$ \int_{3\pi/4}^{\pi}f(x)^2\,dx =\frac{3}{8}\left(e^{-3\pi/2}-e^{-2\pi}\right) $$
となる。したがって
$$ \boxed{\text{ク}=\frac{3\pi}{8}\left(e^{-3\pi/2}-e^{-2\pi}\right)} $$
である。
よって
$$ V=\text{キ}+\text{ク} =\frac{\pi}{8}\left(3e^{-\pi}+2e^{-3\pi/2}-3e^{-2\pi}\right) $$
となるから,
$$ \boxed{\text{ケ}=\frac{\pi}{8}\left(3e^{-\pi}+2e^{-3\pi/2}-3e^{-2\pi}\right)} $$
である。
5. コを求める
領域 $E$ は
$$ \frac{3\pi}{2}\le x\le 2\pi,\qquad g(x)\le y\le f(x) $$
で与えられる。
ここで
$$ f(x+\pi)=e^{-(x+\pi)}\cos(x+\pi)=-e^{-\pi}f(x), $$
$$ g(x+\pi)=e^{-(x+\pi)}\sin(x+\pi)=-e^{-\pi}g(x) $$
が成り立つ。したがって,$D$ を右へ $\pi$ だけ平行移動すると,$y$ 方向には $-e^{-\pi}$ 倍された領域になり,ちょうど $E$ に移る。
よって回転体の各断面積は $e^{-2\pi}$ 倍になり,全体の体積も $e^{-2\pi}$ 倍になる。したがって,$E$ を $x$ 軸のまわりに回転してできる立体の体積は
$$ e^{-2\pi}V $$
である。ゆえに
$$ \boxed{\text{コ}=e^{-2\pi}} $$
となる。
解説
この問題の核心は,$f,\ g$ をそのまま積分しようとせず,まず
$$ f'=-f-g,\qquad g'=f-g $$
を見抜くことである。これにより $f\pm g$ の導関数が単純になり,最初の空欄はすぐ埋まる。
また,回転体では「上下のグラフをそのまま外半径・内半径にする」と誤りやすい。今回の領域は $x$ 軸をまたぐため,断面は円環ではなく円板であり,半径は $|f|,\ |g|$ の大きい方になる。その境目が $|f|=|g|$ の解 $x=\dfrac{3\pi}{4}$ である。
最後の $E$ は,$D$ を $\pi$ だけ平行移動し,さらに $y$ 方向に $-e^{-\pi}$ 倍したものと見れば,体積比は即座に $e^{-2\pi}$ と分かる。
答え
**ア** $= -\dfrac12$
**イ** $= -\dfrac{1}{2a}$
**ウ** $= -\dfrac18$
**エ** $= \dfrac14$
**オ** $= e^{-\pi/2}$
**カ** $= \dfrac{3\pi}{4}$
**キ** $= \dfrac{\pi}{8}\left(3e^{-\pi}-e^{-3\pi/2}\right)$
**ク** $= \dfrac{3\pi}{8}\left(e^{-3\pi/2}-e^{-2\pi}\right)$
**ケ** $= \dfrac{\pi}{8}\left(3e^{-\pi}+2e^{-3\pi/2}-3e^{-2\pi}\right)$
**コ** $= e^{-2\pi}$