基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題105 解説
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解説
方針・初手
2直線 $\ell_1,\ell_2$ の交点を原点とし,$\ell_1,\ell_2$ をそれぞれ $x$ 軸,$y$ 軸にとる。さらに,$\ell_1,\ell_2$ を含む平面を $z=0$ とする。
このとき,円柱 $C_1,C_2$ はそれぞれ
$$ C_1:\ y^2+z^2\le r^2, \qquad C_2:\ x^2+z^2\le r^2
$$
と表される。したがって,共通部分 $D$ は
$$ D={(x,y,z)\mid y^2+z^2\le r^2,\ x^2+z^2\le r^2}
$$
である。
この式を用いて,各断面の形を調べ,最後に断面積を積分して体積を求める。
解法1
(1) $\ell_1$ に直交する平面による切り口
$\ell_1$ は $x$ 軸であるから,$\ell_1$ に直交する平面は $x=a$ と書ける。
この平面で切ると,
- $C_1$ は
$$ y^2+z^2\le r^2 $$
で表される半径 $r$ の円
- $C_2$ は
$$ a^2+z^2\le r^2 $$
すなわち
$$ |z|\le \sqrt{r^2-a^2} $$
で表される帯状部分
となる。
したがって,$D$ の切り口は
$$ y^2+z^2\le r^2, \qquad |z|\le \sqrt{r^2-a^2}
$$
を同時に満たす部分であり,半径 $r$ の円を2本の平行な弦で切り取った形になる。
特に,
- $a=0$ のときは半径 $r$ の円
- $|a|=r$ のときは線分 $-r\le y\le r$
となる。
(2) $\ell_1,\ell_2$ を含む平面と平行な平面による切り口
$\ell_1,\ell_2$ を含む平面は $z=0$ であるから,それに平行な平面は $z=c$ と書ける。
この平面で切ると,
$$ y^2+c^2\le r^2, \qquad x^2+c^2\le r^2
$$
より,
$$ |x|\le \sqrt{r^2-c^2}, \qquad |y|\le \sqrt{r^2-c^2}
$$
となる。
よって切り口は,平面 $z=c$ 上の正方形
$$ -\sqrt{r^2-c^2}\le x\le \sqrt{r^2-c^2}, \qquad -\sqrt{r^2-c^2}\le y\le \sqrt{r^2-c^2}
$$
である。
したがって,その一辺の長さは
$$ 2\sqrt{r^2-c^2}
$$
である。
特に,
- $c=0$ のときは一辺 $2r$ の正方形
- $|c|=r$ のときは1点
となる。
(3) $D$ の概形
(2) より,$z=c$ による切り口はすべて正方形であり,$|c|$ が大きくなるにつれてその正方形は小さくなり,$z=\pm r$ で1点になる。
したがって $D$ は,
- 中央の平面 $z=0$ で最大の正方形断面をもち,
- 上下に向かって正方形断面が縮んでいく
立体である。
境界面は2つの円柱面の一部からなり,左右・前後・上下について対称である。
(4) $D$ の体積
$z=c$ における切り口は一辺
$$ 2\sqrt{r^2-c^2}
$$
の正方形であるから,その面積 $A(c)$ は
$$ A(c)=\left(2\sqrt{r^2-c^2}\right)^2=4(r^2-c^2)
$$
である。
よって体積 $V$ は
$$ V=\int_{-r}^{r}4(r^2-c^2),dc
$$
となる。計算すると,
$$ \begin{aligned} V &=4\int_{-r}^{r}(r^2-c^2),dc \\ &=4\left[r^2c-\frac{c^3}{3}\right]_{-r}^{r} \\ &=4\left(\frac{2r^3}{3}-\left(-\frac{2r^3}{3}\right)\right) \\ &=\frac{16}{3}r^3 \end{aligned}
$$
したがって,
$$ V=\frac{16}{3}r^3
$$
である。
解説
この問題の要点は,立体全体を直接眺めるのではなく,座標を設定して断面を式で表すことである。
特に (2) の断面が正方形になることを見抜ければ,断面積がすぐに求まり,体積計算は1変数の積分に帰着する。ここが最重要である。
一方,(1) の断面は円そのものではなく,もう一方の円柱によって上下を切り取られた部分になる。ここを取り違えないことが必要である。
答え
**(1)**
$\ell_1$ に直交する平面 $x=a$ による切り口は
$$ y^2+z^2\le r^2, \qquad |z|\le \sqrt{r^2-a^2}
$$
で表される図形であり,半径 $r$ の円を2本の平行な弦で切り取った形である。
**(2)**
$\ell_1,\ell_2$ を含む平面に平行な平面 $z=c$ による切り口は,一辺
$$ 2\sqrt{r^2-c^2}
$$
の正方形である。
**(3)**
$D$ は,平面 $z=0$ で一辺 $2r$ の正方形断面をもち,$z=\pm r$ に向かって正方形断面が縮んでいく,2つの円柱の共通部分の立体である。
**(4)**
体積は
$$ \frac{16}{3}r^3
$$
である。